密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

未来志向,その前にやる事があるだろう。

TBS newsより”3年半ぶりに開かれた1日の日中韓3か国の首脳会談。中国の李克強首相は名指しこそ避けたものの、歴史問題への日本の対応を批判。これに対し、安倍総理は「特定の過去ばかりに焦点を当てることは生産的ではない」と反論しましたが、会談後には、韓国の朴大統領も「歴史を直視することは重要だ」と指摘しました。” 『特定の過去ばかりに焦点を当てることは生産的ではない』これは、日本のやった事を考えると,とても傲慢な発言。強姦,略奪、強制連行、市民、捕虜の虐殺、軍の監視下での性サービスの強要、などを、まあ昔の事で、お金もすいぶん払っているし、もういいでしょう。生産的にいきましょうよ。と云っている。この時点で、こういう人物が日本の代表に選ばれている時点で、中国も韓国も、過去を忘れて未来志向などに絶対はなれないでしょう。


(安倍首相)「慰安婦問題については、未来志向の協力関係を構築していくうえにおいて、将来世代に障害を残すことがあってはならない。できるだけ早期の妥結を目指して交渉を加速させていくことで一致しました」未来志向の協力関係を構築するにあたっての問題は、慰安婦問題に幾ら払うか(3億もあれば片がつくと云っていたようですが)ではなく、日本のトップが歴史修正主義であることで、隣国に多大な苦痛を与えてた責任者が祭られている神社に政治家が毎年お参りしている事実である。過去の行いを肯定していると見られるのは当然だと思います。


ワイツゼッガー首相の1985年スピーチは、日本でも有名なセンテンスがありますが、5000wordsの大変長いスピーチで、彼らの戦争の記憶と記録、歴史認識についてと、それを知らない若い世代に対して多く部分を割いてを語りかけています。ナチスドイツが行った事、その元で国民が関与した事,被害者のことこれからの事なども語り尽くしています。そこから歴史認識と戦後世代に対する箇所を,一部抜粋し拙訳してみました。長くて読みづらいでしょうが、戦争と云う狂気の行為の後の姿勢が日本とドイツの明らかな違いが現れているように思えます。


We need and we have the strength to look truth straight in the eye – without embellishment and without distortion.私たちは、虚飾も歪曲もなしにまっすぐに真実を見つめなくてはならないし、私たちにはそれが出来る。


But their forefathers have left them a grave legacy. All of us, whether guilty or not, whether old or young, must accept the past.しかし、彼ら先達は、私たちに重大な遺産を残しました。老いにせよ若きにせよ、有罪であるにせよそうでないにせよ、我々全員は過去を受け入れなければなりません。


The young and old generations must and can help each other to understand why it is vital to keep alive the memories.老いも若きも、互いに、なぜこの記憶を生かし続ける事が不可欠かについて理解することを、助け合わなくてはならないし、私たちにはそれができるのです。


<ここは有名なセンテンスですね> anyone who closes his eyes to the past is blind to the present. Whoever refuses to remember the inhumanity is prone to new risks of infection. 過去に彼の目をつむる者は誰でも、現在を見る事は出来ません。残忍行いの事実を記憶する事を拒否する人は、誰でもまた。同様の感化を受ける、新しい危険性をはらんでいます。


In our country, a new generation has grown up to assume political responsibility. Our young people are not responsible for what happened over forty years ago. But they are responsible for the historical consequences.私たちの国では、新しい世代が政治責任を担うようになりました。私たちの国の若者は、40年以上前に起こったことに対して責任がありません。しかし、彼らは歴史の結果に対して責任があります。


We in the older generation owe to young people not the fulfilment of dreams but honesty.  We must help younger people to understand why it is vital to keep memories alive. We want to help them to accept historical truth soberly, not one-sidedly, without taking refuge in utopian doctrines, but also without moral arrogance.上の世代の私たちが、義務を負うのは、若者の夢の実現でなく,彼らが誠実でありつづける事に対してでありましょう。 我々は、若い世代が、この過去の記憶を鮮明に受け継ぐ事がなぜ不可欠なのかについて,彼らが理解するのを手伝わなければなりません。 私たちは、彼らが,不公平な見方ではなく、道徳的な傲慢を排除し、また空想的な教義に逃避することなく、歴史の真実を受け入れる事に協力してゆきたいのです。


このように、ワイツゼッガー首相は、次世代に自分たちの過ちの記憶が受け継がれてゆく事を大変重大に考えています。未来志向という軽い言葉で、自国の過ちの歴史を次世代子供たちの教科書から消し去り、過去の体制を賛美し,その人命軽視、人権蹂躙の社会を再び招こうとする安倍一派。血まみれの足下を見据えて、平和主義を貫きつづけることが、戦後世代の使命ではないかと思います。


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