密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

トランプ次期大統領、意外な前途多難

サンシャインのフロリダを離れて、寒くてトランプタワーのあるNYに戻ってきた。
いつも思うのだが、フロリダからNYまでのドライブで何が楽しいと言って、ヴァージニア州あたりの極右のラジオ放送を聞くのが楽しい。特に秀逸なラッシュ・ランボー氏のランボーな論理展開とトランプ賛美。この人はこの放送で何億も収入を得ているという極右のオピニオンリーダー。本当に嬉しいんだろう、声の調子もハイテンションで、トランプ、トランプと彼に心酔している模様。


ところが、彼の期待がそのままトランプに当てはまるのか?というと、気まぐれトランプはかつては、宿敵民主党にいたこともあって、決して、コンサバティブではない。
自分を良く見せる(良く?)ことに感のいいトランプ、今は極右保守モードでも、数日ごとに気分が変わるのはもう就任前から見て取れる。


最近のトランプ次期大統領の政策で、共和党が頭を悩ませているのが、国策としてのインフラ整備。この政策は何度も民主党政権時代に提案され、共和党議会はとことん叩き潰してきた。必要のないハコモノを作り、道路を掘り返し、建設業利権で儲ける日本とは違い、アメリカは国策での整備が滞り、かなり老朽化して本当に直さなくてはいけない物が、共和党の反対で放置されたているところが多い。
もちろん州は独立しているので、インフラもお金持ちの州とそうでない州はひどく格差があり、例えば、NY州からペンシルバニア州に入ると途端に道がガタガタになるので、道路表示を見なくてもわかる。こういう州の状況と、国がやることの線引きがどこなのかはっきりとは判らないが、ゴールデンゲートブリッジのリニューアルなどをトランプは上げているので、これは国の事業なのだろう。州をまたぐ国道の整備もそうだろう。


この自分達共和党の代表、トランプ次期大統領の説得に汲々とするのが、現在の共和党であり、極右の人々はその主流派に反発している。素人政治家のトランプは、老練、やり手の政治プロに足元を見られたり、恥をかかされたりしたくないために、ことさら彼らに同調しない極右の通常主流派にはなりえない人物、および強面軍OBなんかで周りを固めているのではないか、と疑いたくなる。


民主党は、どのようにトランプの暴走を4年間止めるか、の方策に熱心に動いている模様。過半数は共和党だが、無党派議員と数人の反トランプ共和党員を取り込めば議会をコントロールできる。この8年それが難しく、共和党が一丸となって民主党政策に反対したのは、彼らが黒人大統領に何かを成し遂げさせたくないという執念で、同じような案件でも、以前はもっと超党派で票が動いた。となると、案外面白い議会戦にもつれ込むかもしれない。


このほかにもトランプの会社経営が大統領職遂行に難点となる問題。


家族経営のトランプだが、家族という個人的に頻繁に会話を行う人たちが経営者であるということが、大きな問題になり、国家機密、利害の抵触などで、度々捜査が行われる可能性が大いにある。この辺、アメリカは非常にシビアで、つい何気なくでも、言った方も、聞いた方も刑務所行きになる。それによって利害を受けた受けていないは関係ない。


トランプは一流の弁護士にひっついてもらって、いちいち発言の許可を取らなくてはならなくなりそうだ。大統領が独裁者になるのは、アメリカでは難しい。


トランプにとって大統領職は、そんなに楽しいものではなさそうだ。


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無責任な拡散 ネット陰謀論者の愚

ヒラリー・クリントンに対する様々なデマは、まことしやかに語られ、彼女に対する不信と憎悪を拡散させ、大統領選に少なくない影響を及ぼした。だいたい次期大統領からして、無責任なデマを発信してしまう思慮のなさ、いや悪意の誘導に長けているのだから救いようがない。

ワシントン(CNN) 米首都ワシントンで4日、ピザレストランにライフル銃を持った男が押し入り、警察に逮捕される事件があった。男は警察の調べに対し、インターネットで出回った陰謀説を確かめるために来たと話しているという。負傷者は出ていない。
逮捕されたのはノースカロライナ州に住むエドガー・ウェルチ容疑者(28)。警察の発表によると、調べに対し、インターネットで広まった「ピザゲート」と呼ばれるデマについて確かめるつもりだったと話しているという。
当時店内にいた客は、ウェルチ容疑者を見て外へ逃げ出し無事だった。店内からは火器2丁が回収され、容疑者の車からも1丁が見つかった。
ピザゲートのデマは先月、米大統領選挙の投票日の直前にネットで拡散。民主党のヒラリー・クリントン氏と陣営幹部が同店で子どもに対する性犯罪にかかわったとする内容だった。
同店経営者のジェームズ・アレファンティス氏がこのうわさを強く否定したにもかかわらず、デマはネット上で拡散を続け、経営者や従業員はソーシャルメディアで繰り返し脅迫されたと訴えている。
事件当時、レストランの店内にいた家族連れの男性客は、「散弾銃を持った男が私たちの横を通り過ぎた。事態を察知した私たちは子どもたちを集めて非常口の方へと移動した」「非常に迅速に、全員が無事脱出できた」と話している。男は始終、無言だったという。
男性の一家はイスラム教徒だといい、インターネットで広まったデマのために子どもたちの生命が危険にさらされたと訴えている。


