密接な関係にある他国から

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松野頼久×小林節対談にみる、野党共闘の,新たな活路−後半

共産党が候補者を降ろせば勝てる(小林)


小林 私はもともと改憲論者ですが、改憲を論ずることがバカらしくなった。憲法を政治家が守るという習慣があればこそ、憲法を向上させていこうという話にもなりますが、守る気のない人が最高権力を握っている中では意味がない。憲法をどう変えようが、彼は自分の思い通りにするのだから。法の支配の危機です。

松野 政治家の劣化もあります。ひと昔前の自民党なら、「憲法を守らない本会議は開けない」と言って、開会式のベルを押さない議長がいてもおかしくない。時代が変わったと思うのは、かつては総理や閣僚が憲法改正に言及するとクビが飛んだものです。行政府には憲法順守義務がある。現行憲法の中で行政をするのが筋なのです。
小林 改憲の発議権は国会にしかありませんからね。
松野 我々の党も改憲派ですが、9条というよりは統治機構の問題を重視しています。国民主権や三権分立が確立しているとは言い難い。たとえば、司法の問題。裁判官の訴追委員会や弾劾裁判所も形骸化しています。昨年までに計1万8672件の訴追請求があったにもかかわらず、実際に弾劾裁判が行われた事例はわずか9例しかありません。しかも、冤罪を含めた不当判決を理由に行われたことは一度もない。国民主権を守るために、こういうシステムも変えていきたいと考えています。
小林 人権保障は民主主義の基本です。政権交代すれば、国民が気づかないところでないがしろにされている民主主義を取り戻すこともできるわけです。現状では、自民党独裁政権下で判事も選ばれているのですから、最高裁が違憲判決を出すこともあり得ない。政治の過失は政治で取り返すしかないのです。


政権交代には野党共闘が欠かせませんが、松野さんは民主党とは選挙区調整の経験がある。


松野 14年の衆院選では、僕が担当で民主党と選挙区調整をやりました。決まっていた候補者を降ろしたり、現職の選挙区を移したり、キツイ作業です。ただ、単なる選挙区調整では半分しか他党の票が乗らない。もちろん、やらないよりはいいのですが、どうしても別の党がバラバラに戦っているようにしか見えないんです。同じポスターを使うとか、同じコピーを使うとか、イメージカラーを統一するなど、野党が協力して戦っているということが有権者に分かりやすい仕組みを考える必要があります。
小林 なるほど。選挙区調整だけでは1+1が2ではなく、1・5くらいになってしまうんですね。その辺が公明党や共産党のように管理された政党とは違う。なおさら共産党以外の野党がひとつになって、同じ組織で戦う必要がありますね。あとは共産党が大人になって候補者を降ろせば、必ず勝てる。それは必ず共産党の得点になる。残る問題は、腰が定まらない民主党です。
松野 この1、2カ月が勝負です。民主党の岡田さんは非常に慎重で「うん」と言うまでは時間がかかるけれど、決めたことは必ずやる人です。国民のことを考えれば、野党共闘で党内をまとめてくれると信じています。(ええ!!ほんとにぃぃぃ。)


党幹部も現場で汗をかいて本気度を(松野)
小林 民主党の政治家に会うと、野党連合の話をしても、そうなった時に「自分は生き残れるか」とか「自分の立ち位置はどうなるか」ということだけに関心が向いているように見える。私利私欲と言っては失礼だけれど、安倍政権という巨悪を倒す覚悟が見えてきません。万年野党でも、自分が議員でいられれば生活は安泰だという甘えがあるから、「共産党とは組めない」などとグダグダ言うんじゃないですか。
松野 さすがに共産党とは政策的に方向性が違いすぎる。ただ、昨年成立した安保関連法を廃止するという一点で協力することは大いにあり得ます。多くの民主党議員も同じ考え方だと思います。安保法廃止の大義のために、共産党が候補者を引いてくれるという。こんな千載一遇のチャンスはありません。
小林 創価学会票でゲタを履いているから自民党が圧倒的に有利だった。民主や維新の野党が共産党と協力すれば、共産票が学会票のハンディを帳消しにしてくれる。
松野 有権者の投票行動を見ると、自民党が圧勝した一昨年の総選挙でも、野党に投票した人の数が多い選挙区は150。勝ち越せるんですよ。今は当時より安倍内閣の支持率も落ちているから、野党がまとまれば政権交代も可能です。

小林 そのためには、共産党にも花を持たせてやる必要があります。民主や維新を勝たせるために「共産党だけ引いてよ」じゃ、あまりに無礼ですよ。
松野 共産党以外の党がすべて解党して、ひとつの党になれればいい。その上で、共産党と選挙協力をどうするかを話し合う。好き嫌いや我を捨てさえすれば勝てるんです。

小林 安倍さんより共産党の方がいいに決まっています。小沢さんが嫌いだとか、くだらないことを言っている場合じゃありません。
松野 小沢さんのような人もいて、いろんな顔があることが政党の魅力になる。実は民主党と統一会派を組む時に、こんな話をしたんです。とにかく全部の政党が組んで、党幹部もみんなひな壇から降りて、現場で汗をかくべきだと。小沢一郎・国対委員長、岡田克也・予算委筆頭理事、野田佳彦・財務金融委筆頭理事……。適材適所で全員野球をやる。私も党首だけど議運の筆頭理事をやる。ベテランの小沢さんも毎朝、国対に出てきてもらう。それくらいやれば、与党にも国民にも本気度が伝わるじゃないですか。一笑に付されましたけどね。
小林 いや、素晴らしい。大賛成です。発信力が高まるし、話題にもなる。そのアイデアを笑った人たちは世論が見えていないとしか思えません。小沢さんが国対委員長なら、自民党もタジタジですよ。
松野 とにかく、まずは参院選に勝たなければならない。勝つためにできることは何でもやる。野党共闘の実現に向けて話し合いを進めていきます。


ぜひ、維新がつなぎ役になって、枝葉が伸びやすい方に先に手を伸ばし野党共闘を実現に近づけて欲しい。


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