埼玉での、ネカフェ個室立てこもり事件の人質は保護され、犯人は逮捕された。天井がつながっているとはいえ、個室は個室、今後、こうした被害は十分想定されなくてはならない。
ただ、この国家公安委員長の発言は、如何なものか。

さいたま市のインターネットカフェ立てこもり事件で、個室ブースに女性店員が３２時間余り監禁されたことについて、小此木八郎国家公安委員長は２２日、閣議後記者会見で「従業員の不安を考えると、店内の個室の在り方を考えていかなければいけない」と述べた。
　警察当局は、インターネットカフェが犯罪に悪用されないよう防犯指導などの対策を進める。
　事件では女性店員を監禁しけがを負わせたとして、逮捕監禁致傷容疑で無職の男が送検されている。小此木氏は「悪質で許されない。どういう背景で監禁行為に至ったか、取り調べがしっかりと行われるよう警察を指導していきたい」と強調した。

”店内の個室の在り方” の店内とは、ネカフェ内の、という意味か？

ネカフェであろうとなかろうと、こんなことを言い出したら、客のプライバシーを守る宿泊施設は全部、あり方を見直さなくてはならなくなる。

一流ホテルでも、客による清掃員を人質に取る立てこもりだって起こり得る。身分だって、惚れるだから偽名はないということにはならない。
いちいちが、取り締まる側、権力側のイメージで、どんどん私権制限に踏み込む機会を、何か事件があるとそれを縦にとり拡大しようとするのだから、油断も隙もない。

今、被告の『システムは１００％ではないが、自分の記憶は１００％』と発言で、再び国民の怒りに火を注いだ、池袋暴走事故加害者。自分は絶対正しいなどと発言する人にろくな人はいないし、またそういうのが政治の中枢に関わっているのが昨今の日本の悲劇だ。だからと言って、高齢者ドライバーをバッシングしたり、安易に免許返上圧力をかけたりすべきではない。こう言うことが再燃するのも同様だ。

もちろん、高齢者ドライバーは、認識度、身体反応の試験などが必要だろう。この加害者が言うように”自分の自立”のために必要と感じる人もいるだろう。ただし、自己能力の判断ができることこそ、自立の条件と言えるのだが、どうしても必要な環境に生活している場合もあるのだから、一律に一方的に決めつけるのも良くない。高齢でも、障害を抱えた方であっても、誰かにいちいち、お願いしたり、許可をもらわずに行動したいと感じることは当然の気持ちだ。公共交通機関利用の体力的に大変になる。もし、自分が運転しなくても済む、、代わりの選択肢があれば、こうした人たちの自立は守られる。1日も早く、安全な自動運転車両の普及などの、選択肢が一般化することを願っている。

ともあれ、事件にかこつけて、試験制限を世論の後押しで進めようとするのが、現政権の常套手段だ。小此木八郎国家公安委員長にしてみれば、ネカフェなど、不穏分子、犯罪者予備軍、役立たずの下流市民の巣窟なのだろうから、監視の目を光らせておけば、犯罪もテロも取り締まりやすいと思っているだろう。彼らのセンスは、日本共産党も、生協の、アムネスティーもみんな監視対象なのだ。ネカフェが若者や失業者のセイフティーネットなどとは考えない。パソナが政府ティーネットだとでも思っているのだろう。

ところで、この小此木八郎国家公安委員長が、議員を辞して横浜市長選出馬するらしい。

任期満了に伴う横浜市長選（８月８日告示、同２２日投開票）をめぐり、小此木八郎国家公安委員長（５６）＝衆院神奈川３区＝は２２日、閣議後記者会見で「立候補する決意を固めた」と表明した。出馬する場合は、閣僚と衆院議員を辞職することになる。市長選では、カジノを含む統合型リゾート施設（ＩＲ）誘致の是非が争点になりそうだ。

関係者によると、小此木氏はＩＲ誘致に反対する考え。会見では「報道されている内容がほぼ方向性。後日、整理してお話しさせていただく」と述べるにとどめ、地元の自民党組織などと調整した上で、後日正式に記者会見する考えを示した。

また時事は別記事では、

現職閣僚の市長選転出は異例。側近を失う菅義偉首相は痛手。国家公安委員長が東京五輪・パラリンピックの警備責任者。これまで推進してきたカジノを含む統合型リゾート（ＩＲ）誘致にも影響が及ぶ。

ＩＲは安倍前政権で官房長官だった首相が旗振り役を務めた事業。政府に足並みをそろえる形でＩＲ誘致に踏み切った林市長との関係もあり、党幹部は「小此木氏が反対をはっきり言えば、首相も応援しづらい」と漏らす。

と書いているが、こんなマイナスまで犯して、なぜこの人、横浜市長に立候補？　親分の密命なのでは？と当然、誰でも思うよね。自分の不人気、IRの頓挫が目の前をちらつく菅総理の見え透いた謀略？　幾ら何でもこんな記事、意味不明すぎでしょう。

東京新聞では、
菅義偉首相は２１日、「まだ具体的には承知していません」と語った。記者団の囲み取材に答えた。菅氏は衆院神奈川２区（横浜市西区など）の選出で、横浜市はお膝元。小此木氏の父で衆院議員だった故彦三郎氏の秘書を務めた。現在は小此木氏が菅政権で国家公安委員長を務め、菅氏とは近い関係にある。

　記者から「現職閣僚の市長選に出馬するのは極めて異例。総理の受け止めは」と問われた菅氏は「承知していません」と述べるにとどめた。

自分に逆らう者はどんな手を使っても”潰す！！”の陰湿にして鉄壁のガースーが、誰もこんなおとぼけ信じないよ。浜のドンとの全面対決で、自分の懐刀の現国家公安委員長を市長に据え、粛清を図るつもりではないのか？

ナチっぽさ満点。

小此木氏当選の暁には、横浜の全ネカフェは、全室監視カメラがつくだろう。いやコロナを利用して、全員強制収容所送りか？　
その名も『ARBEIT MACHT FREI ネット難民救済施設』

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