密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

マハトマ・ガンディー『非暴力の抵抗』の現在日本への啓示

ブログ”読む・考える・書く”さんの記事を読んで、小林よしのりさんはさておき、取り上げられた、マハトマ・ガンディーの大戦下の日本論評ではありますが、現在に対する啓示とも思える内容であると思い、転載:今の日本へに啓示を感じる部分をご紹介します。
そして、日本の戦争はアジアの解放のため、アジア諸国は歓迎感謝していたという、独りよがりの歴史修正主義を見直すために、ぜひ全文もお読みください。

『ハリジャン』紙に掲載された有名な論評「すべての日本人に」より
最初にわたしは、あなたがた日本人に悪意をもっているわけではありませんが、あなたがたが中国に加えている攻撃を極度にきらっていることを、はっきり申し上げておかなければなりません。あなたがたは、崇高な高みから帝国主義的な野望にまで堕してしまわれたのです。あなたがたはその野心の実現に失敗し、ただアジア解体の張本人になり果てるかもしれません。かくして、
知らず知らずのうちに、あなたがたは世界連邦と兄弟愛――それらなくしては、人類に希望はありえないのですが――を妨げることになるでしょう。
(略)
 わたしにはどうしても理由のないものに思われるあなたがたの中国に対する攻撃のことや、報道が信頼できるなら、あの偉大な古い歴史をもつ国土をあなたがたが無慈悲にも蹂躙していることを思うたびに、わたしは深い悲しみをおぼえます。
 世界の列強と肩を並べたいというのは、あなたがたのりっぱな野望でありました。けれども、あなたがたの中国に対する侵略や枢軸国との同盟は、たしかに、そうした野心が昂じた不当な逸脱だったのです。
 
その国の古典文芸をあなたがたが摂取されてきた、あの偉大な古い国の民族があなたがたの隣人であるという事実に、あなたがたが誇りを感じていられるものとばかり思っていました。お互いの歴史・伝統・文芸を理解し合うことは、あなたがた両国民を友人として結びつけこそすれ、今日のように敵同志にするはずはありません。
 もしわたしが自由な身であったなら、そして貴国を訪れることが許されますなら、わたしの体力は弱ってはいますが、わが身の健康を、いや生命をも賭してあなたがたの国に赴き、あなたがたが中国に対して、世界に対して、ひいてはあなたがた自身に対して行なっている罪悪をやめるよう懇願するでありましょう。
(略)
 
もしわたしたちがそれを実行に移さなければ、わたしたちは、非暴力こそ軍国主義精神や野心の唯一つの解毒剤であることを信じていながら、世界の軍国主義化をただ傍観しているだけの卑怯者になり果てるでありましょう。


『ハリジャン』紙に掲載された論評「非暴力の抵抗」より
日本軍がわれわれの戸口にまで迫って来ている。非暴力の手段をもって、われわれは何をなすべきだろうか?(略)非暴力の抵抗者は、彼らにどんな援助をも、水さえも与えることを拒否するだろう。なぜなら、他人が自分の国を盗むのを手伝う義務はいっさいないのだから。けれども、もし一人の日本兵が道に迷い、渇きのために死にそうになって、一人の人間として助けを求めるならば、いかなる者をも敵とみなすことのない非暴力の抵抗者は、渇ける者に水を与えるだろう。いっぽう、もし日本軍が水を与えよと強要するならば、抵抗者たちはあくまでも抵抗して死ぬにちがいない。


侵略者の前にひざまずくことはないだろう。彼らは甘い約束事にだまされるようなことはないだろう。


どんな環境のもとでも、非暴力のみが人間に正義をなさしめるものであることを、彼らは信じている。それゆえに、十分な数の同志が得られないために、非暴力の抵抗者たちが目的を達成できなくとも、彼らはその道を放棄することなく、ひたすら死に至るまで追求するだろう。


今の私たちにはこの強さと崇高さが必要だ。

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