密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

歴史修正主義啓蒙ホテルと、大新聞両論併記の保身

昨年日本で旅行に行った時にたまたま泊まってしまい、本当に気持ち悪い違和感で、こういう記事を書いた。まあ実名もなんだから、Aホテルと書いたけど。
やっぱり10年以上日本に住んでいないと、うっかりこういう所に泊まってしまう。有名ブラック企業で安倍支援者というから、今さらながら、ゲロゲロな気分だ。



二度と泊る気になれないなぁ、と思っていたが、やはり海外の旅行者から不快感が寄せられているという記事。でも朝日新聞がこういう書き方しかできなくなっているというのも、大きな問題だろうと思う。

日中戦争中の南京事件について否定的な書籍を客室に置くホテルに、中国で批判が相次いでいる。中国外務省が苦言を呈し、現地サイトで予約ができなくなる事態に。何が起きているのか。


 ホテルは、アパグループ(東京)が運営する「アパホテル」。米国人と中国人を名乗る2人が15日夕、客室に置いてあるという同グループの元谷外志雄(もとやとしお)代表の書籍「本当の日本の歴史 理論近現代史学Ⅱ」について、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」に批判的な動画を投稿した。書籍は当時の現地の人口を挙げ「南京大虐殺はあり得ないことだ」「被害者名簿は1人分も存在していない」などと記している。2人は「自分のホテルに自分の本を置いてもよいし、何を信じてもよい」としつつ、「ここに泊まれば、彼の懐にお金が入る。事実を知って泊まるかどうか決めてほしい」と呼びかけた。


”名乗るって”泊るまるときパスポート確認してるでしょ。こういう書き方も微妙に誘導的。中国人でも米国人でも、日本に興味を持っている人の中には、日本語が読める人もいる。日本語で、勝手に書いて日本人に、”日本人はひどいことしなかった”という歴史修正主義を広めるのは、勝手だが、なんとご丁寧に英文訳併記しているらしい。確信犯だ。



動画は18日夕までの3日間で9500万回以上再生され、中国メディアは「右翼ホテル」などと一斉に報道。ネット上では「会員カードを切り刻み、友人に泊まるなと伝えた」「日本旅行はよいが、このホテルには泊まらないで」などの書き込みが続く。中国外務省の華春瑩副報道局長は17日の会見で、中国紙の記者の質問に答える形で「日本の一部勢力が歴史を直視せず、ねじ曲げようとしている」と不満を表明。同日以降、「Ctrip」など中国の一部の予約サイトではアパホテルの予約ができなくなった。
予約ができなくなった?予約がなくなったのでは?
もしアメリカのホテルにオーナーの主張で、日本への原爆投下で死んだ市民は数えるほどだった、日本はデマを言っている、という著作が置かれたいたら、泊まりたいですか?
 
ログイン前の続き南京事件をめぐっては、中国政府が犠牲者数を「30万人」と主張する一方、日本の外務省は「非戦闘員の殺害や略奪は否定できないが、被害者数は諸説あり、どれが正しいか認定は困難」としている。
これ朝日新聞だよね?両論併記ですか? 中国政府対外務省の言い分、でも外務省の言い分が冷静のように受け取れる書き方。かつ資料のない曖昧な所説のある出来事のように書くのは、日本の研究者、国連の報告、当時の欧米諸国の証言者と彼らの撮影した映像写真があることには言及しない。そのことを当然知っている、責任ある新聞社としてどうかしてる。


アパグループは17日付で「日本には言論の自由が保証されており、一方的な圧力によって主張を撤回するようなことは許されてはならない」などとする見解をホームページに掲載した。取材に対して、客室に書籍を置く理由について「本当の日本の歴史を広く知っていただくため」と説明。国内155カ所のアパホテル約3万2千室に備えている書籍の回収などは考えていないという。


 「全日本シティホテル連盟」(東京)によると、客室に書籍を置くことについては「営業の自由」として特に制限は設けていない。聖書を置くホテルもある。ただ、連盟幹部や宿泊業界の専門誌を刊行する出版社などによると、不特定多数の人が泊まることに配慮し、主義主張を含んだ書物を置くのは珍しいという。


 日本国際ギデオン協会(東京)は1950年の創設以降、国内のホテルや病院、刑務所などに約4千万冊の聖書を贈っている。「手にとったおかげで自殺を思いとどまることができた」「友人とけんかをして心がささくれ立った夜、聖書を読んだ。仲直りのきっかけになった」など感謝の便りが届くこともあるという。


あのね、聖書と一緒にしないの!!聖書を持ち出すと、論旨がすごくずれてしまう。
馬鹿馬鹿しい、こういうわけのわからないまぜっかえしで問題点をぼかすのが、今のメディアの流行りなのか、あるいは保身?


