密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

日本のハリス注目で無意識の差別感覚+マイノリティー表を掘り起こしたジョージア勝利の女神


「もし、バイデンが当選したら、日本で、カラマ・ハリスブームが起こるかもね。」
そういう笑い話をしていた。ネット意配信のデモクラシータイムスなどでも、男性陣がハリスに言及し、彼女が女性でジャマイカ系とインド系の有色人種であるがゆけに、素晴らしい、と賞賛する、そんな向きが多い。


ただ、酷いのは、すぐにバイデンは高齢だから、と彼の死んだ後のハリスの立場を論ずることだ。日本では麻生太郎80歳は、副総理、兼、財務大臣、兼、内閣府特命担当大臣(金融担当)兼、デフレ脱却担当大臣に再任(ってどれだけ兼ねてるんだ!!)
二階俊博81歳が、与党自民党幹事長、かつ、最近話題の杉田和博内閣官房副長官79歳、人事の要でこの国を裏からコントロールする。


この人たちの高齢や認知症にの疑いなどの言及する人は誰もいない。なのにバイデンがに対しては、認知症だ、高齢だから死んだら、初の女性有色人種大統領、、、て、どれだけ差別的なんだ、と思った。


これもハリスが美女だから?というのもあるんじゃないか。イバンカ来日の時の馬鹿騒ぎもそうだ。つくづく、男性目線の国だ。言ってる方も褒めてるつもりだから始末に悪い。


加えて、高齢者に対して簡単に認知症扱いしてはばからないのも、エイジハラスメントだ。本当にそういう症状で、弊害が出ているなら、相手は公人中の公人、次期アメリカ大統領だ、だから論じる、Schadenfreude的心配するのはいい。
しかし、何も検証せずに、簡単に認知症、死んだ後のことを期待する発言、見た目でもてはやす風潮には、”イラっ”とするとともに、恥ずかしいと感じる。
国の中心に老人を据える国で、他国の次期大統領に、エイジハラスメントとは、できの悪いアイロニーだ。
こちらの記事は、バイデンの演説を翻訳し、彼の能力とリーダーシップに適切な評価を与えている。読んでみてほしい。


バイデンは、就任初日に実行する、10の気候変動対策も打ち出した。
・石油やガスの操業でのメタン汚染に制限を設ける
・100%クリーンエネルギーで排出ゼロの乗り物の普及を目指し、連邦政府の調達システムを使う
・米政府の建物や施設をより効率的で気候変動に対応したものにする
・既存の大気浄化法の施行を進め、新たな燃費基準を策定して交通機関による温室効果ガスの排出量を削減

 する。これにより小型車や中型車の新車は全て電動化され、大型車については毎年改善されるようにする
・先進バイオ燃料などの液体燃料への取り組みを強化し農業が気候変動への解決で重要な役割を担うようにする
・電化製品やビルの効率性に新たな基準を設け、排出量や消費者のコストを低減する
・温室効果ガス排出や気候変動の影響を検討するための連邦の許可に関する決定を求め、全ての連邦インフラ

 投資で気候汚染が減るようにする
・公開会社に自社の操業とサプライチェーンにおける気候変動リスクと温室効果ガス排出の情報開示を求める
・2030年までに生物の多様性を保護し、絶滅の進む速度を遅らせ、米国の土地と水の30%を保全する
・2030年までに北極野生生物国家保護区を永続的に保護し、国立公園や国定記念物を設置し、公共の土地での新たな石油やガス掘削の許可を禁止し、気候コストや森林再生を進めるプログラム策定を踏まえた使用料に修正し、連邦の土地や水域での再生可能エネルギーを開発し洋上風力発電を倍増させる

そして実行に最適なメンバーを揃えている。我が国の中枢のスーパー高齢者の方々と比べても、決して”見劣り”しないのではないでしょうか?


