ニュースの見出しで、バイデン大統領がカリフォルニア遊説で、『日本に軍拡をさせたのは私だ』と発言、という見出しが躍っていた。これを目にした時は相当頭にきたし、老いぼれているのか?とも思った、が、待て待て、こういう長いスピーチの中のほんの一箇所を切り取り、取り上げる方に意図があると思えたので確かめたみた。
ホワイトハウスWeb:
Remarks by President Biden at a Campaign Reception Jun 20th 2023
Private Residence:Kentfield, California(カリフォルニア州ケントフィールド個人宅にて)
ここでバイデン大統領は、支援する人々への謝意、習近平氏との数回にわたる対談(対面ではトータル六十時間)に触れ、国内でのシャーロットビルにおける保守派の暴走が大統領立候補の引き金になったことに触れ、民主主義が危機に瀕していることを述べた。
ロシア・ウクライナ、そしてNATOとの関係に言及し、中西部のラストベルトの新しい可能性について話した。地球温暖化への取り組み、そのあとに、今日本で騒いでいる発言をした。
You know, Japan hasn’t increased its military budget for a long, long time.
But guess what? I met with the chairman — the president — the vice — excuse me, the leader of Japan for, I guess, on three different occasions, including in Hiroshima. And he convinced — I convinced him and he convinced himself that he had to do something different.
Japan has increased its military budget exponentially. And guess what? When is the last time you heard Japan being interested in what’s happening in the middle of Europe in a war and contributing to the help and support of the state of — of Ukraine?
And so, things are changing. We put together in Southeast Asia — and, by the way, I promise you we’re going to — don’t worry about China. I mean, worry about China, but don’t worry about China. (Laughter.)
No, but I really mean it. China is real — has real economic difficulties. And the reason why Xi Jinping got very upset in terms of when I shot that balloon down with two boxcars full of spy equipment in it is he didn’t know it was there. No, I’m serious. That’s what’s a great embarrassment for dictators, when they didn’t know what happened. That wasn’t supposed to be going where it was. It was blown off course up through Alaska and then down through the United States. And he didn’t know about it. When it got shot down, he was very embarrassed. He denied it was even there.
But the fo- — did — the very important point is he’s in a situation now where he wants to have a relationship again. Tony Blinken just went over there — our Secretary of State; did a good job. And it’s going to take time.
But what he was really upset about was that I insisted that we — we reunite the Qu- — so-called Quad. He called me and told me not to do that because it was putting him in a bind. I said, “All we’re doing — we’re not trying to surround you, we’re just trying to make sure the international rules with air and sea lanes remain open. And we’re not going to yield to that — on that.”
So now we have India, Australia, Japan, and the United States working hand in glove in the South China Sea and the Indian Ocean.
We have a situation where I’ve met with all 50 of the major maritime states in East Asia. And — and they’re — they’re — I mean, I never thought, as a kid coming out of the Vietnam War era, that we would have Cambodia, Vietnam, and Laos wanting closer relationships with the United States of America.
So my point is: The world is changing, and we have an opportunity to not take advantage of it at everyone else’s expense, but to change the dynamic in the world. We’re in a position now where Russia is — well, let me put this way: If I told any of you — or matter of fact, if you told me that Russia was going to send 185,000 troops into the country of Ukraine without it being armed, and that the Russians at this point were still going to have lost well over
ご存知のように、日本は長い間軍事予算を増額していません。
でも、どうだろう? 私は、議長、大統領、副議長、失礼ですが(日本の役職の呼び名がわからなかったらしい)、日本の指導者と、広島を含めておそらく 3 回、異なる機会にお会いしました。 そして彼(岸田さん)は確信しました—私も彼を説得し、彼も何か違うことをしなければならないと自分自身に納得させました。
そして日本は軍事予算を飛躍的に増大させた。
それは、何故だと思いますか?
日本が戦争のさなかのヨーロッパ中部で、何が起こっているかに関心を持ちウクライへの支援に貢献していると最後に聞いたのはいつですか?
