下院、同性婚の保護法案を可決「連邦政府はあなたが最愛の人と結婚する方法で二度と邪魔をしない」

2022/12/10 01:47

久方の嬉しいニュース。下院で同性婚の保護法案を可決され、バイデン氏の署名を持って、成立する。

ＣＮＮ）米下院は８日、同性婚や異人種間の婚姻を保護する「婚姻尊重法案」を賛成多数で可決した。今後法案はバイデン大統領の署名で成立する。
採決の結果は２５８対１６９で、共和党から３９人が賛成に回った。可決後、議場には大きな拍手が沸き起こった。
同法案はすべての州に同性婚の合法化を求めるものではないが、各州は別の州における合法的な婚姻を認める義務が生じる。

今年６月に最高裁が連邦憲法上の人工妊娠中絶の権利を認めた判例を覆して以降、多数派の保守系判事が次は同性婚に狙いを定めるのではないかとの懸念が持ち上がり、連邦レベルでの同性婚保護法案成立の機運が強まった。

法案は先週、上院を６１対３６で通過。民主党会派は全員賛成、共和党からも１２人が賛成した。
同法が成立しても、最高裁が同性婚を合法化した２０１５年の「オバーゲフェル対ホッジス判決」を覆した場合、各州は同性婚を禁止する法律を作れる。ただ、他州での有効な同性婚は認める義務を負うこととなる。

民主党のペロシ下院議長は米紙ワシントン・ポストに寄せた論説記事で「私のキャリアはＬＧＢＴＱ（性的少数者）社会のために闘うことから始まったので、議長として最後に署名する法案の一つが婚姻尊重法であることに感極まっている。連邦政府はあなたが最愛の人と結婚する方法で二度と邪魔をしない」と述べた。
バイデン氏は上院での法案可決時に、下院で可決されれば「すぐに、誇りを持って署名し成立させる」と発言した。
最高裁は現在、ＬＧＢＴＱの権利と信教の自由が論点となっている訴訟を検討している。同訴訟では、ネット上でウェディング事業を手がけようとするグラフィックデザイナーが、同性婚のカップルと仕事をしたくないと主張。一部の保守系判事がこれに同調的な姿勢を示している。
こうした判事らは言論の自由の観点を重視し、芸術家などカスタマイズされた製品を作る人物は、自分の信念に反するメッセージの表明を政府に強要されてはならないとの考えを示唆している。

トランプ政権下あの手この手で、最高裁判事を３人も選出し、最高裁の保守化に成功し、ついに悲願の堕胎の権利を認める判例を覆し、多くの赤い州で大混乱が起きた。この結果保守派の人々にも反発が広がり、共和党離れに繋がった。保守派最高裁の次なるターゲットは同性婚、民主党＋穏健派共和党は先手を打った。

最近、夫ポール氏が暴漢に襲われ瀕死の重傷を負ったナンシーペロシ議長。アメリカ合衆国史上初の女性の下院議長で在任は1987年６月から現在に至るが、下院民主党トップの座を
退任することを発表していた。その最後の仕事がこの法案通過。ペロシ議長の嬉しそうな顔。まだチェックメイトではないが、保守派最高裁、次なる野望の阻止。

日本でも、時々極右の人が使う、言論（表現）の自由
『言論の自由の観点を重視し、芸術家などカスタマイズされた製品を作る人物は、自分の信念に反するメッセージの表明を政府に強要されてはならないとの考えを示唆”』

何を心の中で思おうと自由だが、それを社会に発信、相手への批判攻撃となると、相手の生存権の侵害となるのではないか？相手の自由を、自分が不快だからやめろ、というのは、言論（表現）の自由で擁護されるべきものではない。

いつも単純に思うのだが、人は人、自分は自分、利害の対立があれば、話し合いが必要。
だから、堕胎にし路、同性婚にしろ、性的指向にしろ、他人とやかくいうことではないだろう。胎児殺しに敏感でギャアギャアいうが、生まれてきた子供の貧困、差別ベースのリンチ、戦場に連れ出して殺すことはどうでもいい、という共和党。

みんなが自分と同じ考えで動いて欲しい、というのはただ人を支配したい欲求、支配する側に居たい欲求でしかない。話題の杉田水脈議員を見ているとよくわかる。そして支配したい側のポストのためイヤイヤ意見を改めるふりまでする。そもそもこの人にそこまでの信念や思想があるとは思えず、ある時点でたまたま突出して受けのいいことを言い、祭り上げてもらえ、彼女の承認欲求が満足したので、やめられなくなっている風である。

力技の大きなお世話、これが右派のおっさんグループとそのチアリーダーの態度だ。
個人の選択を認めることに何の問題がある？その理由が言えないので、国家だの神だの持ち出すしかない。自分の意に反する人々を押さえつけたいだけだ。

イランでの、ヒージブをめぐる道徳警察の女性への暴力ー致死から始まったプロテストは大きな反政府デモの発展し、反政府デモに参加して有罪判決を受けた男性1人の死刑が執行された。モフセン・シェカリ氏は9月に首都テヘランの主要道路を封鎖し、準軍事組織のメンバーをなた負傷させた「暴徒」だとして、革命裁判所で「モハーレベ」（神への敵意）の罪で有罪判決を受けていた。国家が国民より権力を持つと、こういうことができてしまう。

杉田氏は、日本の女性差別は命に関わることはない」などとふざけたことを言って避難を浴びたが、さしずめイランのことでも言っているんだろう。イランでも、インドでも、女性の扱いは酷いを通り越して凄惨である。しかしそういう国に軸足を置いて政治家が日本マシだというのは完全に思考停止状態・馬鹿丸出しだ。国が迫害を行うのはもってのほかだが、個人や組織の迫害は日本でもある。先進国中日本の女性に対する差別意識は群を抜いて高い。

『連邦政府はあなたが最愛の人と結婚する方法で二度と邪魔をしない』こう宣言したペロシ議長の気持ちなど、全く理解できないへっぽこ政治家が山ほどいる。