南スーダンPKOの実情、志位委員長、怒りの論戦。
4日の国会質疑、志位委員長の質疑は圧巻だった。注目は集団的自衛権についての、アメリカの要請に対する対応と、南スーダンPKOの実情。いかに安倍政権が表面的に自衛隊派遣を行っているかが,明白になる答弁だったので、2つに分けて書くことにした。
<南スーダンPKOの実情と自衛隊派遣>質疑部分 志位委員長=C 安倍首相=A
PKO法の改正で、自衛隊の任務は兵站にとどまらず、戦闘も行う、警護,自衛だけでなく、作戦に支障を来す場合も武器使用=民間人、少年兵殺戮の可能性増大
安倍首相が本会議で今後慎重な検討が必要。と発言した事を上げ、
Cー以前の質問で、自衛隊にこうした任務の追加はあるのか。
A-状況により個別的に検討
Cーそれは検討をしていると云う事か?と確認
ここで、妙に強気の安倍首相、岡田代表にするように(でも恐る恐ると云う感じで)、
Aー御党は反対ばかりで、うんぬん。
とあてこすりを言ったものの、志位委員長は歯牙にもかけず。当たり前だ違憲の法案を違憲の採決で成立させたんだから、当てこすりにもなりゃしない。またべらべら答えにならない答弁をし、
Cー再度、検討の対象か?と聞き、対象であると認めさせる。
次に、志位氏は、この20年間で国連PKO活動の変化をどのように認識しているか、と論を進める。元々は内政不干渉、中立の立場を取って、停戦合意の監視役を担っていたPKOは,1994年のルワンダ・政権主導の民族虐殺を機に大きく方向を転換し、人権侵害を保護する責任を担うようになった。これは,たとえ中立性を失い内政干渉となる事も踏み越え、武力行使をしてでも国際人道法を遵守、紛争参加も辞さず、住民保護をすると云うように変化した。
Cーこのような変化への認識を首相に問う。 前の質問で,検討を認めてしまった安倍氏は,言い訳のようにまだ決まっていない,内閣でよく話し合ってなどと、ひとくさり。
(その内閣が勝手に憲法違反をするし、国民軽視なので,信用できないんですけど!!)
Aー憲法遵守、PKO参加5原則堅持−要件を満たすときのみ参加。と答弁
少し旗色が悪くなって,神経質になる安倍氏ww。
CーPKO変化の内容は首相が認識していること認めた事を確認。
志位氏、具体的なPKO任務従事者の証言を引き,その過酷さをしめした。(元PKO幹部伊勢崎氏の体験の告白)PKO法改訂後、PKO部隊が好戦化、見せしめに惨殺された仲間の為に,復讐心が起こり、交戦規定を偏向、現場では復讐戦が繰り広げられ,民間人が含まれていたかも未確認に殺戮、殲滅をしたという。
国連は今や先制攻撃も許可,志位氏、PKO部隊この実情の認識を.首相に問う。
A-現状の自衛隊の任務は、上げられた例からかけ離れている。参加5原則を遵守。
Cーしかし、問題なのは、PKOの実態と参加5原則派かけ離れていることだ。
5原則で撤退すればいいと云うが、今や、PKOは停戦が破られても撤退はしない。住民保護と云う本来の任務が始まる.それが出来なければ始めから来るな,そういう世界である事を,政府は全く理解していない、20年前の認識(伊勢崎氏の政府批判)。この批判をどう受け止めるか?
A−過去に主体的判断で撤退させた。同時活動の参加各国部隊に理解を求める。
C−日本側も実態とかけ離れた現状を認識しなければならない。
<5原則が具体的に南スーダンで、通用するのか?>現在の南スーダンは、停戦が破られ住民保護の必要な地域、政府軍対反政府軍の内戦状態、住民虐殺、拷問、強姦7才の少女たちを含む、誘拐多発数千人が殺害、数万人が家をおわれている。少年は拉致され,少年兵にさせられている。
C−国連報告書を読み上げ、本会議で,総理は南スーダンは紛争は行われていないと発言,現状は全く異なる。と指摘
中谷防衛大臣ー現地報告、国連報告などで,5原則は維持されている。平穏である。
C−全く甘い認識、私が読み上げた資料は11月23日の南スーダン状況見直しの国連事務総長宛の特別レポート。8月、和平合意はあるが守られていない。読んでいないのか?