そして、状況は変わりつつあります。 私たちは東南アジアで組織しています - ちなみに、そうするつもりだと約束します - 中国のことは心配しないでください。 つまり、中国のことは心配ですが、中国のことは心配しないでください。 (笑い。)
ええ、でも本当にそう思っています。 中国は現実であり、現実の経済的困難を抱えている。 そして、私がスパイ機器を満載した有蓋車2台を乗せた気球を撃ち落としたとき、習近平が非常に怒った理由は、彼がそこにそれがあることを知らなかったからです。 いいえ私は真剣です。 何が起こったのかを知らなかった独裁者にとって、それは非常に恥ずかしいことだ。 それは本来あるべきところではなかった。 コースを外れてアラスカを抜け、その後米国を抜けた。 そして彼はそれを知りませんでした。 それが撃墜されたとき、彼はとても当惑した。 彼はそれが存在することすら否定した。
しかし、彼は、実際にそうしました。非常に重要な点は、彼が今、再び関係を持ちたいと思っている状況にあるということです。 トニー・ブリンケンはちょうどそこに行きました、私たちの国務長官です。 彼は良い仕事をしました。 ただし時間がかかります。
習近平氏が本当に腹を立てていたのは、私たちが、クアッドを再結成する、いわゆるクワッドを主張したことだった。 彼は私に電話して、自分を窮地に追い込むようなことはしないようにと言いました。 私はこう言いました。「私たちがやっていることは、あなたたちを包囲しようとしているわけではありません。空路と海上交通路に関する国際ルールが確実に守られるよう努めているだけです。 そして、それに関しては我々は屈するつもりはない。」
この件に関して、現在、インド、オーストラリア、日本、米国が南シナ海とインド洋で協力しています。私は東アジアの主要海洋国家50カ国すべてと会談したという状況にあります。 そして、彼らは、つまり、ベトナム戦争時子供時代を送ってきた人々は、現在、カンボジア、ベトナム、ラオスがアメリカ合衆国とのより緊密な関係を望んでいるとは想像だにしていませんでした。
日本が完成する部分を抜き出して翻訳しました。ほんの一部、それも中国と周辺のアジア諸国との均衡の中で、話されたことであり、この演説ではバイデン氏は日本の指導者に会い、彼らの決断を後押しした一人だ、と述べている。ずいぶんニュアンスが違う。
日本の報道では、アメリカ宗主国!!と怒りをためている人々を、屈辱的気分にし、煽って
日本政府が抗議したかのような姿勢が報じられている。
日本の防衛費増額「私が説得した」バイデン大統領の発言に高まる岸田首相への不信感「国民への裏切り」「米国の傀儡」
6/22(木) 17:21配信
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SmartFLASH
6月20日、カリフォルニア州でのAIに関するディスカッションに出席した米国のバイデン大統領(写真・AP/アフロ)
6月20日、米国のバイデン大統領は、カリフォルニア州で開いた支持者集会で、日本の防衛費の大幅増額をめぐり、自ら岸田文雄首相に働きかけた成果だったとアピールした。
「日本は長い間、軍事予算を増額してこなかった。しかし、どうだろう? 私は、議長、大統領、副議長、失礼、日本の指導者と、広島を含めておそらく3回、異なる機会に会い、私は彼(岸田首相)を説得し、彼自身も何か違うことをしなければならないと確信した」
北大西洋条約機構(NATO)は、加盟国に対国内総生産(GDP)比2%の防衛費確保を求めている。バイデン大統領は「日本は、軍事予算を飛躍的に増大させた。日本が欧州での戦争に関心を持ち、ウクライナへの支援に貢献しているのはいつ以来か?」とも述べ、日本のウクライナ支援強化も、自らが引き出したものだとアピールした。読売新聞が報じた。
バイデン大統領は2022年5月に来日し、岸田首相と会談。5月23日、バイデン大統領との共同記者会見で岸田首相は「私から、日本の防衛力を抜本的に強化し、その裏づけとなる防衛費の相当な増額を確保する決意を表明した」ことを明らかにした。
岸田首相は、バイデン大統領から「強い支持」を得たと説明。さらに「日米で安全保障、防衛協力を拡大、深化させることで一致した。バイデン大統領からは、日本の防衛へのコミットメントがあらためて表明された」と言及していた。
同年5月31日には、参院予算委員会で、共産党の小池晃書記局長から「防衛費増額は対米公約か?」と問われ、岸田首相は「我が国が主体的に決めるものであり、けっして対米公約ではない」と否定していた。
そして同年12月、岸田政権は、2023年度から5年間の防衛費総額を43兆円程度とすることを閣議決定。現行の計画から1.6倍に積み増す、過去最大の増額となった。
