密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

暴徒となった普通の人々

日本でも、トランプ支持者がいるようだ。応援デモ?で1000人くらい集まったと言うニュースを見た。正直、意味がわからない。? 精神論とか全体主義とか、何かに寄りかかって自己確立している人々は、理屈を言う奴ら=論理的に話すリベラル派や、彼ら曰くの左翼、をぶっ飛ばす、論理性無視の行動を、そしてアメリカ大統領という最高権力を手に入れたトランプをヒーロー視してしまうからだろう。


日本のトランプ派の方?が書いた、議事堂襲撃現場のルポを読んだ。その人の文章によれば、”窓を打ち壊す人に対し、支持者たちが、「アンティファ、アンティファ」と言って止めようとしていた”、などと、事実無根の解釈も多々見られた。しかし着目すべきは、参加の女性たちの高揚感に対する記述だ。(元記事を探したのだが、見つからないので、記憶で書いている)「私たちにもできるんだ!!自分たちの手でこの国を取り戻す。みんながこんなに集まって、、、、』とビニールの赤いトランプ帽をかぶった女性たちは涙していた。
こういう視点は、同志として参加した人にしか書けない。


そして大方の暴動参加者は、自分たちの行動の意味をわからず、限度がわからず、祭りの高揚感と集団心理で一線を超えたのだろう。


ペロシ議長の演台を盗んで、得意そうに写真に収まった人が逮捕された(保釈中)

いたずらに成功した中学生のような、酔っ払って公共物を持ち出す人のような、法の一線が欠如した様子が見て取れる。下院議長の演台を盗むという意味の重さも考えていなかったのだろう。今、彼は事の大きさにただただ怯えているという。


以下、MASHNY記事より
フロリダ州タンパの連邦裁判所は11日、6日に議事堂に乱入し、ナンシー・ペロシ下院議長の演台を持ち去ったアダム・ジョンソン被告(36)の釈放を命じた。


地元テレビ局WTSPによると、保釈金は25,000ドルとされたが、次回公判の出廷を怠らなければ支払う必要がないという。


事件後、トランプロゴのビーニー帽を被り、笑顔で演台を担ぐジョンソン氏の写真が広く出回り、話題となっていた。


ジョンソン氏の弁護士は、裁判所の外で行なった会見で、写真がきっかけで、ジョンソン氏自身や家族に殺害予告が送られていると明かし、「現時点で彼が望んでいるのは、家族の元に帰ることだけだ。彼は一定のプライバシーを望んでおり、家族と充実した時間を過ごしたいと思っている」と語った。


判事は、ジョンソン氏にパスポートの引き渡しと薬物テストの提出、すべての銃器の引き渡しに加え、追跡装置の着用を命じた。また保釈条件として、首都ワシントンに裁判に出向くことを除き、フロリダ州中部地区から出ることを禁止したほか、午後9時から6時を外出を禁止とするとした。


判事は、ジョンソン氏がこれらの条件に違反した場合、10年の懲役と法廷侮辱罪に問われる可能性があると警告した。WTSPによると、ジョンソン氏の予備審問は1月19日に首都ワシントンで開かれる。


ジョンソン氏はフロリダ州のパリッシュ在住。専業主夫で、妻と5人の息子がいるという。これまでマリファナ所持と保護観察条件に違反した犯罪歴がある。
(パリッシュはここから南へタンパ湾を挟んですぐのところ)


ワシントンポスト紙によると、事件後、演台がeBayのオークションに5万6,000ドルで出品されたが、後にいたずらだと判明した。事件の翌日、演台は小槌はともに、建物内無傷で発見されたという。



