密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

池内選手中止要請、案の定利用して五輪開催機運盛り上げ、どころじゃないのに

ワタクシは、スポーツにさほど興味がない。フィギアスケートとか、新体操とか、美しさを競うものは見たりするけれど、選手の名前を知っていたりするほど熱を入れては見ない。
こういうことを言うと、きっと日本では非国民なんだろう。でもそう言う人もいる。


池内選手のことは大きな話題になっていたし、白血病という治療も苦痛と忍耐を伴う病気を克服し、しかもアスリートとして復帰したというのは、本人も、彼女を支えた家族スタッフ、そして医療従事者にとっても嬉しいことだっただろう。しかしこれは、彼女の物語だ。彼女と周囲の人たちの物語だ。結果に飛びついてお神輿にのせていいことではない。


池内選手に、五輪中止表明を求めるコメントを送った人たちがいると聞いて、こういう勘違いをしてしまう人もまた、全体主義推進の人たちと同質なのに、困ったことだと思った。どうせ、逆手に取られて、非難の矛先を変えられ、また池内選手がより、大きな広告塔・錦の御旗に利用されるだろうなぁと思っていたら、案の定、騒ぎになっている。



〈オリンピック反対派は池江さんを虐めるなよ〉
〈「オリンピック反対派」の言葉の暴力は酷すぎる! 池江選手があまりにもかわいそうだ。〉
〈オリンピック反対派が池江選手を悪者に仕立て上げようとしている。〉
〈こんなことよくできるなぁ 人デナシとはこのことだわ〉
〈これはいじめに等しいのではないでしょうか? 難病を克服してオリンピックを目指す方に対しての攻撃、あまりにひどいと思う〉


自民党ネトサポ大活躍?。彼らの特徴は事実の端っこを攻撃的に拡大し、人々の怒りの共感を作ること。池内選手に中止の依頼をした人は、直ちに彼女に対して謝罪メールを出せばいい。『あなたのことを何も知らないのに、自分の主張を押し付けてごめんなさい。』だ。


有名人に英雄的行為を無責任に求める風潮が日本にはある。アメリカの有名人が、社会的影響力とその責任を自負し、社会に発信するのは、そういう社会環境が出来上がっているからだ。日本は非常に難しい社会で、有名人だからといってそういう辛い役割を押し付けるのは、無責任だ。ましてご本人はできれば五輪でプレーしたいだろうけれど、どうなるかわからないという状況にいる人に、私たちのために中止を表明して、は都合が良すぎる考えだろう。日本人が個人主義を理解し確立することができない証左だ。


反対派?の頭目?宇都宮健児弁護士も〈五輪中止を求める相手は選手ではなく、主催者であるIOC、IPC、国、東京都、組織委である。当然のことながら選手にはいっさいの非はない。見通しの立たない辛い状況に置かれている選手をこれ以上苦しめてはならない。〉とツイート。多くの人が彼のように考えられたらこんな騒動は起こらない。


「難病を克服したアスリートのために五輪を開催、反対派は彼女に対して中止なんて言えるのか!!!」という論調が多いようですが、”反対派?”が危惧しているのは、今でさへ、医療体制が逼迫し、しかも無理筋の、お急ぎワクチン接種。しかもそのお急ぎ接種では65歳以上の高齢者の接種とオリンピックの時期がかぶる。かつ、よしんば接種が成功しても、一般国民にはワクチンは行き渡らない。そういう社会情勢で、5万人近い人々を他国から入国させ、ワクチンの打たれていない社会的のシャーレに閉じ込めて、パフォーマンスをさせる無謀。またその間ただでさえ医療従事者を五輪のケアに取られ、深刻な医療不足が起こる。池内選手と同じ病気と闘っている人も十分な治療ができなくなり、また感染の危険にさらされる。とは思わないのでしょうか。


