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トランプ政権イエメン軍事作戦、戦死兵士の未亡人を、演説会場に引き出す。

米軍がイエメンで行った過激派の掃討作戦で海軍特殊部隊の兵士が死亡したウィリアム・オーウェンズさんの父親が26日、米政権を批判し、息子が死亡した状況について調査を求める意向を明らかにした。
父のビル・オーウェンズさんがマイアミ・ヘラルド紙に、死亡した息子、ウィリアムの遺体がワシントン郊外のドーバー空軍基地に到着した時、ビルさんは、トランプ大統領が来て両親に弔意を示す意向だと伝えられたが、ビルさんは、大統領には会いたくないと告げたという。


ビルさんは昨年の大統領選挙でトランプ氏に投票していなかった。
自身も元兵士のビルさんはヘラルド紙の取材に対し、今回の作戦について「政権が誕生してから1週間もたっていなかったのに、なぜこの時期に、こんな馬鹿げた作戦を行わなければならなかったのか」と問い掛けている。


そしてこの事が公に伝わったためだろうか、今日のトランプの上下両院の合同本会議で初の施政方針演説の場に、夫を失ったばかりのウィリアムさんの夫人が列席、カメラは彼女の悲痛な表情をとても長くカメラが写してた。 彼女はどう説得されたこの場に立ったのか?それはわからないが、夫を亡くしてもトランプ大統領に忠誠を誓う、という絵のために連れてこられた感があり、痛々しかった。”みんなの前で英雄として持ち上げればいいだろう”というトランプならではの、人も心に共感しない無神経さに怒りを感じた。


加えて、この作戦がそれほどの成果もなく必要性もなく、情報も当初政権が主張していたような重要な情報は得られていなかったことが明らかになった。


内戦や飢餓で混乱が続くイエメン Khaled Abdullah-REUTERS 背景は壁画のようです。左隅に小さな男の子が描かれ、人物の影になり全部見えてないけれどピンクの文字、多分、なぜ私の父を殺したのか?と書かれている。アメリカへの抗議のメッセージだろう。


<今年1月29日、トランプ政権が初めて行った軍事作戦は、米軍兵士に死傷者が出てその意義を問われていたが、当初政権が主張していたような重要な情報は得られていなかったことが明らかになった>


米軍がイエメンで行った過激派組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」の掃討作戦でネイビーシールズ(海軍特殊部隊)の兵士が死亡した問題で、作戦では当初言われたような重要な情報は得られなかったことがわかった。安全保障当局者がNBCに語った。


この作戦はイエメン北部ベイダのガイファ地区で実施されたもので、トランプ大統領が承認した初めての軍事作戦。


【参考記事】イエメンでの対テロ作戦はトランプ政権の失点なのか


英NPOの調査報道協会(BIJ)によると、この作戦で犠牲になった民間人は少なくとも25人。うち9人は子供だという。また、特殊部隊のウィリアム・ライアン・オーウェンズ隊員も死亡した。


オーウェンズ隊員の父親ビル・オーウェンズは、地方紙マイアミ・ヘラルドに対し、「イエメンでの作戦行動はもう何年も空爆とドローン攻撃だけに限っていたのに、なぜ突然陸上作戦が承認されたか理解できない」と語った。


【参考記事】対イエメン軍事作戦終了を歓迎、政治解決が必要=イラン外相


この作戦についてある下院議員は、トランプ政権が地上部隊を派遣した理由が未だに説明されていないとしたうえで、AQAPによるアメリカへの新たな脅威が生じたとは認識していないと語った。


「アメリカを救う情報」とは
作戦についてブリーフィングを受けた政府高官によれば、これは「捕獲または殺害」作戦だったという。軍は当初、これを否定した。国防総省はこれを「情報収集」作戦と位置付けていたからだ。


共和党のジョン・マケイン上院軍事委員長がのちに、これは「捕獲または殺害」作戦だったと指摘すると、今度は国防総省も否定しなかったが、標的が誰かは明かさなかった。


ショーン・スパイサー報道官は今週月曜、ビル・オーウェンズの発言を取り上げ、シールズの犠牲は「英雄の死」と称し、「作戦を通じて入手した情報がアメリカを救うだろう」と言った。


この作戦による米軍の犠牲はオーウェンズ死亡のほか6人が負傷。7500万ドルのオスプレイが破壊された。


スパイサー報道官は、米国防総省がこの作戦について3件の調査を開始したと発表している。


イエメンでは内戦の混乱に乗じてテロ組織AQAPが勢力を拡大。アメリカは現地でAQAP掃討作戦を展開している。


こういう人の痛みのわからない最高司令官に命を握られている兵士は悲劇だ。
トランプは自分の根拠のない作戦により戦死した兵士は英雄で祭り上げても、イエメンの16人の民間の人々、9人の子供達、こういう人たちには言及もしない。
日本も他人事ではない。

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