密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

旭川いじめ事件:教育者が変質している。

北海道旭川市で中学生女子がいじめを苦にして失踪、公園で凍死体で見つかったという事件
いじめの内容が、個人の尊厳をめちゃくちゃにする性的強要が繰り返し行われていた凄惨な事件なのだが、その中で、異様に感じたのが、学校側が、被害者の母親に対して発した言葉だ。


「『これは単なる悪ふざけ、いたずらの延長だったんだから、もうこれ以上何を望んでいるんですか』っていうことをずっと繰り返し言われました。それでもう泣くことしかできなくて、そこで本当に『じゃあ娘の記憶を消してください』って言ったら、(教頭から)『頭おかしくなっちゃったんですか、病院に行ったほうがいいですよ』って言われました。じゃあ何をされたらいじめなんですかねっていうのは、思ってますね」


10人の加害者の未来と、1人の被害者の未来、どっちが大切ですか。10人ですよ。1人のために10人の未来をつぶしていいんですか。どっちが将来の日本のためになりますか。もう一度、冷静に考えてみてください」
しかし問題の中学校は、教師が母親に対し、脅しやおかしな理論で、母親を説得(論破)しようとしている。弁護士の同席を承諾しなかったことも、母親一人なら、丸め込める、なかったことにさせる、と考えていたように思える。


教頭が述べた『10人の加害者の未来と、1人の被害者の未来、どっちが大切ですか。10人ですよ。1人のために10人の未来をつぶしていいんですか。どっちが将来の日本のためになりますか』こういう価値観の人間が教育現場のトップにいることが信じられない。
「人の生命は地球より重い」と福田赳夫首相いった(ダッカハイジャック事件)
教頭先生の、”どっちが将来の日本のためになりますか”という価値観は、戦前の日本の教育を思い起こされる。いや、もう一部の教員は、政府が掲げる歴史修正主義や、修身・道徳教育に侵されているのかもしれない。
「『誰が画像を持ってるか分からない、みんなが持っているかもしれないという状況で、学校に通うというのはとても怖くてできないと思う』って言ったんですけど、『怖くないです。僕なら怖くないですよ』ってことを言われて、『僕は男性なので、その気持ちは分かりません』」
非常に脳みそマッチョな教頭先生だ。この発言も、大したことないでしょうと、騒げは迷惑的なソフト恫喝。男性優位主義、お母さんを女だと思って舐めている感じがしてしまう。
どこからいじめかわからない、ただの悪ふざけ、と捉えて矮小化を狙う。
校長先生もさらに強気で、全否定


被害者の少女廣瀬爽彩さんは、絵を描くのが好きだった。きっちり内省して積み上げるように描く。言葉にならない言葉が溢れるように、彼女の中で彼女の論理性が彼女の情緒を埋め尽くしてゆく

追い詰められた状態で、これだけの絵を描くことができたのか?
とても才能がある、訴える力がある、絵を描くことが支えだった?


この作品は、本当に見ていて辛い。彼女の苦しみの感情が押し寄せてくる。


彼女を追い詰めたグループの子供達、誰も主導した自覚がなく、傍観者であり、見たくなかったという子もいる。中心の女の子は、爽彩さんに対し、彼女の倫理観?からの怒りを発している。爽彩さんが死ぬ、といったことが、小学生もいる前で、出来のしないことを言う、と言う怒りを持っていた。後輩の手本?になる上級生意識。
彼女は反抗的態度を崩さないので、ネットバッシングに晒されているようだ。思春期の子供たちは、集団で閉鎖的に社会を形成しがちだ。その社会は時に歯止めがなく暴走する。いじめた子たちは面白半分、支配側にいることの興奮、誰もやめようとは言い出せない。この状態を察知して、適切に介入していくことが、学校教育に求められる。
学校教育は、日本の将来のためになる人間を作ることではなく、一人一人に、自分の存在を肯定し、生きてゆくすべを共に考えることだろうと思う。そう努力したい教師もたくさんいるだろう。教師をしている友人は、子供達が本を読まないことが、想像力共感力のなさの原因で、本を読めといつも言っているそうだ。


しかし、今は昔のように教師を尊敬し一段上に置く、ということが廃れ、教師を使用人と捉え、高圧的に要求や批判を行うもモンスターペアレンツなどと呼ばれる人たちが現れ、教師はプライベートの時間を削り過剰労働、しかも非正規教員の不安定な待遇が問題化している。真面目な先生こそ追い詰められる。


安倍政権の毒が、教育現場にも回り始めている。10人のために1人を死なせることが正当化される国。弱いものは邪魔だ。生産性のない人間はいらない。比例復活した杉田水脈氏のような人間が跋扈する社会は恐ろしい。


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