密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

日本にもある収容所 入管の非人道を法で守る最悪改正案


最近ウルグイ話法なる言葉があるようだ。これは、人権擁護に対して何か物申すを人を、”ペシャンコにできる魔法”の言葉として考案されたらしい。



・ウイグル話法って何?


「ウイグル話法」を知っているだろうか?保守界隈やネット右翼界隈(以下保守派)に少しでも知識・関心のある諸兄なら聞いたことがあるであろう。ウイグル話法とは、日本内外で人権軽視とされる舌禍を保守系の政治家や私人等が行い、世論から猛烈な批判を受けると、その対抗言説として必ず「ならばウイグル問題をなぜ批判しないのか」として、保守派が主にネット上で持ち出す言説の事である。


 記憶に新しいところでは、東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会前会長の森喜朗氏の女性差別発言に対するバッシングに対し、「森氏の女性差別を批判するのならば、同じく中国のウイグルでの人権問題を批判しないのはおかしい」という言説が噴出した。要するにある保守系の人物の人権に関する舌禍への批判への対抗として、ウイグルの人権状況への無批判を持ち出す。これがウイグル話法である。


「~ではなぜ中国のウイグルでの人権問題を批判しないのか」という理屈で展開されるウイグル話法は、保守派における進歩派・リベラル攻撃の伝統的な一本槍戦法である。


 人権問題に厳しいとされる日本国内外の進歩派・リベラルは、執拗に人権擁護を叫ぶが、その一方で中国のウイグルでの人権弾圧に対して全く無関心であり、無批判である―という世界観がウイグル話法の根幹にある。
 このようにウイグル話法は、現在保守派の中でお家芸になっており、ネット上では恒常的に観察することができるばかりか、現在では右派系の国会議員までこの論法を採用している場合が散見される。ウイグル話法は、保守派にとってあらゆる進歩派攻撃に転用できる便利な飛び道具になっている。
 LGBTに関する人権蔑視や、アイヌ民族の被差別の歴史への無知、低所得者や生活保護受給世帯への偏見や無理解等が保守系の政治家等から表明され、世論から批判を受けると、かならずウイグル話法の話者は被批判者の擁護に回り、「~ならばなぜウイグルの人権問題や差別を批判しないのか」と続ける。繰り返すように彼らの世界観には、進歩派やリベラルは人権を叫ぶくせに、世界最大級の人権問題のひとつであるウイグル問題については無知・無理解・無批判である―、と思い込んでいるからだ。
 実はこの認識自体、事実とは真逆であり全くの誤解なのである。少なくとも現在日本の国政政党に於いて、最も中国のウイグル問題を批判してきたのは、かつて「革新政党」と呼ばれた日本共産党である。

・日本共産党の辛辣すぎる中国批判
日本共産党は、2020年1月28日、第28回党大会で党綱領を改訂した。党綱領改定は実に16年ぶりの出来事であった。この中で、従来日本共産党は中国を「社会主義をめざす新しい探究が開始された国」としていたがこの部分を削除し、「いくつかの大国で強まっている大国主義・覇権主義は、世界の平和と進歩への逆流となっている」と挿入して中国共産党への批判を強めた。
 この中国認識の転換の理由として、日本共産党は東・南シナ海における中国の覇権主義的行動のエスカレート、香港における人権侵害およびウイグル自治区における人権弾圧をあげた。
 この党綱領改定に前後しての志位委員長の演説は、徹底的な中国批判で埋め尽くされている。
 我が党は1960年代以降、ソ連と中国という「社会主義」を名乗る2つの国からの激しい覇権主義的な干渉攻撃を受け、それを断固として拒否し、自主独立の路線を守り、発展させてきました。ソ連によるチェコスロバキアやアフガニスタン侵略などを厳しく批判する闘いを展開した。中国指導部による「文化大革命」や「天安門事件」などの民主主義抑圧の暴圧に対しても、最も厳しい批判を行ってきました。今回の綱領一部改定案は、中国に現れた大国主義、覇権主義、人権侵害を深く分析し、「社会主義を目指す新しい探求を開始」した国とみなす根拠はもはやない、という判断を行いました。


