密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

反有志連合−彼らもテロ論、行き過ぎは禁物。

リテラ(またしても批判がましくてすみませんが)が取り上げていた,若い俳優さんの意見
〈テロを非道だと思うのは、その行為からだ。しかしその行為に至るのには必ず理由になる彼らに対する非道があったからだ。それを無視して、非道だからと怒りに任せて攻撃するのは、これまでの歴史的事実を知っていれば、解決にならない。子供が殺されたら黙っていられない。それは相手も同じ。〉
環境に殺し、殺される前に、自滅への強烈なアクションが始まったのか。。。今回のパリの事件は、どこにでも起こる可能性がある。人が人に銃を向けた事の人類のツケだ。正義の武力はないのだ。この繰り返しを過去の物にしなければならない。〉
若くて純粋な気持ちからの意見だろうが、思い込みに勢いがありすぎるかも。
”ISILがテロを行う前に彼らに対する非道があった。”それはどんなことか?かつて平和な中東の民だったのが,突然欧米が侵攻して来て,彼らの家族を虐殺,その復讐心から,テロを決意?映画みたいだ。
発端はイサクとイシュマエルの兄弟げんか?あるいは自分たちの教義だけが正しいと互いに争い、地域住民を強制的に巻き込んで、勢力拡大を望んだ多種のグループの抗争の激化。それに伴う非人道的な大量虐殺、そこにそれぞれの勢力側に欧米諸国が強力して,泥沼化だ。支配者と支配者になりたい者の戦争、そこを右往左往する住民たちが,今のところの私の理解これからも調べてゆく。どのみち中東を理解する事は専門家でも難かしい。”未萌芽の香りを嗅げば,脳裂する”私たちの常識や心情で彼らの意識を推察すれば、どこかで大きな齟齬ができる。ただ,現代の人権感覚でいえば彼らは常に女性の人権の弾圧者でもあったし,今彼女たちは自由を欲し,学問を欲している。自分の意志で歩める人生を求めている。それを助けたいと思う人たちがいる。現在戦闘員は70%が外国からの参加者と聞く。すでに崇高な平和への希求や,失われた家族のための復讐心が中心でもなさそうだ。


”環境に殺し、殺される前に、自滅への強烈なアクションが始まったのか”はどちら下と云うと、命をかける戦いをする者への尊敬、憧憬を感じてしまう。死へのロマンは若さの特権だ。もしISILの行動が人類のツケなら誰がそれを払わされているのか?中東の地域の真実を伝えようと,やはり危険をおかして現地にとどまるジャーナリストか?地域の為に技術強力に来ている技術者か?ボランティアか?殺されても当然?の欧米市民か?爆弾を縛り付けられる普通の市民か? 脅迫で資金を集め、夢に浮かされた若い戦闘員を、爆弾にして消費する。彼らは貧しくさへない。彼らは自分たちの独善的教義による完璧な支配を求め行動している。


もう一つリテラから、「シリアの民間人からすれば有志連合の空爆もテロ」との古舘発言についての記事の中で、しかし一方で、連日のように行われているシリアへの空爆で、どんな悲惨なことが起こっているのか。人権団体の報告からも、パリの同時多発テロで犠牲になった人々以上の子どもを含む民間人が犠牲となり、悲惨な現実が起こっているのだ。彼らは決してテロリストでもなれば、殺される理由すらない。なぜ、そうした想像力を持たないのだろう。もちろんこうした空気を生み出しているのは、メディア報道が大きな原因だ。シリアやイラクの民間人が有志連合の空爆によって殺されているような都合の悪い映像は、日本を含む欧米メディアではほとんど報道されることはない。実際、シリアではないが3年前のパキスタンで、米軍の無人偵察機に襲撃され、ケガを負った13歳の少女ナビラ・レフマンちゃんの存在を、欧米メディアの多くは無視し続けている。欧米という、自分たちの側にいる人々が犠牲になったテロにのみ激しい憤りをみせる一方で、中東の人たちが空爆で犠牲になっても自分たちには関係のない話として無視してしまう。それが現在行われているテロ・IS報道の実態なのだ。
ナビラ・レフマンちゃんは、無視されていない。2013年10月13日−29日間にWashington Post The Guardian紙など多数のメディアが取り上げている。現在も検索可能である。どうして,無視し続けているなどと書くのだろう?アメリカのメディアの人権意識、政府,権力の批判、監視能力は本当にしっかりしている。近くは90日ほど前の国境なき医師団病院誤爆も、即座に大きな報道となり,写真や、調査の経緯,大統領の謝罪など連日載せていた。びっくりして初めたてのブログに書いた。当時の記事も約して見ている。鍾乳洞とインターネット2http://artrino.muragon.com/entry/3.html
ベイルートもマリも、もちろん今回の空爆も報じられている。空爆は想像力が無いからではなく、イラク戦争地上部隊投入が人間の判断ミス、パニックで見境の無い市民の殺戮を生んだ事による影響もあると思う。アメリカは日本では考えられない深刻で残酷な事実が無視できないほど社会に横たわり続けている。


なぜこのように、右派の方々より?のことを書くのかというと、別に安倍擁護などさらさらない。欧米諸国の対応をテロとイコールにする根拠が少し安易ではないかと思うからだ。日本国内で騒いでいるだけなら、まあ罪は無いが、たとえば,日本の有志から署名を募ってISILへの攻撃をやめるべきと訴えるとするなら、根拠情報が不確かで、イメージのみの理解で断じている点も多いと思うからだ。本気で有志連合の非人道的爆撃を非難するなら、もっと詰めてやらないと、イノセントジャパニーズの感情的反発と、とられてしまうだろう。それより今は、影響力のある方達の難民受け入れに世論を持ってゆく意見をもっと聞きたいものだ。


それから、ISILが日本人の思いやり?をどう理解するか、それも何かに利用できると考えられてはかなわない。米軍従属はするべきではないが、ISILに思いやりも必要ない。


ランキングに参加しています。宜しかったら 
下のバーナーをクリックしていただけると嬉しいです。