密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

昨日の続き・外圧で変革できる?


美術界の性被害を調査し訴える本を出版した猪口千香氏の著作について、あれこれ言うなら、まず読むべきだ、とは思う。でも、日本から注文し倍の値段を払い、数週間待つということを鑑みて、迷っている。もう一つ即購入を決められない、かつ一抹の心配があるのが、あの表紙の装丁だ。昨日も書いたが、なぜあんな扇情的な、装丁にしたのか?
Dさんにこれは何についての本と思う、見せたら、これはぺ*ス? こら!!幾ら何でも深読みしすぎだろう!!いや意図的か?でも、そういうアートもあるからねぇ、、、失礼しました。でも首にチョーカー、片肌脱げている感じ、口紅、顎をそらしたポーズ、狙いが、ずれてない?私が知る中央公論の本からは遠いイメージ。確かにある種の人たちの購買意欲を掻き立てるかもしれない。手付かずの美術界の闇、売れなきゃ意味がない、なのかも。
そこが怖い。そもそも何人の女性アーチストはあんなセクシー格好をしてギャラリーにいるのだろうか? それぞれ自分なりの奇抜なおしゃれはするけれど、こう言うものではない気がする。 もしギャラリーストーカーに性的なアプローチをされて困っているなら、日頃の作業着で画廊に座っていたらいい。こう言うのも、撃退術の一つの提案だ。
この装丁のイメージは、あまりにも、ワタクシの知る女性アーチストたちの存在とかけ離れたイメージである、そこに違和感を感じた。そして、今後、この問題が大きく広まって、画廊に足を運ぶ男=ギャラリーストーカー というイメージかついてしまうことが怖い。
確かに、作品愛=作家個人への愛に移行してしまうことはしばしばある。相手に押し付けなければ、そういう思いまでもは責められない。




女性作家に付きまとう「ギャラリーストーカー」美術業界の異様な実態


著者の本のプロモート動画を見つけたので、貼り付けます。彼女は、ギャラリーストーカーと呼ばれる人々にもインタビューしたのだろうか? そっちの方が意味があると思う。中にはパワハラまがいの接近をする傲った人間もいるだろうが、芸術に関心を持つ、男性コレクター 特に独身の方は、ちょっと不器用で繊細な人も多い。故に、その距離感の取り方が、不安定で、つい行き過ぎてしまうこともある。 


だいたい全作品コレクターをキモイと邪険するのは勿体ない。ギャラリーを通すようにすればいいし、よほどの億万長者でもなければ、当然、全作品コレクションなどそう長く続くわけもない。当然、自分も彼女も歳をとる。
家に訪ねてこられるというのは、さすがに独身一人暮らしには怖いだろう。誰が教えたのかと言えば、画廊?まさか、ありえない。うっかりご自身で、まあ、以後気をつけよう。
ネットスキル高すぎる人?ほぼ犯罪です。こういうことを相談できるところあるのだろうか?


アメリカ人は住所を知られ、個人宅に訪ねてこられるのをとても嫌う。だって銃持ってるかもしれないから。スタジオは仕事場、ビジネスの場、オープンスタジオあるいは特定のコレクターのためのスタジオビジットというのがある。どちらも、公共性が高く、密室的はなく、第三者の同行もある(ように設定する)。


日本では、そうはいかない状況もあるだろうから、にっこり、毅然と、丁寧にお断りすべきだろう。若い頃ってなかなかできないんだよね〜。空気読んでよ〜と思うけれど、わざと読まないで押してくるク*ヤローが結構いる。遠慮や怯えを見透かされる。本当に嫌だよね、でも自分で追いはらわなけりゃならない。残念ながら、今のところ。


とにかく、直売りするアーチストは、人間(男性)の扱いを得意とする人でないと、無理がある。男性アーチストでも、展覧会初日に、彼が教えているカルチャーセンターの奥様たちでいっぱい、作品も完売なんていうシーンを見たことがある。これにもスキルがいる。


アメリカのように、個人でディーラーを雇えるシステムを導入するか、きちんとした画廊に所属してマネージメントをしてもらうに限る。”華やかに見えるアートの世界”と猪口さんはいうが、ワタクシは人間臭く泥臭く胡散臭い世界に思える。
最近では、地下アイドル応援気分みたいな感じで参入してくる人もいるだろう。
でも地下アイドルにもマネージャがいるだろうし(それでも危ない)、若い女性が単独で”もの”を人に売るのにはリスクが伴う。結局美術業界も、他の業界と同様の問題を抱えているだけなのだ。