ちょっと考えればわかりそうなものだが、、、それのわからない人たちに対して、デマは有効に作用し、時には大きな悲劇に発展する。
匿名性と数の力をかさにきて、他人を攻撃して喜んでいる。トランプ台頭に色々説をぶち上げられているが、単純に、こういうデマで騒ぐのが好きな人と、手段を選ばずそれを煽る人たちに偶然と歌詞のある選挙制度が味方した結果であると思う。



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トランプ支持者、再集計差し止め提訴

大統領選、3州の再集計に大きなプレッシャーがかけられている。ウィスコンシン州が当初1,100,000ドルとしていた集計費用を、3,500,000と最終毛を求める緑の党ジル・スタイン氏に通告した。なんと3倍以上。彼女も”outrageous cost increaseー酷く法外な値上げ”と言っているが、これによって、あと2つの州も含めたコストの予測は9,500,000ドル
これが現在の寄付金のゴールに成った。現在は7,000,000ドル(これでも13万人を超える人々からの少額寄付金が集められた成果なのだが)ペースはスローダウンしているが、未だに徐々に金額を伸ばしている。ところが、トランプサポーターや極右の人たちからこの再集計阻止の動きが出たきた。

ワシントン(CNN) 米大統領選の集計で不正操作が行われた可能性があるとして緑の党が一部の州で再集計を求めている問題で、ミシガン州の司法長官は2日、同党の大統領候補、ジル・スタイン氏が要請している再集計の差し止めを求める訴訟を提起すると発表した。
ミシガン州のビル・シュエット司法長官(共和党)は短文投稿サイトツイッターで、「私は今日、ジル・スタイン氏によるばかげた、多額の費用を要する再集計要請を差し止めるため訴訟を提起する」と発表。同州最高裁に申し立てを行ったことを明らかにした。
シュエット氏の事務所はこの後、申し立ての理由を説明する声明を発表。「ミシガン州の有権者はスタイン候補を大差で拒絶した。州が認める投票結果の受け入れをスタイン氏が拒むことは、懸命に働く納税者に高いつけを払わすリスクを負わせるほか、ミシンガン州法の趣旨を悪用することにもなる」と指摘した。
スタイン氏は先日、ミシガン州の投票結果の再集計を求める申し立てを起こしていた。同州で勝利した共和党候補、ドナルド・トランプ氏のリードはわずか0.2%と非常に僅差で、ミシガンは全米で最後に勝敗が確定した州となっていた。
スタイン氏が再集計を要請しているのはミシガン、ウィスコンシン、ペンシルベニアの3州。ウィスコンシン州でもトランプ氏の支持者らが再集計を阻止する動きを展開している。


トランプが言うように”大差”で勝利したなら、何もガタガタ騒ぐこともなかろう。再集計の要請は要件を満たすことのできる立候補者に与えられた権利で、妨害することはできない、が、この再集計、12月19日までの全てを終わらせなくてはならず、彼らがごねることで、決定作業を遅らせ、時間切に持ち込むということが本当の目的なのだろう。


彼らの行動は、公正さのかけらもない(いやそれがトランプと極右トランプサポーターなのだが)民主主義のルールを捻じ曲げる。


こうした極右の人たちは、自分たちは絶対正しいと信じている(人間は猿から進化したのではない、なども含めて!!)。リベラルの人たちも、自分たちは正しいと信じる行動をする、けれど意見の違う人も正しいということも忘れていない、ここが大きく違う。
だから意見、立場の違う相手も尊重し、意見を交換すること、勝ち負けより理解に重きをおく。公平で公正であることに努めようとする人々と、絶対正しいのでそれを押し通すために、手段を選ばない人たちが戦えば、どうしても、公平で公正に重きを置く方が不利である。しかし、今までは、声高に無理を押し付ける意見は最終的に支持されないできた。


ところが、昨今どうした訳か、声高の排他的全体主義、独裁的強権のリーダーを強いリーダーと支持してしまう人たちが増えている。これに支持を与える人々は、自分が不利益を被っていると怒る人たち。想像力に乏しい平板な思考、反知性主義、利己的な視野、ほんの目の前の損得、勝ち負けに躍起になる、そして、徐々に被害妄想に陥る。


こうした人々を味方につけるのは容易いことをナチスは証明した(だからナチスに学べ、は成功している)彼らは、一度権力を手にすれば、あとは手段を選ばず、これを維持しようとする。悲しいかな、日本ではもうこの状態が長く続いている。 


トランプ支持者は、トランプが実は自分たちの側の人間でないことに気がつかない、安倍政権に60%の支持率を与えている日本の国民と同じように。

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