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表現の自由とは何か?これだ!!「ミスター・ゲイ・シリア」コンテスト「生き抜くには、笑いながら人生を楽しまなければ」

前に表現の自由について書いたのだが、この記事はまさに、表現の自由を守る戦いであり、人間が生きるとはどういうことかを伝えている。

シリア内戦から命からがらトルコへ逃れ難民生活を送っていた同性愛者の男性たちが昨年、「ミスター・ゲイ・シリア」コンテストを開催した。世界で一番魅力的なゲイ男性を決定する「ミスター・ゲイ・ワールド」へのシリア代表としての出場権を賭けた大会だ。


同性愛者に厳しいイスラム社会で、出場者たちがシリア難民としてではなく「ミスター・ゲイ・シリア優勝者」として世界大会開催地のヨーロッパを目指すドキュメンタリー映画が、世界で話題になっている。


なぜシリア難民がゲイ・コンテスト?
混乱の度合いを増すシリア内戦は、普通の市民でさえシリアでの暮らしは死と隣り合わせであろうことは想像に難しくないが、それが同性愛者となるとその恐怖は計り知れない。シリアの中央部と東部を掌握するISIS(自称イスラム国)は、これまで多くの同性愛者を、ビルから突き落として殺害するなど迫害してきた。またシリアでは同性愛が違法であるため、ISのこうした行為に限らず、同性愛者が嫌がらせを受けることが多いという。



そんな厳しい環境の中、なぜ「ミスター・ゲイ・シリア」を開催し、さらに映画まで制作することになったのだろうか?


ことの始まりは、トルコの首都イスタンブールのLGBT(性的マイノリティ)支援グループでの集まりだ。かつては自身もシリア難民で、現在は独ベルリンのLGBT支援センターで働くマフムード・ハシノ氏が、ここでヘアドレッサーのフセインさんやシェフのオマルさん、そしてウィサムさんなどと出会った。そこでハシノ氏が、「ミスター・ゲイ・ワールド」へのシリア代表者を決める「ミスター・ゲイ・シリア」をイスタンブールで主催することを思いついたのだ。トルコで偶然出会った映画制作者のアイシェ・トプラク氏が、大会までの様子をドキュメンタリーとして撮影した。


iNewsによるとコンテストの内容は、人権に関する筆記パートと、歌や芝居による自己アピールのパート、そしてコスチュームのパートで構成された。「ミスター・ゲイ・ワールド」では通常、民族衣装やブーメランパンツ(ビキニパンツ)で審査されるパートがあるのだが、ハシノ氏は外見的な美しさではなく、シリアでの同性愛者の苦境を世界に向けて発信してくれる人を「ミスター・ゲイ・シリア」で見つけたいと考えていたという。


同性愛者は避難先のトルコでも苦境に
ただし、映画では出演者はほぼ全員、顔と身元を隠している。彼らが暮らすのは、シリアと比べ同性愛者に寛容とされるトルコのイスタンブールだが、前述のiNewsによると、それでもゲイのシリア難民の生活は安全とはほど遠い。2011年の調査では、84パーセントのトルコ国民が「LGBTが隣人であって欲しくない」と回答したという。ゲイの権利を訴える祭典プライド・パレードはかつて、イスタンブールで10万人程度集めていたが、ここ2年ほどは政府により禁止され、抗議に集まった人と警察との衝突が起こっている。


さらに、トプラク氏がハリウッド・レポーターに明かした話によると、映画に登場した男性2人が、撮影終了後にヘイト・クライムで殺害されている。また、映画でゲイであることが家族にバレてしまったフセインさんは、父親から殺すと脅されているという。

命の危険があるのでかをの公表は出来ない。



「生き抜くには、笑いながら人生を楽しまなければ」
しかし映画は、そんな同性愛者の逆境や恐怖を中心に描いてはいない。トプラク氏が映画を制作した理由は、
「人生の逆境を乗り越えようとか人生をもっとよくしようという出演者たちの決意に感銘を受けたから。彼らは、楽しく笑いをもってそれをやってのけた。どんなことが起ころうと生き抜くんだ、という姿勢を教えてくれました」とハフィントンポストに語っている。


ガーディアンはさらに、「いつも泣いていたら、存在していないも同然」というハシノ氏の言葉とともに、トプラク氏の「こんな惨劇の中、一体誰がビューティ・コンテストなんて開催しようと思うんですか? 正気の沙汰じゃないですよ! でも実はこれが、(彼らにとって)生き残るすべなんですという思いを伝えた。トプラク氏によると、コンテストはお祭り的なイベントであると同時に、「生き抜くには、笑いながら人生を楽しまなければ」という演者の取り組みでもあるという。


作品は現在、ポストプロダクションの段階にあり、制作終了後には映画祭に出品される予定だ。アンタルヤ映画祭など複数の組織から、制作中の作品を対象とした助成金を得ているが、資金不足のため現在、クラウド・ファンディングにて資金調達を行っている。


過酷な状況、戦闘による命の危険、迫害による命の危険、そんな中で誰よりまっすぐに自分の生き方を表現することで生きる希望とする。
悲惨に取り憑かれてはいけないこと、社会制度に押された自己卑下に陥らないこと、彼らは教えている。凄惨な原野に咲いた尊い花です。是非ドキュメンタリーを見たい。
どうか無事に生き残って欲しい。


自分と違う人を排除したり、何も危害を加えていない人を、国籍や宗教で敵と期末毛迫害したり、自分たちの価値観、思想を押し付け、それを躾・教育と名付け、支配しようとする一部の人間のための社会、全体主義国家、独裁国、日本もそういう国になりつつある。個人の内心の自由が侵されない、プライバシーが守られる、個人の尊厳が保たれる、そういう社会を目指さなくてはならないと痛切に思う。



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