 中国の党は「社会主義」「共産党」を名乗っていますが、その大国主義、覇権主義、人権侵害の行動は「社会主義」とは無縁であり、「共産党」の名に値しません。中国に現れた大国主義・覇権主義は世界にとってもはや座視するわけにはいかない重大性を持っています。にも拘らず、その誤りに対する国際的な批判が全体として弱い。特に日本政府は全く弱く、追従的である。(日本共産党、志位委員長演説,2020年1月14日,強調筆者)


 要するに「中国共産党など、共産党ですらない。単なる帝国主義国家」と言っている訳だが、ここまで徹底的な中国共産党批判を公にする国政政党は、現在のところ日本共産党以外見当たらない。つまりウイグル話法の話者は、日本の革新勢力や進歩派こそが、もっとも辛辣な中国共産党批判者であるという事実について、無知なのである。
 このようにウイグル批判についての実態は、自民党などの保守政党が中国との経済交流等に配慮してむしろ低調であり、もっとも最右翼であるのは日本共産党を筆頭とする進歩系勢力である。よってウイグル話法の前提である、”進歩派やリベラルは人権を叫ぶくせに、世界最大級の人権問題のひとつであるウイグル問題については無知・無理解・無批判である”というのは、実際には事実と真逆なのである。
・なぜ日本共産党は中国批判の急先鋒になったのか


ではなぜ日本共産党が日本国内において最右翼の中国共産党批判者になったのだろうか。巨視的に言えば、ロシア革命を経て1922年に成立した世界初の共産国家・ソビエト連邦が、第二次大戦の戦勝国になり、東欧やアフリカ、アジア等にその影響力を拡大させる中で、様々な内部抗争と分派が発生した。
 よって共産国は一枚岩ではなく、実態は中ソ対立を典型とした共産国家同士の紛争が相次いだ。よって戦後成立した世界各国の共産党は、親ソ、親中、いずれでもない(旧ユーゴやアルバニア等)となり、お互いがお互いの正当性を主張しあって対立する、という状況に陥ったのである。
 この中で日本共産党は、戦前・戦時期等の非合法化での中断を経て戦後に合法政党として復活すると、当初ソ連からの援助を受けて武力革命路線を展開するが、結局はこういった好戦的勢力を排除し、議会制民主主義を通じて人民連合政府を作る、という現在のスタイルになった。日本共産党は、かつてソ連を覇権国家と呼び、「本当の共産主義ではない」としてソ連崩壊を「諸手を挙げて歓迎」した。
 そもそも、マルクスは共産主義を発達した資本主義の次に登場する社会段階と規定したため、遅れた資本主義社会の中で発生したソ連や中国などで、脆弱な資本家の代わりに共産党が専制的統制経済を行うことなど想定していなかったのである。
 よってマルクスを素直に読めば、「世界中には未だに真の共産国家は誕生していない」という事になり、ソ連の崩壊は「社会主義・共産主義の敗北ではなく、単にソ連型の帝国主義が敗北しただけ」という解釈になる。当たり前のことだが、マルクスの想定した共産主義では完全な民主制が保障され、労働者は独占資本からの搾取から解放されている。そもそも生産手段(工場や農場等)を共有するので、搾取する側が消えていなくなる。このような共産主義とソ連や中国が全く違うのは言うまでもない。
 この立場をとる日本共産党が、現在の中国を「共産党の名に値しない」と批判するのは当然と言えば当然である。現在の日本共産党が、辛辣に中国共産党の覇権主義を攻撃し、ウイグル・香港を含めた人権問題を批判するのは、かつて世界の共産国や共産党が「お互いがお互いの正当性を主張しあって対立する」の一種として捉えるのか否かは評価の分かれるところであろう。中国共産党を攻撃すればするほど、なるほど確かに日本共産党の「正当性」は上昇する。
 しかし日本共産党が現在の日本に於いて最も中国批判の急先鋒であることは紛れもない事実であり、ウイグル話法の話者は、この事実を認識した方が良い。諸兄がネット上で「ウイグル話法」を観かけたなら、往々にしてこのような現実に対して無知であることが多い。ウイグル話法は事実とは真逆であり、保守派の誤解によって生まれたリベラル攻撃の間違った戦法であることは指摘しておかなければならない。(了)