防衛費増額に向けた財源確保法は、6月16日に成立。その直後に、バイデン大統領の発言が飛び出したかたちとなった。立憲民主党の米山隆一衆院議員は6月22日、自身のTwitterにこう書きこんだ。
《岸田内閣の日本の国力に合わない、無理やりな「財源なきGDP2%への防衛費倍増」は、独自の積み上げでもなんでもなく、アメリカの説得(押し付け)によるものである事が、公開されてしまいました。これは、岸田総理の国会での答弁にも反します。国民に対する裏切だと思います》
漫画家の倉田真由美氏も同日、自身のTwitterに《アメリカ様のいうがまま。飼われてるのかな》と書きこんだ。
日本の防衛費増額に関して、バイデン大統領が「私が3度会い、説得した」と発言したことに、SNSでは怒りの声が上がっている。
《アメリカの言いなり。こんなことかとは思っていたが、防衛費増額論議は、臨時国会を開いてやり直しだな》
《米国の傀儡である事が明確に。米国の型落ち装備を、3倍以上の値段で買わされ続ける日本》
《内政干渉 国会閉会後 二重に怒りがこみ上げてくる》
一方、バイデン大統領は岸田首相に言及する際、「議長」「大統領」などと何度も言い間違えたあと、「日本の指導者」と発言。5月のG7広島サミットでも岸田首相に「大統領」と話しかけたこともあり、SNSでは、バイデン大統領の発言を疑問視する声も上がっている。
《バイデンはあいかわらず口が軽いというか。余計な事をいう人というか。何をいまさらというか》
《ここ最近、バイデンの発言がめちゃくちゃ、習近平の事を独裁者と呼んだり》
《自分は何を言っているのか理解してないのでは?》
バイデン大統領は、日本の防衛費増額にふれた同じスピーチで、中国の習近平国家主席を「独裁者」と表現。中国外務省は、「公然たる政治的挑発」と猛反発した。
ブリンケン米国務長官が訪中して「対話の維持」を確認した直後の発言だ。1度のスピーチで2カ国を怒らせるバイデン大統領の「放言癖」。くれぐれも慎んでもらいたいものだ。
共産党の小池晃書記局長から「防衛費増額は対米公約か?」と問われ、岸田首相は「我が国が主体的に決めるものであり、けっして対米公約ではない」と否定していた。
これ、対外公約ではなく、アメリカを盾にした増額実行ではないか?
1度のスピーチで2カ国を怒らせるバイデン大統領の「放言癖」。くれぐれも慎んでもらいたいものだ。とおっしゃるが、原文においては、”放言”と言える部分はない。
こういう記事いすれば、上記のような反応を日本国内に容易に作り出せる。ワタクシも最初に見たっとき同じように怒りを感じた。
松野官房長官は会見で、「バイデン氏の発言の真意は明らかではないが、防衛費の増額は我が国自身の判断によるものであり、発言は誤解を招き得るものであったとの日本の立場を説明した」と述べた。米側からも「日本の防衛費の増額は日本自身の判断だった」との認識が示されたという。
そりゃ示すだろう。自分が説得して実現した、なんて日本のパワハラ政治家の自慢話みたいなことは言ってないもの。松野氏=日本政府、本当に抗議などはしていないだろう。確認くらいはして、『ええそうですよ』という認識を得た、ただそれだけのこと。米政府にしたら、なんでそんなことを聞いてくるのか?不思議の国日本、てな感じ。
敵を作って、立ち向かいポーズを演出し、支持率回復、みたいなせこい手立てに見えてしまう。バイデンさんは高齢だし、吃音克服者だし、舌禍の人でもあるといわれているから、濡れ衣を着せやすいんだろうけれど、日本のアホな世襲政治家と同じレベルで考えると、大きな間違いだ。どんなに影響力のある国の大統領でも、独立国の憲法を捻じ曲げることはできない。ただアメリカのせいにしてねじ曲げたい日本の政治家・官僚がいることは確かだ。
日本はNOと言える選択肢はある。ただ言わないだけだし、言おうとも思っていない。
国民には敵はアメリカ、にしておいて自分たちの都合の良いアレンジをする。沖縄基地移転問題でも、現場で外務官僚が小芝居を打って鳩山さんのアイデアを潰した。何度も書くがオバマさんは現地の住民と米軍基地の軋轢は望まない、極力回避策でグアム移転を急がせると言っていた。グアム移転は継続し実現しているが、それでも辺野古に固執しているのは日本政府だ。
目先のことしか考えない政府に踊らされる前にホワイトハウスWebにアクセスして
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/speeches-remarks/2023/06/20/remarks-by-president-biden-at-a-campaign-reception/、
翻訳ソフト(時々意味不明だが、それでも理解はできる)などで読んでみるといい。日本と違って、よほどの国家機密でなければ、隠蔽も改竄もなく読める。特に大統領の発言については、正しく記録されている。
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