密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

グアム新基地正式発足 日本政府が一部負担

有言実行だ。グアム島新基地が正式発足した。
2015年4月末、オバマ大統領は海兵隊のグアム移転を実こうすると、隣に立っている安倍首相(当時)公約した。その演説を翻訳していたので10年前のブログから引っ張り出してきた。
辺野古ごり押しはアメリカの要請?ーオバマ大統領の共同記者会見 - 密接な関係にある他国から
<オバマ氏スピーチ翻訳部分>
日本の人々と、その選ばれた代表(議員)は,自国の防衛について,何が最善であるか最終
的に、結論を下すことになるでしょう。しかし、安倍総理がおっしゃったように、ここ数十年間、平和を愛する日本が没頭つづけてきた大変に困難な、過去の教訓からの”学び”を実践してきたことは,非常に重要なことだと私は考えています。日本は国際的あるいは地域的武力紛争に携わることを,良しとせず、ゆえに、日米同盟は我が国が主導して、私たちの国への、武力攻撃および侵略とその可能性を有する事態への防衛の方法を模索してきました。そして,安倍総理からお申し出のあった,新しい防衛ガイドライン、そして集団的自衛への取り組み方は、武力攻撃および侵略とその可能性に対する防衛を実行する我がアメリカ軍の能力をアップグレードさせるでしょう。私たちは全ての国際社会に生きる人々とともに、ISILのような組織が行う残忍な行為、アメリカ人の、日本人の、他の国々の、そして,最も多くあるイスラム圏の国々の無辜の人々に死の犠牲を強いるテロリストの行動を除去する、その決意を分かち合うでしょう。そして それこそがISILを打ち負かす為に巡らされた連立の絆であり、私たちが、世界各国の幅広い層の人々とともに、なし続ける 世界中のテロリズムの阻止、および防止の努力であるのです。こうしたなかで、日本の協力は、力強く、感謝を持って迎えられるでしょう。


けれども、この連合のメンバーには、そこへの関わりかた(参加の仕方が)が行く通りもあるはずです。日本が快く進んで行うことのできる(willingness)、人道的支援の提供に関与することは、不安定な状況におかれている国々に大きな違いをもたらすことでしょう。また,日本のwillingness(快く進んで行うこと)、地域の平和維持と他の国とともに、破壊された地域を再構築する働きは、状況を大きく変えてゆくことでしょう。ですから、重要なのは、日本の軍備計画が,今すぐ、また大きく変化することを期待するのではなく、むしろ,日本が、私たちの盟友とそして,私たち自身のように、新しい脅威に対応し,また,私たちの,基本的な原則の核心が、領土的野心によるものでなく、また他者への侵略でも無いことを,これは独立した国家の繁栄と自由の純然たる擁護であることを理解し、私たちが長い間行って来た事を 今,私たちとともに,更なる長い年月を、ともに行ってゆこうと云う事である、と私は考えています。


(中略)私たちの新しいガイドライン は、基地の在する地元地域社会との衝突(impact)ーの強い影響を減らすために、沖縄を含むこの地域にわたるアメリカ軍の再調整をもって補われ、より完全な物になるであろうと思います。
そして私は、アメリカ海軍をグアムに移動させるという公約をここで再び確認、約束いたします。

今、読み返してみても、オバマ大統領は日本の立場に理解と尊敬を表し、尊重する姿勢を見せている。この後トランプ政権でこういう姿勢を否定する、お金目当てのディールを強調し、安倍首相は尻尾を振って追従し、また日本の軍国化推進に利用してきた。
しかし、グアム移転計画は着々と準備され、当時副大統領だった、バイデン氏が大統領になった今、グアム新基地の発足に至った。
当時オバマ氏の望まない、基地の在する地元地域社会との衝突(impact)を解決するための
グアム移転、しかし日本政府は、そのことには触れず、辺野古を強硬に推し進め、沖縄住民との衝突を自ら強行している。そうした中において、また日本政府は、グアム新基地の建設費用を日本政府が一部負担した、とも発表した。