とても興味深い記事なので転載した。要は、子供が喧嘩で相手をやり込める(と思って、)レベルの低い言葉を得意になって連呼している、という類のもので、今ウルグイ人収容所で起こっていることに対しては、全く関心がないように見えるし、単に、嫌中・反中から派生した屁理屈で、人権擁護とは何も関係がない。しかしこれを通じて、ウルグイで起きていること(中国政府は否定しているが、違う思想、宗教、生活形態の人を閉じ込めて、”再教育”を施すという時点で、完全な人権侵害だ。)に関心を持ってくれる人が出ればいいと思う。そして、日本の同じことを戦時下でしてきたということを考えてほしい。


いや、日本は今も同じことを、国民の目の届かないところで行なっている。日本の入管の非人道性は、海外でも取り上げられていた。また織田朝日さんという方が、入管の実態を4コマ漫画にして伝えている。これは最新の、ハンスト抗議の収容者に、意思に反し無理やり点滴栄養補給をしていいということや難民申請の回数制限などの、法改正を懸念したもの。



 退去処分を拒む外国人の長期収容解消に向け、入管難民法改正案が閣議決定された。
難民申請の回数を制限するなど、人権への配慮を欠いた法案だ。野党の対案も考慮した国会審議を望みたい。
不法滞在が発覚した外国人の大半は自ら出国している。だが、退去処分を受けながらも送還を拒んでいる人びとが約三千人いる。一部は長期に収容されている。
 

拒否者の多くは祖国で迫害される恐れがあったり、日本で家族と暮らす人びとだ。約三分の二は政府に難民認定を求めている。現行法では難民認定の申請をしている間は送還が停止される。
 

改正案の最大の問題は、三回以上の申請に対しては原則として送還停止を認めないとした点だ。
現状では却下後も繰り返し申請する人が多く、政府はこれを長期収容の原因と見なしているためだ。
 
政府は申請回数に制限のある国は少なくないと説明するが、待ってほしい。日本の難民認定率は0・4%。制限があるドイツは25・9%、フランスは18・5%だ。日本の「難民鎖国」の現状が申請の繰り返しを招いてはいないか。
 認定率の低さについて、政府は欧米とは申請者の出身国が違うとも指摘する。そうだろうか。例えば、トルコ出身のクルド人は米国やカナダでは八割以上が認定されているが、日本は認めていない。このまま法改正されれば、他国の人権侵害に加担しかねない。
 

改正案には退去強制の拒否に刑罰を設けたが、これも収容施設と刑務所の往復となりかねない。
 かねて国連が批判してきた司法判断抜きの収容や上限のない収容期間について、今回の改正案で触れられていないことも問題だ。
 

一方、対象者に逃亡の恐れがない場合、支援者らが監理人として見守る監理措置制度が盛り込まれた。社会生活ができるというが、退去処分後は就労できず、健康保険や生活保護の資格もない就労や逃亡には刑罰が設けられた。これでは社会生活は営めない。


 閣議決定に先立ち、野党は参院に対案を提出した。難民認定を担う独立機関の新設や収容に裁判官の許可状を必要とする点などが柱だ。改正案の国会審議では、対案も踏まえて議論すべきだ。
 不法滞在問題には歴史的な経緯がある。コロナ禍での技能実習生の困窮とも重なるが、外国人を安価な労働力と見なしてきた政策のツケだ。人権を優先し、透明性がある改正こそ必要ではないか。