彼の行動は、集団の興奮と、SNS向けのいたずら気分の行動であったことは、見て取れる。しかし彼は10代の子供ではない。やはり相応の責任を取らなければならないだろう。多くのトランプな人々は、無邪気で、信じやすく、社会から見下されていると感じていて、そのストレスを持っている。そんな彼らはトランプに寄り添うことで自分の価値が高まったような錯覚を持つ。 トランプはこういう人たちの心理をよく心得ている。それが、「特別な人たちだ」という言葉に現れている。この人たちにとって、自分を認め愛してくれると公に発言する最高権力者は、キリスト教者にとっての神に等しい存在と言っても過言ではないと思う。


しかし彼らの神は、口先だけで、本心は下々の低所得者など、どうでもいい、平気で切り捨てる身勝手な自己愛だけの神だ。 多くの人は彼のために法を犯しても、トランプが恩赦を与え、また裁判費用を出してくれると思っている(実際そう発言していた)。果たしてどうだろう?


過去にも多くの人々が、トランプの甘言(恫喝)に乗り詐欺的手法でお金を奪い取られた。多くの裁判が起こされているが、こうした資金力のない人々は、裁判以前にトランプの弁護団の攻撃に玉砕してしまう。悲しいかな、アメリカの民事の裁判はいかに、大きなローファームからの敏腕弁護士(団)を雇えるかにかかっていると言える。


自己実現をトランプに求めた人々が、現実と直面して、目を覚ましてほしい。「家族と充実した時間を過ごしたい」それが大方のアメリカ人の原点だ。


始末に悪いのが、暴力での支配を志向している人間たちだ。この人たちが、今回の暴動を取りまとめ、今後も実行計画し、自分たちの力の誇示を計画している。




米連邦捜査局(FBI)は11日、ジョー・バイデン次期大統領の就任式までの1週間ほどの間に、武装した人々による抗議行動が起こる可能性があるとして警告を発した。



バイデン氏の大統領就任式は今月20日に開かれる。それまでの間に、ドナルド・トランプ大統領を支持する武装集団がアメリカの全50州の州都と首都ワシントンで集会を予定しているとの報道も出ている。


バイデン氏は11日、新型コロナウイルスの2回目のワクチン接種を受けた際に記者団に対し、連邦議会議事堂の前で就任宣誓をするのを恐れてはいないと述べた。議事堂は6日、大統領選の結果認定を進めていた最中に、選挙結果を受け入れないトランプ大統領の過激な支持者らが乱入し、死者が出る騒乱状態に陥った。


警備当局は、議事堂の敷地内に数千人のトランプ氏支持者が入り込んだ事態が繰り返されることはないと強調している。
<中略>
武装デモを計画か

トランプ氏支持者や極右主義者らはオンライン投稿で、特定の日付の抗議行動を呼びかけている。今月17日には国内各地で武装デモを開き、就任式が開かれる20日には首都ワシントンで行進を実施するとしている。


米ABCニュースによると、FBIは内部文書で、ある団体への警戒を指示した。この団体は、トランプ氏が罷免された場合や就任式当日に、各州や連邦などの裁判所に「押し入る」よう呼びかけているという。


トランプ氏に対しては、議事堂乱入事件を受け、辞任や罷免、弾劾を求める声が民主党と一部の共和党の議員らの間で高まっている。


米メディアによると、連邦当局は国内各地の警察に対し、州議会などの警備を強化するよう指示している。


ロイター通信は、連邦司法当局者の話として、FBIが求める警戒態勢はすべての州の州都で今月16~20日に実施され、首都ワシントンでも遅くとも就任式の3日前から実施されると伝えた。


連邦議会の議事堂で騒乱が起きたのと同じ時期には、小規模な同様の出来事も首都以外で起きていた。


平和的デモ・抗議行動は市民の権利である。しかし、武装デモは取り締まりの対象になる。バイデン氏が発言したように、BLMデモ対応と比較すると、警察隊、州兵はBLMデモに対してより攻撃的だ、催涙弾やゴム弾を使うハードルも低い。


警官や州兵もマッチョで無思考の保極右的自称愛国者が紛れ込んでいるから怖い。暴徒に協力的だった隊員は特定され職を解かれる可能性もある。警察官の年金はとても良いのでこれを失うことは、非常に辛いことだと思うが。