(CNN) 米海兵隊は29日までに、西太平洋の米領グアム島に新たな基地「キャンプ・ブラズ」を正式に発足させた。
基地の広さは4000エーカー(約16平方キロ)で、海兵隊が新基地を設けるのは過去70年で初めて。キャンプ・ブラズには最終的に海兵隊兵士約5000人が配備される見通し。
同基地の建設費用は日本政府が一部負担した。沖縄の基地から海兵隊をグアムへ移すとの日米合意に基づく。
海兵隊は報道発表文で、米国防総省が2022年に国防戦略の理念として打ち出したようにキャンプ・ブラズは戦略拠点としての役目を果たすと主張。同戦略で国防総省は二つの最優先課題を明記し、一つは「中国が及ぼす多重的な脅威の増大を見据えながらの母国防衛」と強調。二つ目は「米国、同盟国やパートナー国に対する戦略的な攻撃の抑止」としていた。
海兵隊のバーガー総司令官(大将)は今月26日に催された同基地の発足式典でこの二つの課題に言及。その上で「インド太平洋地域の安全保障と安定にとって前方展開し、持続性があるプレゼンスは要である」と主張。
「キャンプ・ブラズはこの中での重要な一部分になる」とし、「それ以上に我々と日本政府との間の切り離せない関係を反映している」と続けた。
また、日本から参加した吉川ゆうみ外務政務官は、日米同盟はインド太平洋地域の繁栄、平和と住民の礎石であり、日本の外交政策の基軸であると述べた。
基地では工事がまだ続いており、整備が完全に終了したわけではない。グアム島北部にはアンダーセン米空軍基地もある。


アメリカが主体的に行ったグアム基地移転、しかし日本側は海兵隊沖縄引き止めに躍起だった。辺野古だってその引き止め策(+膨大で未投資の立たないほど長期にわたる埋め立て工事、建設工事は、安倍・麻生縁故建設業者に、長期の税金還流を約束する)だ。
で、辺野古はもいう運じゃないの?必要ないんじゃないの?万が一できても、どんな不具合が生じるかわからない地盤と工法、かつ台風の通り道でもある。


湯水のようにお金を使い、環境破壊をし、何より民意を完全無視、というより力技でねじ伏せる事を国の威信と勘違いして、オバマ氏の望まない”基地の在する地元地域社会との衝突”とは逆方向に強硬姿勢を貫いている。
一般に、アメリカ国内の基地のある地域は、いい環境の場所となる。街は綺麗で、住民に不満が出ないように、騒音や環境汚染などの十分るいいし、兵士の教育も厳しく統制され、地域経済にも貢献している。また文化的イベントも軍が主体で行われるし、地域住民との交流も心がけている。地域の住民の歓迎と理解が得られてこそ、基地の存在が安定し、理解される。NYの家は、ウエストポイント陸軍大学校の近くで、卒業時になると、体の大きな若者たちが、電車でNYCに繰り出して飲んではしゃぐのが恒例であるが、乗客は、温かく見守っている。スチュアートエアポートの同敷地内にも基地があり、よく迷彩服の兵士たちが、スーパーで買い物をしている。見かけると、元気で頑張ってね、という気持ちになる。もし彼らが傍若無人で、住民に迷惑をかける存在なら、アメリカでは大問題で基地の存立が危うくなる。地域との良い関係は必須なのだ。基地をTakeするなら、Giveが必要なのは当然だ。
グアムでも、地域経済や、ビジネス、文化・エンタテイメントが充実を見込めるため歓迎ムードだそうだ。沖縄のあの苦渋に満ちた、人々の心を踏みにじる状況が続いていること自体、日本政府が自国民を優先して考えない、意見を言わないことの結果で、そのくせ、おかなは理由をつけてどんどん出す。国民に知らせている?承認されている?うまく騙してきて、最近は騙そうという努力も形だけ。


このグアム基地開設と5000人の海兵隊員移動が、沖縄の現状に変化をもたらすべきだ、という指摘や記事がどれほど日本で報道されているのだろうか?


アメリカの言いなりとか、アメリカの俗国とか、米兵の盾で日本人が犠牲にとか、言いたい放題だが、そうではなくて、自分たちの権力・利権を強くしたい現政権のまさに超訳外交の結果ではないのか?政府がまた最近持ち出しているCSIS(アミテージさんで有名なアメリカのシンクタンク 自民党は上顧客)の提言を毎度予言の書のように信奉し、彼らの提言がアメリカの意思のように吹聴し、分析が未来に実現するように大騒ぎ。自分たちの軍国化夢の後押しに使っているが、CSISは冷戦時代が一番パワーを持ちキッシンジャーに重宝されたシンクタンクで、数あるシンクタンクの一つ。その後、アメリカ中枢の顧客離れを嫌い、日本のようなアジアに色々危険性を分析しアドバイして寄付や援助を受ける戦略に変更して久しい。


第二次大戦で負けた恨みを、卑屈な自己正当化をベースに持ち続ける一部の日本のお偉方は、”アメリカのせい”といえば、簡単に人々を思考停止にできるから多用する。
中国が悪い、アメリカが悪い、と他国のせいにする前に、今の日本政府およびその周辺の奴らが一番悪いと、どうして思わないんだろうか?


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