結局自己都合と効率だけしか考えていない、冷血政権の閣僚の決定しそうな法案だ。
警鐘を鳴らす人々は、野党の頑張りの他に、ネットでの声の後押しを求めてる。
それにはまず、現状を知ることだろう。織田朝日氏がコマ漫画で、入管の現状を伝えている。最新の、法改正で、ハンガーストライキで抗議している人にも、本人の意思なく強制的に投薬・栄養補給・治療ができるという状況を伝える漫画。他にもたくさんの状況が、描かれているので、是非、目を通してください。(漫画の力すごいです。ぼうごなつこ氏の政治批評。ウルグイ問題に関しては清水ともみ氏が書いていて海外でも注目された「私の身に起きたこと ~とある在日ウイグル人女性の証言~」)

私の身に起きたこと ~とあるウイグル人女性の証言~
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他にも、

私の身に起きたこと ~とあるカザフ人女性の証言~
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私の身に起きたこと~とある在日ウイグル人男性の証言~
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内容が読めるサイト;


私の身に起きたこと ~とある在日ウイグル人男性の証言 2~
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もとい、入管の現状漫画、


今この入管法改正には注目が必要なのだと、現場の人たちは訴えている。
Choose Life Projectは本当に意味のある配信をしている。企画者に年齢の若い方が多く関わっているせいか、その声は真摯で率直だ。そして問題提起とその考察が深い。

3/1「この入管法改正で何が変わるか?」#難民鎖国ニッポン


日本にもアウシュビッツが・メキシコ国境収容施設(現在改正救済が行われている)ウルグイ人収容所、と同等のものがあるのだ。


ウルグイ話法?自分の国で行われていることを知っているのか(ウルグイで行われていることも、本気で調べていないのではないか)そもそも、想像力に乏しく、思考をめんどくさがる人間が、権力を持つと、まるで己を”神”かのごとくと勘違いし、弱い立場の人に、不必要で残虐な行為に及んでしまう。アメリカでも、イラク兵捕虜への、拷問を楽しんだ数名の若い兵士たちが社会から猛烈に叩かれた。彼らは兵役前は、田舎で、ファミレスでウェイトレスをしたり、ガソリンスタンドで給油をしたりしていた普通の低学歴の若者たちだった。


しかし、日本は、一応高学歴で、いい家系(代々総理大臣とか、地元名士とか、)に育っても、それゆえ自分は他人を見下していい、同じ人間と見ない、という弁護の余地のない人間が多い。そういう人間たちが国の中枢にいて国民や難民・外国人労働者・留学生を消耗品と認識し、また家畜のような扱いをしてもいい(いや家畜には飼い主は優しいしきちんとケアをするから、虫けら、という方が当たっている)と思い込んでいる。現場の必要性に何の想像力も同情心もない法律を数の力で押し通している。そしてこの残酷な優越性だけはトリクルダウンをして地方公務員にも広がる。


生活保護受給者への、水際作戦・親族への保護要請の確認なども同じ根っこだ。
貧しくて優しくなれないなら、仕方ない、しかし、自分たちは富んでいる、より権力と富を集めるために、国民から税吸い上げる(安倍晋三がこう言い間違いをした)そして吸い上げる国民のことは考えない、選挙までは。


アメリカでは、アジア人への暴力が、年14件から3000件に増えた。やはり入管でも横柄で失礼な扱いを受ける有色人氏がいる。街では中国人も日本人も関係ない。愚かで自分のストレスをぶつけたい人間が、トランプのチャイナウィルスという言葉に、正当性を保証されたというように、アジア系の女性や高齢者を殴る、殺された人もいる。


ただ、そうしたアジアのお年寄りを守ろうと、若者のグループが、外出のエスコートを始めた。どこの社会も100%**などということはない。ただ、「自分の身の回りにいない人たちには、礼節をもって接するーカズオ・イシグロ」 という気持ちは最低限持っていたい。そこが始まりだ。


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