密接な関係にある他国から

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朝日新聞の久々の良記事「それぞれに個性ある」・相模原殺傷事件

以前、帚木蓬生氏の小説『閉鎖病棟』を読んだ時、精神病院に収監されたいる、かつて事件をを越してしまった患者たちの葛藤、が精神科医である作者の暖かい目線で書かれていて、とても心に残った。36年『津久井やまゆり園』に勤務された、元職員太田顕さんの
お話は、すべたの人が耳を傾けるべき価値があると思うので、転載します。

「入所者それぞれに個性がある」。相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で36年勤務した元職員、太田顕(けん)さん(73)は事件に怒りを募らせる。

1968年、開設5年目の時に赴任した。当時、入所者と一緒に外出すると、近くの大人や子どもが木陰に隠れることもあった。触れ合いが欠かせないと考え、入所者が小学校の運動会で駆けっこに出たり、施設の盆踊りに住民を招いて踊ったり。できるだけ接触する機会をつくった。


すると、地域の目は変わった。無断外出の入所者に気づいた人から「1人でいる」と連絡が入り、お茶に招いてくれる住民も出てきた。「地域の理解なくして施設は成り立たない。障害を知ってもらうことが理解につながると確信した」


3、4年がたち、表情やしぐさで入所者と意思疎通ができるようになった。満腹になれば、おなかをポンポンとたたき、職員と親指同士をくっつけた。それでも、保護者との面会日の笑顔を見ると、家族の愛情にはかなわないと思った。


 26日早朝、ニュースで事件を知り、自宅から徒歩5分の園に急いだ。無事だった入所者は体育館でテレビを見たり、音楽を聴いたりしていた。そんな入所者を見守る職員の姿が印象的だった。「ことの重大性を理解していない様子の入所者もいる中、職員は普段通りの環境をつくろうと心がけていた」と振り返る。


でも在職中に担当した男性の安否がわからない。ラジオなどの電化製品が好きで、よく家族が差し入れていた。「母親が亡くなり、きょうだいが面会に来ていた。無事でいてほしい」


「障害者なんていなくなればいい」と容疑者が話していると聞き、言葉を失った。「それぞれに個性があり、愛する家族がいる」


人を有用かどうかで判断しようとする風潮が強まっていることも心配だ。「こうした考えに社会もきちんと向き合うことが求められているのではないか」


障害のある方たちだけでなく、日本の社会は有用、無用の価値観に支配されている部分が大きいと思う。会社内でのいじめなどもその根底の価値観から、自分の不安不満をより弱いものへ無能の烙印でぶつける。有用、無用ではない、新しい人間への価値観を見つけ出す時に来ていると思う。今、生きている自分を肯定し、他の人と自分と比較して査定せず、自他の違いをはっきり自覚し、相手も自分も尊重して行ける真の個人主義の確立が必要なのだと思う。利己主義と個人主義の区別さえ付けられていない故に、いまだ借り物でしかない民主主義、基本的人権の認識を、全体主義、歪曲した悪平等、人権、主権の制約が進む今の現状の中、自分たちの力で手にしなければならない時が来ていると思う。
自身で声を発しられない人たちのためにも、国を最高価値観にし、それにおいて有用無用を断じ弱者を切り捨てる、似非愛国。


民主党大会で若手のホープ・コーリー上院議員はいった『愛国心とは、国を愛するとは、その国に住む全ての人々を愛することだ』と。

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