密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

ファイナルディベート、狂犬トランプ最後の咆哮

アメリカ大統領候補のファイナルディベートがたった今終わった。


今、各局がsれぞれの意見を展開し、侃侃諤諤の大騒ぎなのだが、前回、前々回と、トランプは失笑を買うほどのみっともなさを示し、今回はもう後がないということか、死に物狂いの暴力的ディベート・とはもはや微塵も言い難い、民主主義のルールも、他人を尊重する態度も、論理的な展開も、根拠の提示も一切行わず、何事もヒラリーとオバマ氏のネトヨウレベルのデマと、自己発言(ビデオの残っているにもかかわらず)の否定、キャッチコピーでしかない公約(こうする、こう思う、を繰り返すが、どのようにして、何を根拠にを一切言わない)を繰り返し、ヒラリーの発言を『違う!!違う!!』と大声でマイクを持って何度も遮り聞こえなくするなどの妨害。


途中で彼女に対して、「この、、、人物」と指差し、明らかにこの時は「この女」という言葉を水際で飲み込んだようだが、最後には「なんて嫌な女だ!!」「お前の夫は、そう思ってないさ」など大統領候補はもとより、アメリカの公式の席で発言する人間の最低線を踏み外し、ラテン系やアフリカ系のような教育の無い貧しいものもサポートする、などと差別意識丸出しの発言をし、司会者に噛みつき、マイクを握り大声で全ての発言を遮った。


ヒラリーは笑顔で受け答えに心がけていたが、人工中絶問題には、今までの大統領候補に無いほどはっきりと姿勢を打ち出し、子供殺しは許せないというステレオタイプのいい加減なトランプの発言に、出産・堕胎の選択は女性の人生を大きく左右し、それを選択する女性に取っても側がとやかく言うより、真剣な痛みを伴う決断であり、それを国が立ち入って影響するべきではない。この決断は当事女性に委ねられるべきことだとはっきり主張した。
この姿勢は、時に命に関わる(政治生命と実際の生命を危険に晒す)が、彼女が長い政治活動で女性の権利に真剣に向き合い関わり続けたゆえ強い説得力が感じられた。銃規制もはっきりと規制強化に言及し、子供たちの人生の安全を第一に考えることを訴え、トランプのロビーになったライフル協会ときっぱり対決姿勢を打ち出した。


経済は、企業、裕福層からの増税 トリクルダウンはステロイド剤と同じときって捨てた。


「30年の政治キャリアで何もできなかった、何をしてきたんだ、」というトランプは浅薄な揚げ足取り的批判を受けて立ち、「1970年代、私は児童防衛基金のためにはたらき、学校におけるアフリカ系米国人の人種差別に取り組んでいた。トランプ氏はアパートでの人種差別に関連して司法省から提訴された」と指摘。「1980年代、私はアーカンソー州で学校の改革を進めていた。トランプ氏は父親から1400万ドルを借りて事業を始めた。1990年代、私は北京を訪問し、女性の権利は人間の権利だと述べた。トランプ氏は元ミス・ユニバースのアリシア・マチャド氏を侮辱し、彼女を食べる機械だと述べた」などと切り返し、トランプを見事にペチャンコにした。


これがヒラリーの本領、と私は思っていたし、そこが好きだったのだが、今回は彼女の別の顔が見え隠れした。それは悲しみを抱えた激しい怒り。トランプが繰り出す、ただの質の悪い男性特有の無根拠の侮辱、言葉の暴力に対するもので、そのような環境で大統領選のディベートをしている、この劣化を悲しみ。こんな低劣な人間にキャリアを不当に追訴されることへの憤りを抑えているような場面が何度もあった。


この彼女の表情を見ていると、彼女が若い頃からまっすぐに人々のために政治を志した純粋で真面目な人であったであろうことが垣間見え、またそのキャリアの中で常にトランプのようなバカな男性至上主義者に不当に攻撃され(しかしもちろんどこかの大臣みたいにベソをかいたりしない)、それを打ち崩してきただろう歴史が去来する。それでも心の奥は嫌な思いが募ることもあり、痛みを抱えていただろうこと(これは私の思い入れだけど)を考えさせられた。今までのヒラリーの有能に裏打ちされた不敵な強さに隠れた、孤独、純粋さ、人の痛みの分かる優しさ、この人は合衆国大統領にふさわしい、と思った。


多くの女性が、同じように感じ、トランプの恥知らずの暴力に憤ったことだろう。
MSNBC局の名物キャスター レイチェル・メドーも、怒りを抑えきれない表情でコメントに臨んだ。共和党寄りのフォックスニュースのFOX Newsの辣腕美人アンカー、メーギン・ケリーも、トランプの『なんて嫌な女』発言を問題視していた。


トランプは最後に司会者が、この選挙の結果をきちんと受け入れますか?という最後の質問に、またベラベラと大声で関係ないことを言って答えなかった。
これは今多くの良識あるアメリカ人が危惧しているトランプの問題で、彼は、自分が選ばれなかった場合、難癖をつけてトランプサポーターに暴動を起こさせるような発言をちょこちょこ行っているのだ。銃規制にかこつけ、「暴動が起こりやすいシカゴはオバマ大統領の地元である」というような話し方をする。明らかにオバマ大統領の地元でも暴動のアイデアを提供している。これは多くのリベラル局コメンテーターが危機感を持って語っていた。こんな狂犬をここまで大きなフィールドに解き放った共和党の責任は重い。


マッケイン上院議員、ブッシュ(父)元大統領などがはっきりヒラリーに投票を表明している。何の中身のないトランプのキャッチコピー的煽りに飛びつくアメリカ人いることは確かだが、多くのアメリカ人のデモクラシーのセンスと人間に対する公正さを信じている。
CNN.co.jp : 第3回討論会 クリントン氏勝利が52%、トランプ氏の39%上回る


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