最近信頼性がイマイチのNewsWeekであるが、この記事が面白かった。日本のトランプな人々も分析していて、納得できる記事。著名人でも、とんでもアメリカ・バイヤスを開陳してしまい人が多い中(民主党のバックっ軍産複合体だとかで、民主党政権下で戦争が起こるとか。戦争をしたのは概ね共和党大統領なのに)こういうバランスのとれた視点で書かれた記事を読むとホッとする。全文転載します。



連邦議会襲撃で「ヒーロー」となったJ.A.チャンスレー氏(写真は2021年1月6日、ワシントン) STEPHANIE KEITH-REUTERS


・アメリカの多くの心理学者はトランプ大統領に誇大妄想の特徴を見出している


・連邦議会に侵入し、これを占拠したデモ隊にも、その傾向がうかがえる


・それらの尻馬に乗る日本のトランプ支持者は「愛国」を口にしながらも海外の同胞に想いが至っていない


アメリカ史に残る汚点となった連邦議会暴動で議事堂に侵入したデモ参加者には、夢の国の住人としか呼べない人物さえ珍しくない。


Q-Anonの祈祷師とは
アメリカ当局は11日、5人の死者を出した1月6日の連邦議会暴動で議事堂に侵入したトランプ支持のデモ参加者の一人、「Q-Anonの祈祷師(シャーマン)」と呼ばれるJ.A.チャンスレー氏を起訴したと発表した。


歯止めの効かない群集心理丸出しの暴動の中でも、Q-Anonの祈祷師ことチャンスレー氏は、その独特の風貌で異彩を放っていた。牛と思われるツノをつけた熊皮のヘッドギアをかぶり、裸の上半身にはタトゥーが施され、顔を赤・白・青(星条旗の色)でペイントし、あげくに2メートル近い長さの槍をかついでいたからだ。


確かにアメリカ先住民のシャーマンを思わせるいでたちではある。ハロウィンのパーティーならヒーローになれるかもしれない。


しかし、問題は彼がハロウィンパーティーではなく連邦議会暴動でヒーローの一人になったということだ。本人はいたって真面目だったのかもしれないが、だったらなおさら始末が悪い。


夢の国の住人たち
彼らの自己認識はともかく、第三者的にみればチャンスレー氏をはじめデモ参加者のしたことは、「アメリカがユダヤ人や諜報機関に乗っ取られている」というQ-Anonの陰謀論を信じ込み、「選挙で不正が行われた」というトランプ大統領の真偽の疑わしい主張を真に受け、いわば勝手に愛国心や正義感に燃えた挙句、アメリカ史に残る汚点を残したにすぎない。


しかし、チャンスレー氏は起訴前のBBCのインタビューに対して、暴動の日を「美しい日だった」と回顧している。客観的な情勢判断と自分の思い込みのギャップを理解しようとしないその態度は、誇大妄想の気配さえ感じさせる。


チャンスレー氏ほど際立った風貌でなかったとしても、多くのデモ参加者についてもほぼ同じことがいえる。


連邦議会暴動での逮捕者はすでに80人以上にのぼり、逮捕・起訴ともに今後さらに増える見込みだが、捜査は比較的簡単だろう。なぜなら、議事堂を占拠した際にデモ参加者の多くが、議員の椅子にふんぞり返って座ったり、議会の備品を勝手に持ち出したりする様子の動画をソーシャルメディアにあげていたからだ。



自分たちでは何かスゴいことをやっているつもりで、「特定してくれ」といわんばかりに動画をあげ、結果的に自分たちで証拠を残しているのでは、バイトテロをやらかして雇用先から巨額の損害賠償を請求される若者と同じだ。そこには「自分は絶対大丈夫」という根拠のない自信があるのだろう。