岸田外務大臣ー和平合意派進行中。
C−現在無政府状態,2月の国連事務総長レポートで,和平合意は危機に瀕していると発表している。直近レポートを提示。現瞬間も戦闘が続いている,この報告書を読んでいないのか?
岸田外務大臣−様々な文章報告に目をとおし情報集に努めている。実力行使がPKO法の紛争にあたるか個別に判断。現地自衛隊、大使館報告を考察して判断している。その上で武力紛争が発生しているとは考えていない。単なる偶発的事例
C−国連事務総長報告が、武力紛争が続いているとしている。多くの具体的事例をあげていても、政府は南スーダンが.武力紛争状態と認めない。自衛隊を派遣して置きながらあまりに無責任。改訂PKOにより,自衛隊は武器を使用して戦闘をする。自衛隊員の戦死、現地民殺害が現実になる。改訂PKOによる任務遂行は憲法の禁じる武力行使になる。総理はそうはならないと答弁したが,その根拠を端的に召して欲しい。
Aー共産党は起こると云っても、今まで起こらなかった、歴史が証明している。
武器使用は厳格な規定があり,相手に危害は加えない.
(????、歴史が証明している???ただのラッキー+9条で擁護。言葉の使い方まちがってるよ。)首相は、事実を無視した書類上の文章読み上げに終始。
C−書類上の前提で憲法に抵触しないと云うが,南スーダンの実情はきわめて深刻。
任務遂行型武器使用は派遣先国及び紛争当事者の安定的維持、国家または,国家に準ずるものが敵対的勢力として現れない事を前提にしたもの故の,9条が規定した武力に当たらないとの首相答弁だったが,どちらも南スーダンには存在していない(首相の答弁はよけいな事多く,本人も分らないでいっているようなので,聞いている方もよく解らないが,志位氏端的に要約(安倍語通訳?)してくれるので、よく解る)自衛隊が住民保護の任務を遂行すれば、政府軍と交戦、武力の行使を行う事になる。先ほどの論理から言っても武力行使になる。憲法上許されない。
中谷防衛大臣ー報告は受けているが,南スーダン政府から、PKO撤退要請はない。これらは現場レベルの偶発的なものと認識している。自衛隊のいるジュバは平穏であると云う報告。北部紛争、南部は平穏 攻撃は偶発的なもの。我が国の活動は高く評価されている
C−偶発的と云うが、PKOへの攻撃102件中92件は政府軍の攻撃.政府が是正したのはそのうちの1件のみ.国連報告、偶発的ではない。(各ケースの具体的事象を提示)
ジュバは安全と云うが昨年、政府軍により住民拉致殺害が起こったと国連に報告されている。(具体的事例を挙げ)これが武力の行使になるのか、ならないのかを聞いている
国家が敵対している,武力の行使だ。
中谷防衛大臣ー報告は受けているが,南スーダン政府から、PKO撤退要請はない。これらは現場レベルの偶発的なものと認識している。何度聞いても同じ答弁を繰り返す。
C−そんな認識で自衛隊を派遣している事が問題、政府攻撃、紛争,全て事実をあげて問いただしているのに、武力の行使を認めない。私はここに,この法律の危険性があると思っている。こんにちのPKO活動は,自衛隊が参加できるようなものではますますなくなっている。住民の保護救済は重要だが,日本の貢献は9条の上に立った非軍事の平和的貢献に徹するべき。国連人道支援機関の方に最も協力すべき。 戦争法廃止が急務、と訴えた。
書類上の事を事実と認識し、国連報告も考慮せず、無責任に自衛隊員の命を危険に晒す。
日頃、穏やかな志位委員長の本気の怒りが見えた論戦でした。この後の、アメリカ追従への厳しい追及と見事なチェックメイト。次の記事に書きます。
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