トランプが、敗北宣言をせず、国家安全保障情報の共有に応じない(共和党内に反発が広がり近く共有されるだろう)現状も、44年間の議員生活、内8年の副大統領経験で何をすべきかがわかっている。これは政権中枢の経験のない大統領なら、お手上げかひどい混乱をきたす可能性もある。トランプの悪あがきの意地悪に、バイデンは適当に無視して着々と政権移行を進めている。ハリスは、決して前に出過ぎない、徹底してサポートし、また彼らの間で、役割分担ができているようだ。これも高い能力と司法分野および上院議員としての経験、そして洗練された人間関係のコントロールができるハリスだからこそだろう。


ところで、”以前バイデンが誰を大統領候補にするか?” をDさんと話していた時、彼は、ステイシー・エイブラムスをあげた。聞いたことがなかったので調べたところ、すごい人だった。前回ジョージア知事選に立候補。対戦相手はベテラン州務長官、ブライアン・ケンプで、このとき彼の職権による票の操作に非難が上がった。このことは本当に不当で権力の濫用だと憤りを感じた。


州務長官としての6年間でケンプ氏は、100万人以上の州民の有権者登録を無効にした。「活動なし」やミスだというのが理由だった。ケンプ氏はこれについて、有権者名簿を適切に更新しただけだと説明するが、エイブラムス氏をはじめ多くの活動家が、一部の有権者を不当に排除する動きだと非難した。
エイブラハムはこのような状況で敗れた、講義を申し入れたが届かなかった、しかし彼女がすごいのはこの後の行動だ。
私たちの国が偉大なのは、国を挙げてのこの実験に、壊れたものを直すチャンスを組み込んであるからです」と、ステイシー氏は敗れた夜に述べた。
彼女は人々を奮い立たせる政治家の言葉を持っている。


あれから2年後、今回の選挙に向けてエイブラムス氏と複数の組織は、ジョージア州内だけで80万人以上、有権者の登録を実現していた。そして、ジョージアでは手作業で再集計が行われるものの、結果を変えることにはならないと州選管は話している。

ステイシーエイブラハム・まさに手強い不屈の女神。バイデン次期大統領は彼女に重要なポジションを与えるか?あるいはジョージアのために働き続け、いずれ知事となるのか?
アメリカ、特に中南部に横たわるアフリカ系への差別は過去のものではない。現在も公民権運動は続いている。彼女は、キング牧師のように戦う。
今や、彼女はアフリカ系女性の希望の星で、力強いリーダーだ。

米大統領選で13日夕、民主党のジョー・バイデン次期大統領が南部ジョージア州で勝つのが確実となった。民主党にとっては1992年以来の勝利となる。この奪還劇の立役者は、ステイシー・エイブラムスという黒人女性だった。


バイデン氏とカマラ・ハリス次期副大統領は、選挙人306人を獲得し(必要な過半数は270人)、来年1月20日に就任する見通しとなった。ハリス氏はアメリカ初の女性副大統領、初の黒人副大統領、初のアジア系副大統領になる。


この歴史的な勝利に大きく貢献したのが、1人の黒人女性だ。


【米大統領選2020】 「私が最後ではない」 ハリス上院議員の勝利演説
ハリス氏は7日夜の勝利演説で、アメリカで少数派の女性たち、特に黒人女性が「あまりにしばしば無視されながらも、私たちの民主主義の支柱なのだと、繰り返し立証してきた」とその貢献をたたえた。


ジョージア州アトランタ郊外の自宅でハントさん一家は、ハリス氏の演説を見ながら泣いていた。
「ジョージアは青い(民主党支持の)州になった。これはこの州と住民にとって、特にここに住む黒人住民にとって大転換です」と、27歳のクリスティン・ハントさんは話した。
「これはステイシー・エイブラムスと、現場を足で使ってがんばった大勢の黒人女性の、そして草の根組織のおかげです。みんなで有権者に登録するよう呼びかけて、自分たちの一票がなぜ大事なのか証明するため、取り組んできたんです」