自己愛の果てに
アメリカの多くの精神分析学者や心理学者はトランプ大統領を「自己愛性人格障害」とみている。「自分はかけがえのない存在」という思いが強すぎて、自分の失敗や欠点を認められず、他者からの批判に過剰に反応して攻撃的になるタイプだが、トランプ氏に関しては多くの専門家が強い劣等感の裏返しで、万能感、誇大妄想、賞賛への渇望の強さなどを見出している。


Q-Anonの祈祷師チャンスレー氏の「美しい日」というコメントだけでなく、議事堂内でイキって(としか筆者には表現できない)動画を撮影しているデモ参加者の様子も、これを思い起こさせる。彼らにとって議事堂侵入は、並ぶもののない偉業だったのだろう。


しかし、誇大妄想の強さは自分にとって不利な状況を認められない弱さの裏返しでもある。選挙結果を認められないトランプ大統領の姿は、その象徴だ。


誇大妄想や万能感といった特徴でトランプ氏と共通するのがヒトラーだ。第二次世界大戦末期、ソ連軍がベルリンに迫るなか、ヒトラーは米英との和平交渉が可能と信じ、それも不可能と理解するや、ナチス要人がヒトラーを見限って次々とベルリンを離れるなか、人前に姿をみせなくなった。自分が描いた第三帝国の理想像とのギャップに耐えられなかったのかもしれない。


現在のトランプ大統領の姿がベルリン陥落直前のヒトラーとダブってみえるのは筆者だけだろうか。


トランプ支持の日本人の罪


日本に目を転じると、これまでトランプ支持の姿勢を示していたメディアや著名人のなかからも、知らぬ存ぜぬを決め込んだり、否定的な立場に回ったりする者が出始めているが、SNSやYouTubeではこの期に及んでなお「トランプの大逆転」を示唆する陰謀論が後を絶たない。


ただ面白がっているだけなのかもしれないが、そうだとしても恐らく彼らは海外の同胞について全く想いが至らないのだろう。


移民や性的少数者に敵意を隠さないトランプ大統領は、欧米諸国に広がる白人至上主義の一つの要、言い換えるとヘイトの後ろ盾になってきた。白人至上主義者の視点で世界をみてトランプを支持する日本人は、その時点で他者に精神的に従属していることになるのだが、そうした者に同情しなければならない義理はない。


むしろ、ここで重要なことは、白人至上主義の観点からみてアジア系もまたヘイトの対象になるということだ。


コロナ禍により欧米ではアジア系への差別・偏見が広がっており、例えばこの20年間でアジア系への暴力が減少していたアメリカでも、昨年上半期だけで2100件のヘイトクライムが報告されている。こうした兆候はアメリカに限らず、例えばイギリスでもアジア系へのヘイトクライムが21%増加したという報告がある。


コロナ禍をきっかけとするアジア系差別は中国への不信感の表れといえるが、トランプ大統領の言動はこれに拍車をかけてきた。選挙に負けてもそれを認めないトランプの姿は、ただでさえコロナ禍で反アジア系の気運を高めていた白人至上主義者をさらに鼓舞する。


ところで、ほとんどの欧米人の眼に日本人と中国人の区別はつかない。つまり、トランプ大統領を支持する日本人は、そのつもりのあるなしに関わらず、欧米に暮らす日本人が直面するリスクを喜んでいることになる。


トランプ支持者のほとんどは「愛国」をしばしば口にするが、その言葉の重みはこれまでになく低下していると言わざるを得ないのである。<六辻彰二コラム>


※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。



バリバリの差別主義者や暴力的テロ予備軍は別にして、トランプなんかのために刑務所に入ったり、職を失ったりするなんて馬鹿馬鹿しい、と、”なんとなくトランプな人”は、これからの行動を踏みとどまった方がいい。


PVアクセスランキング にほんブログ村

ランキングに参加しています。
宜しかったら、両方をクリックしていただけると嬉しいです。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