密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

本当に選挙前?あまりに少ないTV報道

本当にあと6日で国政選挙の投票日なのだろうか?
NHKを見ても、選挙の”せ”の字ない。地方の野党共闘はどうなっているのか?
英国EU離脱後の、年金の損失に対する追及も、官邸の危機管理も、何にもなし。
これでは、選挙があることさえ忘れてしまいそうだ。


今回の選挙は、日本の今後の方向性を決めてしまいかねない大事な選挙。もっと報道して国民の関心を高めてしかるべきだろう。新聞もテレビも、先月22日の公示直後こそ大きく扱っていたものの、その後、新聞は英国のEU離脱問題に大きく紙面を割き、参院選は地域面で候補者のインタビュー記事を載せる程度。テレビに至っては、どの局も東京都知事選の候補者選び、バングラデシュの邦人を巻き込んだテロの報道、ご遺族への政府の(当然の)特別な計らい報じられはするものの(安田純平さんはどう対応しているのか?)、国政選挙である参院選報道はピタリ消えてしまった。
そもそも今回の参院選は、与野党の党首が集うテレビ討論会が公示後は1回しかない。13年の参院選は、NHKなど党首討論を開いた在京5局のうち、4局が公示後に実施していたから、今回は“異常事態”というべきだ。


■政府・与党が求める「政治的公平」とは言い分のタレ流し


 なぜ、テレビの参院選報道がこんな状況になっているのかといえば、答えは簡単だ。安倍政権の“恫喝”に屈したからだ。14年の衆院選前、TBSのニュース番組に出演した安倍首相は、街頭インタビューの編集が偏っている――とイチャモンを付け、番組中に「おかしい」と激高。その後、自民党は在京6社に選挙報道の「公平中立」を求める文書を送った。今年2月には高市総務相が放送法4条の「政治的公平」を根拠に放送局の電波停止を命じる可能性を示唆している。一連の経緯を見てきたTBS「報道特集」の金平茂紀キャスターは、都内のシンポジウムで「参院選報道に対する公正公平、中立の要請といった形で、政権や官庁からの介入に十分注意しなければならない。(放送局が)先取りして忖度し、選挙報道について自主規制する動きが出てきたりするのでは、と身をもって感じています」と訴えていたが、まさにこの懸念が的中する展開となっているのだ。


日本の報道が積極的な官邸のお先棒担ぎ、情報、印象操作に完全に与していることは明白だ。こんなに簡単に権力支配が空気感染する国は、日本くらいだろう。
日刊ゲンダイの記事で、危機感を再確認すべく、転載します。


「テレビは一応、選挙区事情などを報じているが、単なるアリバイ作りの番組ばかり。選挙の争点や政策を分析するような本腰を入れた番組はほとんど見られません。本来は各党の政策や主張が鮮明になる党首討論を積極的に開くべきです。きちんとした判断材料を有権者に示せないまま選挙結果が出た時、果たしてそれが熟議に基づく選択――と報じることができるのでしょうか。投票後の開票速報ばかりに力を入れる報道姿勢にはあらためて疑問を感じます」<東大名誉教授の醍醐聰氏>



安倍首相が遊説で連呼する「アベノミクス」自画自賛の数字はインチキだ


「雇用は3年間で110万人分を生み出し、有効求人倍率は24年ぶりの高水準。パートの時給も過去最高」――。全国遊説で安倍首相が必ず口にしているのが、この「アベノミクス自画自賛」の決まり文句だ。


 だが、本紙が繰り返し指摘している通り、雇用の中身は正規を36万人減らし、身分が不安定な非正規を167万人増やしただけ。1日公表された有効求人倍率も正規は0.87倍だ。だいたい、24年前の生産年齢人口(15~64歳)から今は約1000万人も減っているのだ。人口が減れば雇用指標が押し上げられるのは当然で、しょせんは「都合のいい数字」を切り張りしただけの“インチキ”である。


 雇用が回復し、時給も右肩上がりなら、なぜ、実質賃金が5年連続でマイナスなのか。総務省発表の家計調査でも、5月の1世帯当たり(2人以上)の消費支出は28万1827円で前年同月比1.1%減。2月にうるう年の影響でいったんプラスになったことを除けば、9カ月連続のマイナスだ。「2年で2%の物価上昇」を目指した日銀の異次元緩和も、きのう公表された5月の消費者物価指数は前年同月比0.4%減で、異次元緩和に踏み切った13年4月以来の下げ幅に逆戻りした。安倍がバカの一つ覚えのように「サイコー!」と連呼したところで「アベノミクス」の失敗は歴然。だからこそ、新聞各紙の世論調査でも6~7割が「アベノミクスを評価せず、見直すべき」と答えているのだ。



■テレビは安倍政権の「争点隠し」に加担


 いくら安倍政権に首根っこを押さえられたテレビだって、こういう客観的な数字を示して「アベノミクス」を徹底検証すればいいのに何もしない。そもそも「アベノミクス」とは、日銀の尻を叩いて市場をカネでじゃぶじゃぶにして「円安」を誘導。輸出を増やして儲かった大企業が下請けの中小企業にカネを滴り落とす(トリクルダウン)――というシナリオだったはずだ。確かにドル円相場は15年6月5日に13年ぶりに1ドル125円台となり、大企業は大儲けしたが、30兆円近いカネが内部留保に回っただけ。中小企業には何ら恩恵がなく、そうしたら年明けから円高、株安が進行。英国のEU離脱の影響もあって最近は1ドル100円近辺で推移している。国民からすれば、もはや失敗した「アベノミクス」のマヤカシ数字は論外。大事なのは「この道しかない」ではなく、「これからの道はどうするの?」だ。しかし、安倍の口からは何も語られない。党首討論もないから、不透明のままだ。



「安倍首相は、あらかじめ質問が決まっていて、自分の言いたいことを好きなだけ話すことができるインタビューを好む傾向にある。だから党首討論を避けるのでしょう。『アベノミクスは成功』と言うなら、正々堂々と野党と議論すればいいのに、突っ込まれると答えられないから逃げているのです。仮に与党が選挙に勝ったとしても、首相がこういう態度で信任を得たと言えるのか」(醍醐聰氏=前出)


 党首討論でアベノミクスの失敗を指摘されれば「火ダルマ」になるのは目に見えている。だから、安倍は党首討論を避けて「争点隠し」に走っている。そんな卑怯な安倍を密かに支えているのが今のテレビなのだ。


「参院選で与党が勝利すれば、安倍首相は一気呵成に『憲法改正』に動く。今回の結果は、日本が平和憲法を守るために踏みとどまれるのか、それとも戦争に突き進むことになるのか、重要な国政選挙です。だからこそ、メディアはこれまで以上にきちんと報道しないといけない。ところが、テレビは安倍政権の片棒を担ぎ、『争点隠し』に加担している。このままだと投票率は下がり、安倍政権の思うがままです」(政治評論家・本澤二郎氏)


『最低の犯罪者とは、間違ったものを目にし、それが間違っていることに気付いていたにもかかわらず、そこから目を背けてしまう人たち」


 今年4月に来日公演を開いた米国の伝説的ロック歌手、ボブ・ディランの有名なセリフだが、この言葉は今の日本のテレビ局にソックリ当てはまる。


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