情報鎖国と命がけで生きる国の人々
私がアメリカの移ったばかりの頃、日本の3人の若者がイラクで誘拐され人質になった。彼らが働いていた地元の人たちの助力と、苦虫をかみつぶしたような顔をした当時の小泉首相、日本政府と協力各国の努力で,無事に救出された。その時その中の一人であった女性が「それでもイラク人を嫌いになれない。」と震える声でいったこと、その後国内でのバッシングのニュースを聞いて、胸が痛んだ。小泉首相の『いくらかかったと思っているんだ!!」という言葉が耳に残った。当時,解放後、テレビでその場面だけ見たので、これはないなぁ,と思ったけれど、今、もう一度日本の報道を見てみると,政府も救出までは総力を挙げて,真摯に動いていた様子も見る事が出来た。これに比べると,後藤さんたちのときの,安倍首相の行動は、救出に尽力したように見えない上、対テロ参戦アピール利用した感さえある。
確かに、政府の制止を無視して出かけたのではあるが,その動機が人道的であれば、アメリカでは生きて帰った彼らはヒーローで、大統領(まあブッシュ2だけど)自ら出迎え「We are proud of you !」と讃え、家族も「I'm proud of you !」とビッグハグで出迎えるはず。ご家族は「ご迷惑をかけました」と平謝り(ご家族の心配のあまりの強い主張に反発もあったと聞いているが)。ここは国民性の違いなのだけれど、政府の被害者への厳しい対応、世間からのバッシングのような事が起こっていると聞いて、人と違う事をする、勝手な事をする(自己の信念で行動する)事を許さない社会、人間的な過ちにことさら厳しい社会の日本で,せっかく生還した若者たちもこれから大変辛い思いをされるのではないか,自分の道を閉ざされてしまうのではないかと,心配していた。当時はこちらのニュースは名前までは伝わっていなかった、ネット環境もなかったので、とにかくお名前は存じ上げなかった。高遠菜穂子さんと云う方がファルージャで活動していて,現状などを日本に伝えている記事を読んで、調べた見てこの方は人質になった女性だったのだということを知ったときは,ああ良かった。と思った。厳しい状況を克服して逞しく活動を続けておられるのは凄い事だ。
その、高遠菜穂子さんの講演?と言うか、設定がよくわからないのだが、お話を幾つかシリーズでライブビデオで流している :イラク戦争の検証を求めるネットワーク
http://us.twitcasting.tv/pig_sky/movie/224508665
この回は,以前:オバマ大統領,執務室からの生中継スピーチ
http://artrino.muragon.com/entry/112.html
のなかで触れたISISによる、ヤジディ教徒の男性の虐殺、女性の奴隷としての身体の略奪、暴力の実像を話されていた。ISISに追われた山頂で餓えと脱水で亡くなる人たち、ヤジディの女性たちはISISが略奪,性奴隷にされている。国連でも大きな問題になり,その後,イラク政府の要請でアメリカの空爆が始まる。2014年8月のことだ。当初オバマ大統領は空爆はしない方針、イラク、シリアも空爆はしないことになっていた。しかしヤジディに対する虐殺(ジェネサド)が始まり、海外メディアが連日取り上げたが,日本では報道されなかった。この状況を受けオバマ大統領はISIS拠点への空爆を開始、イギリス初め有し連合が水食料をヤジディの非難している山頂にヘリで投下,少人数づつの救出を試みた。空爆にイラク市民も期待。彼女の友人で米軍に家族を殺された人でさへ、米軍に戻って来て欲しいと云うような状況だったそうだ。『ファルージャは最も反米感情が高い町であるにもかかわらず,米軍にも戻って来て欲しいと言わせる状況があった事をまず,認識して欲しい。日本は情報鎖国をなんとかしないと議論に立てない、』と訴えて終わった。
民族の,宗教の対立からの、ジェネサイド、拷問、強姦そんな、所まで追いつめられている,空爆は必要だが,そんな状況になる前に,政治外交政策で、ISISの資金源を断つなどして,欲しかったとも,訴えている。
最近非難が高まっている、アメリカ有志連合の空爆も,そうせざる終えな理由や経緯があったわけです。有志連合の空爆に対する非難、テロと同じと云う捉え方は、私がアメリカにいて感じている、イラク戦争の人的過ちを繰り返さず、現状の人道的救済の方法を模索し,出来る事を模索した結果が、空爆なのであると云う認識。けして正しくはないが、放置できない酷い事が起こっている、事実は待ってくれない。日本で分析されているような、軍事産業のお金儲けでやっている訳ではない、という認識ーしかしアメリカにいるからそう思うのかもしれないと云う疑いも考えるがーオバマ政権は出来るベストを模索し実行しているとも思うのだ。
高遠さんはイラク戦争時ファルージャでの米兵の蛮行も激しく非難されている。これは,イラク帰還兵による”冬の兵士”証言集でも,兵士の側が同じ供述をし,米国内で,訴え続けている。
他にも興味深いライブがあります。イラク市民デモと政府軍についてのもの。途中で途切れているので、解る所まで内容を書いてみます。
2013年10月イラクの反政府デモにふれ、非武装のデモ参加者を政府兵士が躊躇無く殺す、しかし,翌週またデモをする,殺されても殺されても、毎週デモが続いている。そうせざるを得ない理由があり,そしてその行為は,命がけで生きようとする様なのだ,と云う事を日本の人たちにも伝えたい。デモ弾圧はエスカレートし、政府はデモがアルカイダの拠点と国際社会に公言。デモへの武力攻撃を展開し非難地のテントにヘリで空爆,多くの市民が殺戮,その結果住民サイドの民族軍が政府軍と全面戦争状態。同時期ファルージャをISISが占拠と海外メディアに大きく報じられたが、じつはイラク国民にとっては,政府軍からの弾圧への抗争が激化が深刻切実で、ISISは居留守狙いで町の建物を占拠しただけに過ぎなかった。ISISより深刻な危機的状況のイラク市民は、海外メディアに自国民虐殺している政府糾弾の声明をだした。ファルージャは現在、至る所ISISの旗、町はコントロールされている。ODAOオープンした病院も空爆新生児を含む22人死亡−ここで切れてしまいました。
大江健三郎さんも沖縄公演で危険な地域で勇敢にボランティア活動をする若者,特に女性たちを驚きと尊敬を持って,希望だとかたっておられた。
今までの日本はいい意味でも悪い意味でも守られた環境あり、しかし,一見、情報はあふれている。だから人々は,何でも解っていると感じるし、日本独特の感じ方、考え方を,海外の状況に当てはめた判断をしてしまいがちになる。
もし,中東(中国、韓国、東南アジア、アメリカ・ヨーロッパ・ラテン諸国、アフリカなども)を論じ、日本も関わってゆくのであれば,こうした現地に働いている方達の声を、もっと広く取り上げるの必要があると思う。
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