密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

オ—ム捜査の思い出

菊池直子さんの無罪が東京高裁で下された。この判決についてと云うより今回はオーム捜査での個人的思いで?を書こうと思う。15年前”走る爆弾娘”のキャッチフレーズ?とともに彼女の指名手配の写真が其処此処張られたいた頃、どういう訳か,警視庁オーム対策本部の刑事諸氏の訪問を受けた。私が”走る爆弾娘”であるという密告があったのだそうだ。彼女は慎重160cm以上、私は、はるかにチビである。『身長は整形できませんよね。ごくろうさまでした』と云うと,どうしても,写真を撮らせて欲しいと云う。たくさん密告があるので,会議に”容疑者!”の写真を提出し、加えて,密告者にこの人は違いますと納得してもらう為に,写真に加えて氏名年齢などの個人情報とともに,報告しないといけないのだそうだ!!!捜査員の話し振りから,密告者は男性のようで、これは一人暮らしの女性に取ってとても怖い話だ。


そもそも『大喪の礼』の時にも,過激派の疑い密告があり,その時は偽警官女性暴行事件があったため、ドアもあけなかった。よほど,私の事が目障りな人がいるんだろうか。オーム捜査官は若手2名部長1名、女性1名の大人数でお出ましで、カメラも持参。『この女性捜査官とご一緒でもいけませんか?」という。誰と一緒でも同じでしょう。絶対駄目です。の押し問答。


しかし,私は好運だった。当時霞ヶ関のさる官庁の月報の表紙を6ヶ月担当していて、その最後の刊に、官僚にも解る美術の話というエッセイを、しかも顔写真つきで載せていて、前日手元に届いていたのだった。「これは,公の出版物なので、これをお持ちください。」と渡してお帰りいただいた。
こんなドメスティツクな冊子が、まさか水戸黄門の印篭のような効果をもつなんて、大変驚きだった。


これがオーム時期のテロリスト調査第一段階だろう。通常の市民生活を送っていない者は,疑われ,密告される。60年代屈指の前衛美術家の赤瀬川源平さんは、町を歩いている(自転車に乗っている)と必ず職務質問をされたのだそうだ。そこで、茶封筒(できれば市役所や出版社の社名いり)を自転車の買い物かごにいれ、あるいは小脇に抱えて歩くようにすると職務質問をされなくなったと云う。これを”市民の看板”と呼んでおられたと記憶している。


今回の判決を機に法に則る判断や裁判員制度について、法律家の方々のブログを読んで、状況に流されない、法の下の公正さを学ぶのにいい機会だ。これからテロ恐慌で,社会が疑心暗鬼になり周囲の空気に流され,感覚で判断される冤罪や風評迫害が作られる可能性もある。


秘密保護法、それに共謀罪も法制化すれば、もうドアの前の押し問答ではすませられない。ブログで安倍批判していたり、比喩的に不穏当な表現を用いていれば(訪問前に調べてくるだろうし)拘束もあり得るであろう。アーチストなど、身分も不安定、なにをやってるか分からない不審人物そのものである。加えてマイナンバー制度は、社会から、お上の理解できない分野にいる人間を最終的に閉め出してしまうシステムとなりうる。多様化をゆるさないコントロール社会形成の第一歩だ。


日本の好感度を海外で一躍高めている『寅さん』、この人の存在が愛される理由は今の日本国家に取っては無意味で,不適切なものだろう。『マイナンバー付きの寅さん』想像できますか?一方的な価値観での便利さ,効率の良さだけを追求(隠された利権)、多様な意見を排除するキャパセティーの小さい社会は最終的にエネルギーを失ってゆく。


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