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Netflix版『新聞記者』が評判らしい。ドラマが伝える世相

リテラがNetflix版『新聞記者』が評判であると伝えた。

 動画配信大手のNetflixで13日から世界独占配信がはじまったドラマ『新聞記者』(全6話)が、大きな話題を集めている。


配信からわずか1週間も経たないうちから、SNS上でも評価の声が次々に投稿され、Netflix「今日の総合TOP10」ランキング(日本)では堂々の1位に。23日現在も『パラサイト』のチェ・ウシク主演の韓国ドラマ『その年、私たちは』に次いで2位にランクインしている。
 


実際、本作はNetflixで世界に配信されているが、英・ガーディアン紙は〈この日本のドラマの政府は私たちの政府よりも腐敗していますか?〉というタイトルでレビューを掲載。5つ星中3つ星をつけて、このように評している。
〈ドラマ後半は、日本が国民の無関心によって不正の沼に陥っている国だと明確に示している。より良い政治を求めるなら、一人ひとりが個人として声を上げなければならない、このドラマはそう言っている。『新聞記者』はナイーブでセンチメンタルなところもあるかもしれないが、この点については間違っていない。〉



映画版からどのようになるのか楽しみにしていた。特に、赤木俊夫さんを想起させる鈴木和也を吉岡秀隆さんが演じると言うのでとても期待していた。吉岡さんは、うつむく人の悲しい沈黙の表現が素晴らしい名優だ。赤木さんの斑紋と孤独、恐怖絶望を表現できる俳優はこの人しかいないと、思っていたし、それは期待を裏切らない、それ以上のものだった。鈴木和也氏の妻に寺島しのぶさんが配役されたことも、ここだけで一つドラマが作れる配役だった。


それ以外は、期待が大きすぎたのか、映画版よりは、ただ政治の闇ドラマに見えてしまうな、と言う感じで見た。


山口敬之を想起させる、ユースケ・サンタマリアが演じる豊田進次郎。ユースケ・サンタマリアは、いい人から、クセの強い嫌味な人物、影の犯罪オーガナイザーまでをよく演じるが、彼は、性犯罪者は演じない(私の知る限り)。行動の動機が、女性への執着ということもない。彼自身がそうしたことを嫌うのか、今回、豊田進次郎がAI汚職のみで暗躍するのも、そうした事情か?



映画では、真っ向からこの問題を取り上げていたので、あえて山口問題を”スーパーコンピュータをめぐる助成金詐取事件”関与のみにシフトした。
伊藤さんの事件はその後の対応バッシングも含めてこの国の女性問題の多くの要素を表に出した事件だった。しかも、総理の友人という立場で、自分の下劣な行為を、もみ消しを図り、また政権の中にいる人間がそれに加担してしまったこの国の権力者の下劣さの象徴・女性軽視・蔑視・ミソジニーを全開にした事件だった。取り上げていないことが違和感さえあった。それゆえ、ドラマが政治犯罪ドラマに、綺麗にまとまった感があって残念だった。


ただ、きっと映画バイヤスで見てしまっていたのかもしれないので、もう一度見てみようと思う。


ドラマの多くは、世相の反映で作られている。日本を離れて18年、ドラマで日本の社会の変化を知ることがたくさんある。亡き竹内ゆいこ氏主演の『ダンダリン労働基準監督官』で日本の労働条件の不条理『アンナチュラル』は第一話から、コロナパンデミック、感染者差別、家出少女の孤独と孤立、未だ厳然とはびこる女性蔑視、偏見、ミソジニー、過重労働と経営者側のやりがい搾取、篠原涼子の民衆の敵、など主人公が女性のドラマは不条理を訴え戦う主題が多く見受けられる。


最近非正規改善デモを滑稽に扱ったことで話題になった『相棒』も、様々な社会問題を取り上げてきた。特に、派遣切り・貧困で職・住居を失い、生活保護も、家族への問い合わせを嫌い受けることができず、アイデンティティー・戸籍まで売らなければならなかった男性の苦悩を描いたシーズン9・8話「ボーダーライン」は傑作だった。ドラマはただのフィクションという勿れ。多くの脚本家が渾身のシナリオをあげている。


