密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

ウクライナの女性・ロシア兵士・ひまわりの種

ウクライナ情勢を巡って、日本は一億総評論家・分析家。愛国ブームで戦争礼賛発言のバカ国会議員が騒ぐ。彼らの親分の国会内歴史戦を考える会(?!!)での記憶力なし恥知らず演説に呆れ返った+はらわたが煮えくり返った国民も多いだろう。


血湧き肉躍る、想像力逞しい日本の人々に、このウクライナでの、市民女性とロシア兵のやりとりの記事(ビデオ)を見てほしい。

ウクライナの女性、機関銃持つロシア兵に「何しに来たの」と詰問
2022年2月26日
ウクライナ南部ヘルソン州ヘニチェスクで24日、武装したロシア兵の前に地元の女性が立ちはだかり、「あなた誰、何しに来たの」と詰問する様子が撮影された。
兵士は「話をしても無意味だ。事態をこれ以上悪くしたくない」と繰り返した。女性はロシア兵に、「(ヒマワリの)種をポケットに持っていってよ」と何度か促した。兵士たちが死ねばそこからヒマワリが生えるからとも述べた。
ヒマワリはウクライナの国花とも言われる。


動画をぜひ見てほしい。この女性は、怯えていない。ロシアの兵士に、同じ人間として怒りをぶつける。ロシア兵士は、公務員のように、答える。彼らは、自分たちの任務は状況を悪くしないための行動だと教えられ、信じ込もうとしている(本当はそう思っていなくても)
だから抗議する彼女に暴力を振るったり、銃で威嚇したりしていない(総じて現代の西洋社会は、女性に優しいし。公共の場では丁寧な扱いを心がけるのが正しいことだと思っている。)彼女の怒りは、もっともだ、時として近所のバカな若者には向き合うように話している。兵士は、彼女の怒りに逆らってはいない。母親や恋人の叱責を受け止めているようだ。申し訳なささえ感じているようだ。


ひまわりの種をポケットの入れて持って行きなさい。あなたが死んだらそこに花が咲くように。ウクライナの花・ひまわりが。
危機に直面し、怒りに胸が張り裂ける中、こんな詩的な表現を行う。これは民族性か?


ベラルーシのジャーナリストで作家のスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチの『戦争は女の顔をしていない』『チェルノブイリの祈り』を読んだ時、そのインタビューに答える市井の人々の表現・言葉の美しさに感動した。言葉が、悲しみと哀惜のタペストリーのようだった。(翻訳家次第なのかもしれないが、きっと翻訳者はその美しさを伝えようと努力したのだろうことが感じられる)美しく情緒的な時にはロマンチックとさえ言える言葉を、悲しみや恐怖や嫌悪の混じる追憶で紡ぐ。悲しい音楽のようでもある。そういえば「罪と罰」の、娘を売り飛ばしたある男の、卑怯な滔々と続く自己憐憫さえ、音楽的に聞こえた。この時も、こう言うものが民族性というのかと感じた。同じ文化地域のウクライナもそうなのだろうか。


この話を伝えたかったのは、彼女が勇敢だとか、ロシア兵が酷いとかそんなことではなく、日本人にはわからない、ロシア・ベラルーシ・ウクライナの人々の皮膚感覚があると思ったからだ。ロシアは、反戦デモも拡大しているし、兵士たちの心に憎しみベースの愛国心が広がっているわけでもないのかもしれない。


ウクライナの現状を、ここぞとばかりに、自国の防衛強化、戦争準備、戦いの機運に結びつけ、がなりたてる日本の人々の言葉は、美しくない。勇ましさも演技じみて空々しく、その上、自己の過去発言の記憶もなく、整合性も論理性もなく、漢字も満足に読めないような人が何度もしゃしゃり出る。こんな輩に扇動を許すなら、自分本位の権力による支配・差別の横行のする、暴力と恐怖で支配する社会になる。


戦いの終わった後に咲く向日葵を願うウクライナ。でも日本は、ただ自国の暴走によって散った桜の花と、踏み潰されて泥にまみれた白い菊の花が、再び国土を覆うだろう。


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