池内選手も、まるで安倍晋三の優雅な生活映像に巻き込まれた星野源氏のごとく、大変迷惑だろうと思う。


そもそも、今回の問題は池江選手がツイートする半日前の7日午後、ネットニュース『週刊女性PRIME』が「東京五輪ありきの強行施策に「辞退して」池江璃花子らアスリートに向く“矛先”」というタイトルでこの問題を取り上げ、すでにネット上で大きな話題になっていた。池江選手もこの記事や反響を見て、リプやDMの存在に気づいたものと思われる。
 しかし、チェックしてみると、報道以前にこうしたリプライが大量にあった形跡は確認できないし、ネットでもほとんど話題になっていなかった。
 また、『週女PRIME』の紹介した3つのリプを見るかぎり、いずれも医療崩壊や子どもの行事の自粛との矛盾を指摘し、五輪辞退や反対を求めるもので、前述したように直接、選手個人に送りつけるのはやりすぎだとは思うが、内容は誹謗中傷ではない。


あなたは図らずも五輪の広告塔になってしまっているので、あなたが中止を訴えてほしい、という(虫のいい)お願いであって、これは誹謗中傷には当たらない。ここぞとばかり言質を取ったと攻撃する人々の中には日本語をよく理解できない人がいる。まあ国のトップがそうなのだから後に続く人もへならえなのかもしれない。


五輪というのは、スポーツの祭典であって、それは、大多数がが安心安全(災害・紛争が常にどこかで起こり、地球上全ての人が、ということはあり得ないが)な状態の時に行うべきもので、世界中が苦しい、近しい人の死に直面しているときに、苦しい時こそ、オリンピックで感動を、というのは無理がある。スポーツ観戦、憂いのある心で楽しめるわけがない。一部の地域の紛争や災害であれば、その国の支援呼びかけも含め、その国地域の選手を応援ということも考えられるが、世界中が、大きなトラブルに見舞われ、今感染を抑えている国も、変異種は脅威なのだ、無理がありすぎる。


選手の安心安全を測っても、通常ホテル滞在の報道関係者、招待客、(その他どんな、日本政府・IOCの口実でやってくる人々がいるかわからない)そういう人々の行動監視は物理的に不可能ではないか?という質問から、から逃げるしかない菅総理は、甘い結果オーライで、突き進んでいる、ということが、問題なのだ。


仮定のことは答えない、つまり考えない、こんな恐ろしいリーダーはいない。
誰がかわいそうとか言っている場合ではない。かわいそうなのは政治の暴走の陰で、無名に死んでゆく人々なのだ。


話は変わるが、明後日にはNYにもどるのでファミリーディナーにレストランに行った。
フロリダは、州法で、レストラン客数25%〜50%、そして現在100%許可を知事が宣言している(トランピーな知事なので、人々はしっかり用心を怠らないが)している。
レストランの人たちは、マスクをし、野外テーブルを増やし、客も着席まではマスクをする。今朝、母の日の朝食レストラン(母の日は、いつも朝食を作りママをねぎらって朝食専用のレストランに行くのがポピュラー)に昨日来られなかった妹さんと行った。満員だったが、みんな着席までは、マスクをしていたし、サービス担当が、メニューを1ページづつアルコールで拭いていた。
トランプ時代とは雲泥の差の公共の福祉の浸透だ。7月4日の独立記念日には大きなお祝いになるだろう。バイデン大統領は、二度のワクチン接種を受けた人の、公共でのマスク着用の義務を解いた。マジョリティーが接種完了したためと思われるが、まだ100%安心ではない。州によってはトランプな人々が接種拒否していたりするし、実際誰が接種を終えているかわからないからエチケットとしてのマスク着用は当分続くだろう。


毎年8月の終わりか9月の初めにガーデンパーティーを開く。20人くらいの友人が来てくれるが、今年はどうしようか、話していた。大人数のパーティーは野外とはいえ、まだ時期尚早なので今年は、行わないことにした。ワクチンが行き渡るアメリカの、我が家の二十人くらいのパーティーでも、やはり行えないという感覚。日本はなぜ、ワクチンもなく、何万人の人が押し寄せる大イベントを行おうと思えるのだろうか。


