密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

Real Time with Bill Maher ・コメディアンのナイフー社会政治批判

Real Time with Bill Maherと云う政治トーク番組がある。Bill Marは人気のコメディアンでちょっと,上岡龍太郎さんを思い起こさせる,舌鋒鋭いスタイリッシュな人だ。彼の政治討論番組である。


アメリカでは、コメディアンは非常に辛口の,時にはかなりエッジの政治社会批評をする人がほとんどで、いい例が、とても有名なユダヤ系コメディアン(名前が出てこない),彼のショーにドイツ政府の高官が来て,多いに笑って、ショーのあと彼を訪ね『アメリカのコメディアンは本当に面白い。なぜ我が国には,面白いコメディアンがいないのか』と云い,彼は『それはあなた方が全部殺したからですよ』と答えた。このエピソードを聞いた時,この高官たちはどう反応したのだろうか,とても興味深かったが,知るすべは無い。コメディアンはそれぞれ懐に鋭いナイフを持ってこそコメディアンなのだ。ユダヤ系、アフリカ系がとても多い。


アメリカ人は、会話や議論など率直に激しくやるが,決して感情的にならないーなったら恥なのだ。かつての、朝まで生テレビのように、大声を出したり、向きになったり、怒ったりなど絶対したくはないようだ。余裕を持って,論理的に相手を追いつめ,ユーモアやサーカズム(皮肉、引き裂くと云う語源)でリズムを取りながら議論してゆく。相手のユーモアが受け取れなくなるほど,余裕の無いところを見せてしまっても負け。機関銃のようには喋るが,どこか余裕-(大阪弁のやり取りのように)がある(そのセンスがからっきし無い人ドナルドトランプ)


Bill Maher(ビル・マー)は、1993年より、「ポリティカリー・コレクトという概念を盲目的に信仰する」姿勢を皮肉った深夜トーク番組『Politically Incorrect』(ABC系列)の司会を務めた。しかし、アメリカ同時多発テロ事件発生後、ジョージ・W・ブッシュ大統領のテロリストに関する発言に異議を唱えると、同番組は打ち切りとなった。ちなみに、ABCの親会社ウォルト・ディズニー・カンパニーが所有するディズニー・ワールドがあるフロリダ州の知事は当時、ブッシュ大統領の弟ジェブ・ブッシュが務めていた。当時のアメリカは、アフガニスタン侵攻に世論が傾いており、それに絡んでブッシュ大統領の支持率も上がっていたことから、ビル・マーを国敵のように見る向きもあり、テレビ復帰は困難に思われた。2003年、メジャー・ネットワークではなかったものの、コメディ・セントラル(ケーブル局)で『リアル・タイム・ウィズ・ビル・マー』の司会として復帰。その後、アフガニスタン侵攻やイラク侵攻に対する反省・批判の声が連邦政府内や世論で高まったことなどから、ビル・マーの意見も見直されるようになり、現在に至る。第二期オバマ大統領選の選挙への献金にポンと1億円出して話題になった。


さて,昨夜は、もちろんテロとイスラム教と難民の処遇。ビルは宗教特に原理主義者が大嫌いで,国内のキリスト教原理主義+共和党をことごとくぶった切り続けている。通常3人のパネラーと前後半で2名のゲストを呼ぶ。前半ゲストは,現在のカリフォルニア州副知事(民主党)、難民移民受け入れと,対テロについて、アメリカのビザ発行システムの慎重さ(遅さ2年かかる)によって、テロの食い止め、難民積極的うけいれと,両立の考えをしめす。その後3にんのパネリスト,実はこの国の知識常識下地が薄いのでいつも誰なのかよく解らない。ただ今回は,イスラム教徒に好意的でポジティブな関係の構築ができるとする、カナダの政府の女性高官とビルが、イスラム教徒受け入れと、共存で論争した。カナダの姿勢が楽観主義的か、ビルの姿勢がネガティブな面を拡大し,差別迫害に意向するか?


わたしはカナダの姿勢がよい方向に進んでくれる事をながっているが、ビルのいう、イスラム教原理主義の人権侵害の教義とその懲罰の体制が受け入れがたいとうい事は,理解できる。この信仰を顕示する人たちと社会を形成できないと極論をぶつけている。これは,イスラム教に限らず,全ての宗教,思想、政府理念を、全く正しいとし,他の人々をに押しつけ支配しようとすることへの一貫した怒りであり、個人を認めない全体主義への怒りを共感できる。しかし各宗教には様々な宗派、取り組み方があり、何人かのイスラム教徒はインタビューで、『ISILを同じイスラム教徒と思わないでくれ』、『イスラムの元来教義は排他的な物ではない』『彼らはイスラムで禁じられている酒を売り,飲んで、騒いでいる,善いイスラム教徒ではないーベルギーの彼らのアジトの近くの住民の証言,ただしみんな恐れていて口が重く匿名を条件に証言』


カナダの新体制は愛と理想を貫く事を標榜し、ビルは,彼の根底思考をつらぬき、情勢にメスを入れる。見ている私たちは考える。


私が最近一部に出ているようなISILへの同情的見地に賛成できないのは、ISILは絶対的支配の実践を,同民族,近隣民族に武力で強制し,恐怖を持って統治しはじめた。それに対して無力で、そこから自由になりたい人たち,命の危険にさらされている人たちの解放,迫害からの救出を目指し,軍事介入が行われた事を(イラク侵攻戦争のことではない)すべて軍産複合体への利益共有の為と帰結し、結局は人間の動機は全てお金と断じてしまっているように聞こえる点だ。


全人類的に、人種、宗教の違うコミュニティーの共存は、現在進行形で、受け入れながら,お互いに答えを探してゆく問題なのだが、人々が、ある人たちを個人として理解する事を省いて、イスラム教徒、ユダヤ教徒、キリスト教徒,ヒンドゥー教徒、仏教徒、神道信者、白人、黒人、黄色人種、アメリカ人、日本人、韓国人、中国人 フランス人、シリア人、,,等々の括りでのみ論じ判断を横行させる事は、必ず,不和の種を育て,悲劇に繋がるとおもう。


ノーベル賞受賞者の白川英樹博士が、「戦争を無くすには,一人一人が世界中に友達を持つ事だ」と仰ったのを記憶している。強く共感した。背景やステレオタイプにまぎれて見えなくなる個人の顔を見いだす事が、個人としてつながりを持つ事が、個々人に出来る平和の第一歩なのだろうおもう。



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