密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

素朴な疑問、有識者の資格・誰の選定?

有識者、有識者と言うが、一体誰が彼らを有識者と認め選んでいるのか?
その実績と、彼らの有識に対する、公平性や、偏りのなさ、を誰が査定するのか?
有識者会議のメンバーは、それを必要とする、内閣、地方自治体が選ぶ、この制度自体本末転倒で、内閣や地方自治体の考えの後押し、国民に有識者を呼んだという言い訳、愚民たぶらかしの方策に堕しやすい。特に昨今の安倍政権のような国民の声無視、自分たちのいいように進めようとする独裁体制の政権においては、かつてのように有識者から学ぶという姿勢は皆無、いわゆる出来レースである。


特に国民の意思の届かないところ、密室の決定に力を貸す有識者会議は、もはや民主主義にとって百害あって一利なしの制度だ。国民は与党に全権委任しているわけではない。野党にも投票しているのだから、有識者の推薦も各政党から求めてしかるべきだし、有識者の経歴、選任理由、話し合いの過程などの透明性を上げるよう制度改正を考えなくてはいけないと思う。



天皇陛下の生前退位への雲行きがあやしい。来年特措法を成立させ、2018年に退位との見通しもあるが、有識者会議の議論が深まらない。


 天皇の生前退位などを議論する「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」が、大詰めを迎えている。専門家からのヒアリングで、対象者16人のうち11人から意見を聞いた。退位に賛成する専門家は11人中4人、「どちらとも言えない」は1人、一代限りで退位を認める特別措置法を容認する専門家は1人、条件付き容認2人に留まる。賛否だけで見れば、生前退位の実現に暗雲が漂う途中経過だ。


 もっとも会議の結論は、多数決では決まらないという。9月18日、安倍晋三首相は、有識者会議について「期限ありきではなく、静かにまずはさまざまな方々からお話をうかがいたい」と答えた。年明けにはこのヒアリング結果を受けて、有識者会議が論点整理を公表。それを国会に伝え、与野党で協議を開始する見通しだ。


 皇室制度に詳しい静岡福祉大学教授の小田部雄次氏は、専門家の構成に首をかしげる。


「退位や特措法の是非については、誰がどう答えるか想定済みのはずです。多数決ではないと言いますが、世論を顧みず、退位自体に否定的な意見を持つ人を多く入れている点は、疑問が残ります」


●ヒアリング外れて困惑


 政府の有識者会議は、有識者からまんべんなく意見を聞いたという「ガス抜き」装置との指摘もある。政府主導の会議であるがゆえ、メンバーの人選や議論のテーマに政治的な思惑も見え隠れする。


 ある学者は、本誌の取材に、自身も「有識者会議のヒアリング対象候補だった」と明らかにした。


「事前にアプローチがあり、七つのヒアリング項目についての答えも準備していました。質問自体に偏りは感じましたが、私なりの考えを申し述べるつもりでした」


 ところが、10月27日の有識者会議の2回目会合後、「メンバーから外れた」との連絡が入った。理由を尋ねると、「右から左まで参加者のバランスを取るため」と説明された。この学者は当初、ヒアリング対象の専門家は「20人」と聞いていたというから、4人ほどがバランスを取って「外れた」ことになる。


「本当に政府はやる気があるのか」と疑問視するのは、23年間にわたり宮内庁に勤務し、現在はBSジャパン「皇室の窓」の監修などを務める皇室ジャーナリスト・山下晋司氏だ。


「特措法をつくるにしても、クリアしなければならない課題は多い。『スピード感を持って』と言いながら、あえて結論を出さない議論を続け、陛下のご意思が確認できなくなり、摂政を置くほかなくなる『時間切れ』を待つつもりではないか。『生前退位については、引き続き慎重に検討していく』と言うだけで、結局何もしないのではないか」(山下氏)


●特措法が抱える問題


 議論の大きな柱となっている特措法自体に無理があるとの見方もある。


 政府が特措法での生前退位実現を目指すのは、皇室典範改正となると、議論が長期化し、法改正まで時間がかかると懸念したためだ。ある宮内庁関係者も、政府高官から「特措法をつくり、陛下一代限りの譲位を実現することが精いっぱいだろう」と言われたと明かす。


 だが、特措法による退位は違憲ではないかとの指摘も出ている。日本国憲法第2条には、「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」と書かれ、皇室典範第4条には、「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する」とあるからだ。


