密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

私的なつぶやき


今日、私的にとても悲しいことが起こった。地元のアートセンターで行われる、女性の歴史をテーマにした企画展に出品するために預けておいた作品が盗まれてしまった。


フロリダに行くので、事前に届けておいたのだが、オフィースから盗まれたらしい。
だから、展示もされなかった。これも悲しい。


今まで、二度作品を盗まれたことがある。一つはアートコンセプトのブティックホテルのオープン前に、すでに設置していた作品群が、盗難防止のワイヤーを切られて持ち去られた。これはホテル側が、再度似た作品をとの要望で、再び購入してもらった。


もう一つは警察に追われた泥棒がアトリエの倉庫で夜明かし?そのとき暇に任せて?箱に入った絵を並べてみたいたらしい。そして一点持ち去った。少女の横顔のエッチングだった。版画であったため、それほどのショックはなかったが、どういう泥棒なんだろう、なぜその絵を持って行ったんだろうと、しばらく考えていた。


今回の作品は、グラスエングレービングで作った、一連のジャワの慰安婦の肖像で、オランダの写真家ヤン・バニングさんの写真を参考に、許可を取って制作した。

以前YouTubでジャワの慰安婦の方たちが当時の慰安所を訪れ記憶を語っているドキュメンタリーを見た(これもヤンさんたちのチームが作ったのだと後で知った)
多分彼女だと思うのだが、お母さんや妹さんと一緒に慰安所に連れてこられ、レイプされた。隣の部屋から妹の泣き叫ぶ声を聞きながら、自分も泣いた、その後毎日母や妹の鳴き声を聞いた、と語っていた(と思う、英語字幕だったので確証はないが)。


そんな話を聞いて、身の切られる思いがした。年を取っても決して癒やされることのない傷。肉体的にもひどい損傷を負わされた人たちもいた。一生苦しみ続けた。


慰安婦問題などなかったという発言は、それだけで、彼女たちの悔しさ悲しみを絶望に変える。この展示を東京で行った時、日本軍慰安婦というキャプションにとても怒って抗議してきた人がいた。その人は、売春婦のいうことを信じるのか?とムキになっていた。


日本人がそんなことをするわけがない、と言っていた。私はこういうことを言う男性が慰安婦を物として都合よく使ったに違いないと思った。無根拠な日本人優越思想が、アジアの開放を標榜し、しかし、その実西洋諸国に取って代わり支配者になることを目論み、他国民蔑視から、捕虜、市民の虐殺、略奪、レイプ、そして慰安婦調達と酷使を行った。日本はそういうことをした国で、未だに日本人優越を唱え被疑者の痛みに寄り添えずあまつさえ侮辱をする、その態度が、過去の行いを物語っていると思った。


というような思いが詰まった作品を、誰かが持って行ってしまった。自分でお金を払って買ってくれたのなら、大事にしてくれる。飽きてオークションに出される場合もあるが、また他の人が大事にしてくれる。


私の展覧会に、昔買った作品を持参されて(タイトルがわからなくなったのだとか)この絵は自分が生きている限り絶対売らない、私の宝物です、と言ってくださった方もいる。
大病を患って、そばに置いて見ていたいと言ってくださった方もいる。そういう人たちがアーチストの宝だと思う。


今一番悲しいのは、盗んで、飽きて、あるいは罪意識で、どこかに捨てられたしまうこと。捨てるくらいなら、戻してほしい。


ただの愚痴になりました。でもためておくともっと落ち込みそうなんで、もうどこかに消えてしまった、この作品の物語を書きました。


PVアクセスランキング にほんブログ村
ランキングに参加しています。宜しかったら、両方を
クリックしていただけると嬉しいです。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

にほんブログ村


人気ブログランキングへ