日本政府が死者が少ないことを自分の手柄のようにいうたびに、ただ運がいいだけだし、それでもなくなる人の命は一人一人がかけがえがないことに思い至らないのだろうかとにがにがしく思っていたし、今もそう思う。菅さんがファイザーがIOCにオリンピック選手にワクチンの無償提供を申し出たことを、自分がたかが10分しかも通訳を介しての電話会談そのように言ったかのように伝える報道もあるが、ロイターには菅の”す”の字もない。
ファイザとIOCの何らかの工作の結果に便乗したのだろう。開催の決定権はIOCで中止はできないと菅総理は繰り返すが、IOCも日本政府がやると言っている以上やるというような発言をしている。



【シドニー共同】ロイター通信によると、国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長は8日、今夏の東京五輪について「絶対に開催される」との見通しを示した。菅義偉首相が先月、バイデン米大統領と会談した際に、実現する決意を伝えたことを引き合いにした。
◆中止署名運動には「ワクチン接種進めば改善」の見方
 自身が会長を務めるオーストラリア・オリンピック委員会の年次総会に出席後、シドニーで記者団の取材に応じた。コーツ氏は「日本の首相が2、3週間前に米大統領にそう言ったし、IOCにもそう言い続けている」と強調した。
 日本で五輪開催の中止を求める署名が集まっていることについて、コーツ氏は「懸念事項だ」と述べた。その上で「日本では安全を懸念する人の数と、ワクチン接種を受けた人の数に相関関係があると思う」と指摘し、接種が進めば状況は改善するとの見方を示した。(共同)


コーツさん、本当に雑な見解だなぁ〜。『首相が先月、バイデン米大統領と会談した際に、実現する決意を伝えた』、だから何!? 独立国のやることを、よほどのことがない限り他の国のトップがやめろよ!!とは言わないだろう。開会への努力を評価します、と言っただけで、賛成するとも後押しするとも言っていない。バイデンさんにしてみれば、我が国は取り組むべき重要課題が山済みですよ。まあ頑張ってください、ということだろう。
そういうことを引き合いに出して?なに? 日本の首相が バイデンさんにも言ったし、我々にも言っている、ていう言い方、文脈的には開催国の菅首相が開催を表明して回っている以上やるのでしょう、ということだ。日本政府か決定権はIOC にあると言い訳し、自分たちでは中止できないと言外に言っている。
みんなが人のせいにして、”一抜けた”を言い出せない。


「日本では安全を懸念する人の数と、ワクチン接種を受けた人の数に相関関係があると思う」って、日本国民の安全に関する懸念は、政府の無能と今五輪をひらけば、接種を受けられないまま、感染拡大するということへの危機感だ。だいたい、コーツさん、オリンピックまでに接種を受けられる可能性はほとんどの人がないのだということわかってます?いい加減なことを言って欲しくない、バカなの?この人も男爵か?この発言は無性に腹がたつ。


ここまでの犠牲を払ってまでやることではないと、多くの良識のある人は思っているだろう。インドの惨状が、近隣の国に飛び火し始めている。もちろん日本も二重変異株が発見されている以上感染爆発が起こる可能性の中にある。


それなのに、まだそば打ちだのおにぎりだのという、ホストタウン交流を見直さない政府の馬鹿さ加減にはあきれ返る。


今回のことで、IOC自体への不信が表に出てきている。オリンピックの運営自体の体質改善が必要だと、多くの人が感じているだろう。


御都合主義のつじつま合わせで、強行するオリンピック。それで感染拡大しても後からワクチンを打てばいずれ治ると思っているようだが、ワクチンが対応できないほどの混乱がおとづれた時、彼らはどう責任を取るのだろう。


選挙で負けて、交代した政権に責任を押し付けて、3.11の時のように、声高に攻撃を開始するのだろう。


バイデンさんから開催の後押しをいただいたというようなことも菅さんは言っているがこれも真っ赤な嘘だ。もう何でもありの、揚げ足取り攻撃と超訳外交を駆使してぶち上げる、こんなオリンピックから勇気をもらうのは誰だろう。


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