 11月30日には、憲法学者ら5人からのヒアリングが予定されているが、関西大学教授の高作正博氏は、「特措法による退位は、私個人の見解でも、容認はギリギリ。法学者からは『皇室典範の改正が本筋』との声があがるのでは」という。


 8月8日の天皇陛下の「お言葉」を受け、朝日新聞が9月に実施した世論調査では、91%の人が生前退位に「賛成」と答えた。そのうち、「今の天皇だけが退位できるようにするのがよい」としたのは17%で、「今後のすべての天皇も退位できるようにするのがよい」が76%を占めた。


 生前退位をめぐっては、陛下が6年以上前から、宮内庁参与を交えて多くの議論をしてきたことも明らかになっている。
 すでに70年前、今日のこうした事態を予測し、危惧していた人がいる。10月27日に100歳で逝去された昭和天皇の末弟、三笠宮崇仁さまだ。


 三笠宮さまは、旧憲法、旧皇室典範からの移行について「新憲法の精神に沿わぬところだけを変更した」側面が強いのではと懸念し、「今は一時的に糊塗(こと)出来ても将来必ず問題が起こる危険性を含んだ案」と指摘していた。


●三笠宮さまの危機感


 1946年11月3日の憲法公布と同じ日付が入っている「新憲法と皇室典範改正法案要綱(案)」(大阪府公文書館蔵)という手書きの文書がある。内容は、三笠宮さまが述べられたものとされる。この文書には、明快な論旨で、今日の皇室典範について疑問がつづられている。


「新憲法で基本的人権の高唱されているに拘(かかわ)らず(中略)国事国政については自己の意志を強行することも出来ないばかりでなく、許否権すらもない天皇に更に『死』以外に譲位の道を開かないことは新憲法第十八条の『何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない』という精神に反しはしないか?」


「天皇と内閣との間に意見が対立した時天皇はどうすればよいか? (中略)天皇に残された最後の手段は譲位か自殺である。天皇が聡明(そうめい)であり、良心的であり、責任観念が強ければ強いほどこの際の天皇の立場は到底第三者では想像のつかぬ程苦しいものとなろう」


 三笠宮さまは、天皇の役割についてこうも述べている。


「全国民の為否世界全人類の為にほんとうに役立つならどんな狭い籠の中でも我慢をせねばならぬのだ」


 前出の小田部氏は、


「現在の天皇も皇室も、こうした使命感によって支えられています。いまの政権はそれをあまりに軽視しているのではないでしょうか」と語る。


 有識者会議は70年前の三笠宮さまの問題提起より後退していないか──。陛下のご学友たちは、天皇の生前退位を巡る議論を心を痛めて見守っている。


●ご学友の焦りと不安


 学習院初等科から大学まで同級生だった眞田尚裕氏(83)は、陛下の健康を心配する。


「陛下は、年齢的には世間で言う引退する頃に現役になり、今もお忙しく働かれています。人と会われる際は、事前に入念に準備されます。元気でいられる時間は限られている。健康を第一に考えてほしい」


 初等科から高等科まで同級生だった明石元紹氏(82)は、政府の姿勢に、義憤を隠さない。


「なぜ、『公務の軽減』と『特措法』を前提に議論が進むのでしょう。お言葉の意味を本当に理解しているのか。陛下の真意とはかけ離れたところへ進んでいるのではないか。陛下は公務の軽減を望むとは、ひとことも言っておられません。年齢がある以上限界があると言っておられる。人間が天皇をやる以上、当たり前のことです」


 学習院中等科で同級の織田正雄氏(82)は、しみじみとこう語った。


「陛下は、若い頃から1億の日本国民すべてに公平であらなければならないと繰り返し言っておられた。8月のお言葉は、誰の迷惑にもならないよう、熟慮に熟慮を重ねてまとめられた、実に陛下らしいものでした。そのなかで、陛下が強調されていた『摂政では憲法の定める天皇のあり方を全うできない』ということを、どれだけくんでいただけるのか。正しい判断をしてくださることを願っています」


 親しき友の言葉は重い。(編集部・熊澤志保)


※AERA 2016年12月5日号


特に国民のほとんどが、天皇の生前退位を受け入れたいと思っているのに、政権与党と、有識者なる人々で、全く違う方向に決められるのであれば、まさにトップダウンの愚民統制、独裁である。我々国民はもっと政権の国民愚民扱いに、危機感をと怒りを持って、臨まなければならないと思う。

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