ただ、美術界、その周辺の男性諸氏は、他と比べても、自重が足りないというか甘えきっているので、これを機会に襟を正していただきたい。と同時に、前に書いたように、芸術好きで、ギャラリーに足を運ぶ男性=女性目当てと勘ぐられるような空気感が漂えば、これは、美術界の衰退にもつながるので、そうなって欲しくない。コロナで厳しい中、頑張っているんだ。


オークションや、世界的トップ画廊で、シャンパン片手に、数千万、時に数億の取引をする世界なら華やかだが、そんな世界を目にできるアーチストは、日本にそうはといないだろう。ましてや芸大出たて(アーチストは芸大でばかりではない。大学を出ていなくても、成功し素晴らしい作品を作り続ける人たちもいる)若いアーチストなど、作品は昭和と比べてもかなり安価な設定だ。一時期、一点物を2万〜5万で売る若いアーチストが増え、価格崩壊も起こって、Old Artist もまた複製芸術(版画とか)も相当あおりを食った。


ところで、若くて食えなかった頃は、ご飯を奢ってくれる、などと言われれば、大喜びで付き合ったものだ。批評家やコレクターさん、画廊さんなどに美味しいものをたくさんご馳走になった。味という文化を知ることは感性を磨く貴重な財産だ、などと言われて。そういう感性をアーチストに教えてあげよう、という心根もあった。ただ男性はその恩恵に預かれることが女性より少なかったので、セクシャル***の一種と言ってしまえばそうかもしれない。


伊藤詩織さんのようなケースもあるので、常に女性は完全に安全とは言えない。彼女は本当にひどい人間に当たってしまった。まさかそんなことをするはずないという、地位のある人間に対する安心感もあったのだろう。地位や知名度のある人間でも(地位に溺れて脳みそ腐らせる人も多いし)、愚かで愚劣な行為に及ぶことは100%ないとは言えない。若い女性アーチストの皆さん、お食事・お酒を奢ってもらうときは2人以上で奢ってもらうのがいい。


社会を変えるために声を上げることは大事だが、自己防衛・防御も大切だ。核はいらないが才智がいる。


本当に才能だけ、作品だけの価値でコレクションするのが正しいというなら、全員覆面アーチスト、直接対話禁止状態なら安心だろう。しかしね、水清ければ魚棲まず。美術界だけではない、どこの世界もどこまでも綺麗にしていけばいいというものではない。だって、経済活動をしなければならないのだから。そして人間が求めているものだから。芸術も人間の内面の沼に現れるうたかた、と言えなくもない。それを濁った欲望のみにさせないのが、知性であり、良識であり、品性だ。 


それから、日本も、もっと芸術家、特にお金になりづらい仕事をしている者に(政府が生産性がないと思うような仕事をしている人、政府が気に入らない仕事をし続けている人)幅広い公的援助、賞だけでなくGrants を受けられるといい。ワタクシもNYのGrants受けたことがある。すごく勇気付けられたし、経済的にも助かった。
特にアメリカのいいところは、若いアーチストだけでなく、キャリアのあるアーチスト対象のものが沢山ある。巨匠クラスも対象者用の賞が設けられ、500万ドル 付与される。これはすごいなぁ〜と感心した。画廊だけだと、売れないとダメだけれど、美術館や、ノンプロフィット非営利基金、地方行政などを中心に様々な機会が公示されている。


話を戻すと、日本は女性が性被害にあったとき、訴えられる場所、どう対処したらいいのかという情報相談できる場所を、各業界にできるだけ早く設置し、人にひどい事をすれば、その報いを受ける、自分の人生破壊してしまうという事を、加害側にもっと認識させることが必要だ。本人は軽い気持ちでやったことに重大な結果・責任がついてくることを(バイトテロとかもそうだけれど)、人をおもちゃにしたり、ねじ伏せて自分が満足を得たりしたい人間は、これからは、特にしっかり認識すべきだ。男様の楽園は永遠ではない(封建的男様方は、必死で抵抗しているけれど、同性婚も65%の国民が賛成というように変わってきている)1日でも早く、そういう世の中を形成してほしい。


最後に、アートに関心を持ったり、そのアートを創造した人に興味を持ったりすることは悪いことではない。臆さずに画廊に足を運んで、鑑賞し、画廊のスタッフと、作品について話をしてみてもいい。そして欲しくなったら、買ってみるといい。そこには確かに、人生を豊かにしてくれる要素もある。職場ではできない会話、価値観を共有できるかもしれない。ただし、まだ若い、センシティブな女性(男性でも)アーチストに対し、身体的にも精神的にもパーソナルエリアに踏み込むことは、十分気を配って注意してほしい。分を踏み越えず、美味しいものを食べ、知的な会話や、深い部分の芸術論を交わすことに充実感を見出してほしい。


ああ共産党も書こうとしたが、思いの外長くなってしまったので、また今度。


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