聖書は信者に対しての教えを説いていて、求める者は聖書の言葉に救いを見出す。また他の宗教の信者は彼らの教義を信じ行う。それに聖書はデカデカと部屋に置いてない。だいたい引き出しの中に置いてあるし、大きいホテルは他の宗教の教義の本も置いてある。
毎日、教義の本を読むことを習慣としている人が持ち歩かなくていいようなサービスで、
積極的な啓蒙や布教のためではない。刑務所も、病院も救いを求める宗教の選択肢は用意されている、こんな例を出すなんて、公平中立どころか、印象操作でしょう。
もっと適切な例を宗教書に当てはめるなら、さしずめオームの教義を説いた本や麻原の著作を引き合いに出せばいい。


アメリカ南部でよく見かける、キリスト教原理主義の看板や、そういう本、過剰にキラキラのイエスの絵とか壁にかっているホテル(があるかは知らないが)に知らずにチャックインしてしまったら、キャンセルしてホテルを変える。正当な理由として受け入れられるだろう。


友人は町のレストランで、トランプ大好き、支持の張り紙を見て、食べずに店を出た。
 
2020年東京五輪・パラリンピックに向け、海外から多くの観光客の訪問が見込まれるなかでの今回の騒動。外国人観光客の旅行事情に詳しい広岡裕一・和歌山大教授(観光学)は「明らかに公序良俗に反するならともかく、ホテル側にも表現の自由、経営の自由がある。不快に思う人には泊まらないという選択肢もある。騒ぎすぎるのも良くないのではないか」と話す。
中国と米国の宿泊者たちも、そう言っている。「自分のホテルに自分の本を置いてもよいし、何を信じてもよい」としつつ、「ここに泊まれば、彼の懐にお金が入る。事実を知って泊まるかどうか決めてほしい」と呼びかけた。
つまり泊まらないという選択肢を広めるのは、彼らの当然の権利だし自由だ。ホテルのサービスが悪ければ口コミで客足は落ちる。部屋の環境が宿泊者の精神的な不快を煽るのであれば当然こういう口コミが広がるだろう。圧力でもなんでもない。逆にこれを圧力のなんのと言ってる方がお里が知れる。


中国人だけではない、日本の歴史修正主義に眉をひそめる欧米諸国の人たちにも、こういう選択肢の情報をシェアするべきかもしれない。


 
中国人観光客を受け入れる旅行会社(福岡市)の役員は「日本国内に歴史修正主義的な議論があることは中国人はよく知っている。『またか』と受け止めるのでは」。一方、ある大手旅行会社幹部は「中国の人たちが日本全体のおもてなし業界に不信感を持つことが心配だ」と話す。(延与光貞=北京、川口敦子、岩崎生之助)
日本側のこういう被害国の痛みへの軽い対応、経済効果のみ重視で、自らに信念も理念もない、忘れやすい国民性が、中国韓国との謝罪をめぐる、長い確執と平行線で和解に至らない原因の一因ではないだろうか?


ちなみに、アメリカで、Keep Calm and Carry On(平静を保ち、普段の生活を続けよ)とは、イギリス政府が第二次世界大戦の直前に、開戦した場合のパニックや戦局が悪化した場合の混乱に備えて作成した、国民の士気を維持するための宣伝ポスターの文言)
を捩って、"Keep Calm and Rape Her "  "Keep Calm and Beat Her"とプリントしたTシヤツを売り出した会社への批判がネットで拡散し、その会社の製品はまったく売れなくなり
は倒産した。経営者がTVインタビューで、何1000というアイデアをプリント生産してゆく過程で、デザインのチャックなどしていなかった、後悔していると述べていた。


”表現の自由”を守るアメリカは、しかし人間としての最低線の良識も健在だ。こうしたことへの、大多数の人々の反応は至極まともだ。表現の自由にも責任が付いて回る。


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