長期化大統領候補指名選。サンダース追い上げる。
ここへ来て、トランプの勢いがかげりを見せ、クルーズが追い上げている。大統領候補戦は、党員に寄る各地の投票、党員ではない無党派参加(ウィスコンシンなど)スーパーデルケイツ(党内の有力者票、民主党のみ)で、共和党は代議員1237人を確保した者が候補に選出されるが、トランプは、夏の党大会までに指名獲得に必要な代議員1237人を確保することは、これまで以上に難しくなった。この先の東部諸州やカリフォルニア州を制したとしても、指名ラインには達しないというシナリオが現実味を帯びてきた。
ウィスコンシンでの予備選はサンダース・クルーズが勝利、ヒラリー・トランプ独走に変化がでてきた。CNNが5つのポイントターニングポイントをあげている。要点+私感でまとめてみた。
CNN:ウィスコンシン州予備選、流れは変わったか 5つのポイント
http://www.cnn.co.jp/usa/35080769.html
1.共和党は党大会で決着か
トランプが代議員1237人を確保できないと、夏の党大会で決選投票になる。既にグブアップ氏多々の候補に入れていた人たちの票が動く。共和党首脳部に嫌われているトランプ,好かれていないクルーズ、無視されているケイシック。政治家としてのキャリアのないトランプには党大会での決戦は不利? 各州の代議員は、最初に支持自他候補が降りた場合の彼らの処遇は、各州代議員ごとに負う義務が違うので、党大会での決選投票を読むのは難しい。
2.立て直しを迫られるトランプ氏
ウィスコンシン州の有権者は、共和党指導部に対する不満がこれまでの州ほど大きくなかった。世論調査ではトランプ氏が指名を獲得することに「恐怖」を感じるとの回答が4割を占め、選挙戦で誠意に欠けるのはクルーズ氏よりもトランプ氏だと答えた人が多かった。つまり良識のある人たちが多い。
トランプにとって特に大きな懸念材料は、クルーズとの差が農村部より、都市近郊・都市で差が大きく開いたことだろう。トランプの支持層が、地方の保守的な白人.都市部に住む良識派は彼を嫌う(かと言ってクルーズが好きと言う訳ではないだろう)。トランプも、そんなに本気で大統領になりたい訳ではなく、内心、行きがかり状引くに引けないのではないかなぁ。大統領なんてもの凄く大変な仕事、トランプは、トランプ王国の王様でいたいだけの人、そしてそれはもう実現している。本気で候補選を続ける気なら、政治や国際情勢学んで、少し良識派が納得するような事も言わないと、もう持たないと思う。
3.ニューヨークへ向けて勢いに乗るサンダース氏
最近民主党の予備選や党員集会が開かれた7州のうち、サンダース氏は6州を制している。問題はこの先、19日のニューヨーク州から始まる東部でのレースだ。
ウィスコンシン州の民主党予備選は党員登録のない無党派層も投票できるオープン方式だった。党員の票はクリントン、サンダース両氏がほぼ半数ずつ分け合ったものの、無党派層の得票率は71%対29%でサンダース氏が大幅に上回った。ところが東部諸州は党員だけが投票する方式を採用しているため、サンダース氏は無党派の若者らを呼び込むという強みを発揮することができない。
4.サンダース氏を受けて立つクリントン氏
人種構成がはるかに多様なニューヨークのような州では、クリントン氏が有利となる。
クリントン陣営は5日、サンダース氏がニューヨーク地方紙とのインタビューで具体的な政策を示せなかったと批判。資金集めのメールにこのインタビューの全文を添付してサンダース氏の実行力に疑問を投げ掛けるなど、攻勢を強めている。
サンダース攻勢に関しては
ブログ:のら猫寛兵衛さんの”いよいよ正念バーニー・サンダース [アメリカ大統領選挙 2016]大統領になる死角”http://noraneko-kambei.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07
がとてもいい記事を書いておられます。格差是正、変化を望む若者たちの現場の熱が
伝わってくる来るようですので、一部転載
演説ー「クリントン長官は少し神経質になりつつあるようだ。私たちは勝った。私たちはこのところの予備選・党員集会8つのうち7つを制した。そして彼女はこのところ私のことをこう言っている。サンダースは <大統領になる資格がない> と」
(会場:うおーーー!ぶーーーっ!)