NHKドラマも、ニュースが忖度しなければならないところを、ドラマで敵討ちといういきごみを感じる。


ところで、昨年のドラマで『漂着者』というのを見た。安倍友として名高い、秋元康氏の
企画・原作・脚本によるテレビドラマである。
その前に評判を呼んだドラマ『あなたの番です』。殺人エンターテイメント、伏線を張り巡らし、回収せずに、最終回。それでもエンターテイメントを知り尽くし、視聴者の関心を離さず次々と繰り出す展開は十分人々を楽しませた。


とはいえ、秋元氏もさすがに、伏線を回収せずに終わる、ミステリーにあるまじき、と批判を受けたのか、『漂着者』の中に「伏線を全く回収せずに終わる評判のドラマみたいに、、」というセリフが出てくる。『漂着者』は、伏線回収、次のシリーズにつながる要素も残して、綺麗に終わっている。主人公は、ヘミングウェイと呼ばれる。


ワタクシの注目点は別にある。後半の登場人物、安倍晋三を想起させる総理大臣が登場する。(ここからネタバレです。これから見たい人は読まないでください。)


経歴も若手の頃好戦的な姿勢で評判を生み、総理に上り詰めた、とか、宮部という名前、髪型や顔。
Wikipediaより
宮部一馬 演 - キンタカオ(ep,7)
第100代内閣総理大臣。ローゼン岸本を訪ねて「しあわせの鐘の家」を極秘に訪問した際、柴田がローゼンを県警に連行しようとしている場面に出くわし、警察庁長官に圧力をかけさせ柴田を妨害する。
若者に人気のあるヘミングウェイを総理官邸に招き公開討論することで人気取りを行い、低迷する内閣支持率を回復しようとする。公開討論の場でヘミングウェイから「総理にとって一番の問題は、この先の日本にとって全く役に立たないことです」と言われても平静を取り繕っていたが、「あなたはもう死ぬんです」と予言されると激高し、ヘミングウェイをペテン師呼ばわりしてSPに彼を連れ出させるも、ヘミングウェイが両目を閉じ祈りのポーズをとった直後に会場のシャンデリアが落下して後頭部を直撃し、搬送先の病院で死亡が確認される。
かつて新潟で起こった詠美の父が逮捕された県道拡張工事に絡んだ収賄事件で嫌疑を持たれた自公党の平塚幹事長を糾弾していたが、実は彼こそが収賄事件の真の黒幕であったことが橋の取材によって突き止められている。


その総理が事故に遭うor 暗殺される、というストーリーだ。
主人公は予言の絵を描くが、ジャガール調で、象徴的かつ稚拙で、読み解くのが難しい。
暗殺ー事故は、最初の予言は記者が、鉛筆に仕込んだナイフで総理をつき刺す、だったが、ヘミングウェイの個人的感情により、彼はその絵(未来)は、破棄し、第二の予言の絵を描く。それが、区切りのある菊の花?の模様の床に横たわる人、周りに何かが? この絵だけでは全くわからないが、実は花形のシャンデリアの一つが総理の上に落下、頭を砕く、ということが起こる。かつ別未来のイメージろして首を突き刺されるというシーンも繰り返し現れる。



これを見たとき、不覚にも、スカッとした。これがフィクションの醍醐味だ、とさえ思った。現実に安倍晋三という人が死んでしまえとまでは思わない(刑務所に入って自分のしたことの責任と罪と向き合って欲しいとは思うが)
 
それにしても、秋元康、この人は、安倍さんとお友達でしょう。もし他の誰かがこんな映像を作ったら、大炎上、怒りの安倍信者が押し寄せるだろう。しかし秋元氏はお友達、当然、安倍さんもOKしている?だとすれば安倍晋三は大変ユーモアのある人物ということになる。 不仲説もググったが出てこない。
宮廷画家が実はこっそり王族のパロディーや醜い風刺を描いていたりとか、絵の中に隠されて侮蔑を書き入れたりということはある。


日本では放送当時、こうしたことが興味を引いたのではないかと思うが、それがどう帰結したのかワタクシにはわからない。
秋元氏がエンターテイメントに徹したドラマづくりをするなら、この派手な事故シーンは国民の怒りを発散させるエンタメであると言える。このドラマは安倍氏が総理を投げ出した後に作られた。どう考えても、安倍さんの自虐ユーモアの産物とは思えない。
性商と喩やされる、海外ではロリコン変態認定のこのやり手エンターテイナーに、初めて興味を持った。



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