イギリスと日本のメディアはゴシップが大好き、という見方がある。
あっという間に流布された、トランプのロシアでの乱痴気騒ぎ動画の内容、アメリカでは
ご本家バズフィード以外は主要メディアは特にこの内容について報じていない。

”トランプの権威を恐れてメディア萎縮”なんて思っちゃいけない。アメリカメディアは報道倫理や品性に厳格なところがあるから、まだ不確かで、しかも紙面が汚れるような（かつ未成年が見聞きすべきではない）内容を封じるつもりはないのである。
ただ、次期大統領がロシアの傀儡となる要素を持つ関係が作られてきていたのかどうかは、重大問題で追及の手は緩まないだろうし、上院も超党派で大統領選でのロシアがらみの調査をすすめている。

というわけで、日刊ゲンダイのニュースで、内容を知ってゲロゲロにびっくりした私は、即Dさんに報告。アメリカメディアは？というと、その辺は全然報じてないということ。加えて、Dさん曰く
「トランプは”ケチ”なので、女性にお金を払ったりしない。多分ロシア側のセッティングなら喜んで乱痴気騒ぎを楽しむだろうけど」　
うーんこれは我が夫ながら、見事な慧眼。
それなら、話はよくわかる。　だってトランプはわざわざお金出さなくても、野心家の新人モデル・女優、そしてゴールドデッガー（黄金採掘者）と呼ばれる年のいった大金持ちとの結婚を目的とし、しのぎを削る美女たちが、より取り見取り、かつ、おバカTVショーにも噛んでいるのだから、騒ぎ方もはじけているだろう。わざわざ他国でお金を出してバカしなくてもいいわけだ。ただ、”彼の友人”の好意＝友情の証で、ロシアの美女たちをプレゼントされたのならまあ、断らないかな。

私のごとき普通の移民は、今回の大統領選に絡む一連の疑惑、調査がどこをゴールとしているのかは、もちろん全く見通せない。
もしトランプ陣営がロシアと通じていたら？FBIコミー長官がトランプに利する目的でヒラリーのメール調査を指示してのなら？ロシアハッキンギに対する大統領選への影響の度合は可視できるのか？そしてその結果、どうなる？　これから気をつけましょうね、なのか、前代未聞の大統領解任なんてことも起こるのか？そうしたら、悪辣右翼のペンスが大統領？これは国民納得しないだろう。選挙チーム自体がロシアと関与となれば、ペンスも含め一蓮托生？　そうなってほしいけど、そうなればアメリカの選挙制度自体が混乱する。国の機能がストップする。だからオバマ大統領もわざわざ、最後のスピーチで速やかな政権移行を提唱し、反対する人々をなだめもした。ともあれ、なにぶん前例のない事態なので、関係者全員（トランプを除く）は注意深く、実質的な混乱ダメージの極力回避、も考慮に入れることを進めてゆくだろう。

トランプの乱痴気パーティーはタブロイド紙に任せて（ニュースよりタブロイド誌常読の無垢でピュアなトランプファンの白人女性と、田舎の敬虔なクリスチャンの人々の夢を冷ますのに一役買ってくれるかもしれない）、もっと深刻なロシアの影響力がアメリカ政府内部に食い込んでいないか、行かないかの調査がなされてゆくだろう。

何度もいうが、日本の人たちは、トランプを買いかぶりすぎている。彼の発言に右往左往、予測や、深読み、も過剰である。　２日で、４つの違う意見を言うと言われるトランプは、単に熟考を苦手とし、我慢を苦手とする、多方面の立場、人の気持ちを配慮する想像力に欠け、また自己中心的でそういう回路いくつかがブッ飛んでいる人にすぎない。目立ちたがりで、サービス精神旺盛なエンターテイナーなのである。

日本も大変な局面に来ている。正直、トランプより、頭悪くて、陰湿にねちっこくって、狂信的な人が首相の座についている日本。批評家、メディア、有識者の方々も、トランプのことはいい加減にほっといて、自国の危機に集中することの方が重要だと思う。

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