「では私からも言わせてもらおう。 <私は彼女こそ大統領になる資格がないと思う。(うおーー!)スーパーパック(特別政治行動委員会)を通じて利益団体から何千万ドルという資金を得ているのなら。(うおーーー!)あなたがスーパーパックを通じてウォール街(金融界)から1,500万ドルをもらっているのなら、大統領になる資格はない」(うおーー!)
「あなたが惨憺たる結果に終わったイラク戦争の開戦に賛成票を投じたのなら、大統領になる資格はない。(うおーーーっ!)惨憺たる貿易協定のほぼすべてに賛成してきたのなら、その資格はない。おかげで国内のまともな仕事が何百万と失われた。(うおーーーっ!)あなたがパナマ自由貿易協定に賛成したのなら、その資格はない。(うおーーーっ!)私はこの協定に強く反対したが、ご存知の通り、この協定のおかげで、世界中の企業やお金持ちは税金の支払いを逃れてきた。(ぶーーーっ!)
「私の運動が勢いを増しているのは、国民の声に耳を傾けているからだ。大口の献金者にではなく」(うおーーー!拍手)
バーニー・サンダース:「NYでも勝つ!」
ウイスコンシンを制し、そのままNYも勝つ。それで指名獲得は確実だ!」
確かにこのところ8州で7勝1敗と勢いづいている。
それでもここまで獲得した代議員数はクリントン1,712、サンダース1,011。
サンダースは残りの代議員の3人に4人を獲得して行かねば指名はない。
(ABCは「4人に3人」と言っているが。いつもサンダースがことさら不利であるかのような報道をする。)
そのためには大番狂わせをいくつかの州でやってのけねばならない。
その可能性はあるとサンダース。
その手始めにしたい次のニューヨークだ。
(クリントンもそれを恐れてか、表向きNYは自分が勝って当たり前という態度だが、ウィスコンシンは負けでしょうがないと早々に切り上げNYに一足先に乗り込み州内を遊説)
バーニー・サンダース:
「評論家や学者さんたちはこう言っていた:「若者は政治なんかに関心はない。この国が直面する大問題のことなど関心ない。ビデオ・ゲームやらなんやらで忙しい」と。しかし、今、全米で何が起きているか。若者が立ち上がったのだ。そして、こう言っている:「私たちもこの国の未来作りに関わりたい!」
(会場:うぉーーっ!)
動画もアップされています。
5.共和党は本選で勝てるのか
共和党は最終的に指名を獲得するのがクルーズ氏になってもトランプ氏になっても、本選では苦戦を強いられる可能性がある。
出口調査の数字によると、トランプ氏が指名された場合、本選で同氏に投票すると答えた共和党員はわずか62%。クリントン氏支持に回る人が10%、独立系候補を支持する人が17%、棄権するとの回答が8%を占めた。
同様にクルーズ氏が指名された場合、本選で同氏に投票するという人は66%にとどまり、6%がクリントン氏、18%が独立系候補に票を入れ、6%が棄権すると答えた。
つまり、共和党はこの両候補の極端さに辟易しているということ。いつも民主党の候補や大統領政策に理不尽かつ酷いネガティブキャンペーンはするは、議会の数に者を言わせて、オバマ大統領の政策を潰すは、予算承認は無理難題の駆け引きをして国家停止に追い込むわ、中絶、学校での祈り、銃、ゲイ、移民、全てに保守的な縛りを入れようとする共和党でも、一線はあったんだ!!と驚いている。日ごとの自分たちの主張が、具現化する恐ろしさを、冷静に考えてみるいい機会かも。
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