バイデン氏の勝利には、アフリカ系アメリカ人の支援が不可欠だった。勝利演説でも、自分が最も苦しいときに支えてくれたのは黒人コミュニティーだったと感謝している。民主党予備選の開始当初は敗退が続き、撤退もうわさされていたバイデン氏が復活したのは、南部サウスカロライナ州の黒人有権者がこぞってバイデン氏を支持したからだった。この圧勝があったからこそバイデン氏は挽回し、ついには民主党の大統領候補になった。


やがて激戦州ペンシルヴェニアで勝ち、そして選挙そのものにも勝つことになったのも、大都市フィラデルフィアやピッツバーグなどの黒人有権者が圧倒的にバイデン氏を支持したことが大きく関係している。出口調査によると、ドナルド・トランプ大統領は2016年大統領選よりは黒人有権者の間で善戦したのものの、バイデン氏は今回、約9割の黒人票を獲得した。


けれども、こうした都市部に足を運び、本当の意味でバイデン氏を助けたのは誰なのか街の人たちに尋ねると、自分たちの地元の黒人女性だという答えが多く返ってくる。


たとえば、フロリダ州ジャクソンヴィルの住民活動家、クルシャンダー・スコットさんは、選挙終盤には脅迫が相次いだため、警備が強化されたのだと話す。スコットさんは、歴史的に黒人住民が多い地元で、有権者登録する人の数を増やそうと活動していた。


あるいは、フィラデルフィアで投票推進活動をするブリタニー・スモールズさんは、地元の人たちに参政権について情報を提供し、市民権の行使を呼びかける活動をライフワークにしている。ひとりひとりの一票が大事だと、承知しているからだ。


アメリカでは有権者だというだけでは投票できない。自ら、有権者として地元の選挙管理委員会に登録する必要がある。


そしてジョージア州では、民主党関係者が口をそろえてステイシー・エイブラムス氏の努力を称賛する。同州の民主党選挙立会人を務めたリンダ・グラント氏は、「結果を出す、やるべきことをやる」という意味で、エイブラムス氏の名前がしばしば使われると話す。


けれども少し前までジョージア州の民主党関係者は、エイブラムス氏を「知事」と呼べる日を待ち望んでいた。2018年の中間選挙でエイブラムス氏は、アフリカ系アメリカ人女性として初めて、州知事を目指して出馬したのだ。対立候補は同州のベテラン州務長官、ブライアン・ケンプ氏だった。


州務長官としての6年間でケンプ氏は、100万人以上の州民の有権者登録を無効にした。「活動なし」やミスだというのが理由だった。ケンプ氏はこれについて、有権者名簿を適切に更新しただけだと説明するが、エイブラムス氏をはじめ多くの活動家が、一部の有権者を不当に排除する動きだと非難した。


スコットさん(左)はフロリダ州ジャクソンヴィルで住民に投票を呼びかけた。スモールズさんはペンシルヴェニア州フィラデルフィアで、「Black Lives Matter」運動を取りまとめた
ケンプ氏は5万票差で知事に当選した。エイブラムス氏は敗北を認めず、自分が落選したのはケンプ陣営が多くの住民の有権者登録を抹消したからだと主張。こうした選挙妨害に対抗する活動を開始すると宣言した。


「私たちの国が偉大なのは、国を挙げてのこの実験に、壊れたものを直すチャンスを組み込んであるからです」と、ステイシー氏は敗れた夜に述べた。


あれから2年後、今回の選挙に向けてエイブラムス氏と複数の組織は、ジョージア州内だけで80万人以上、有権者の登録を実現していた。そして、ジョージアでは手作業で再集計が行われるものの、結果を変えることにはならないと州選管は話している。


民主党の大統領候補がジョージア州で勝つのは1992年以来となる。


来年1月には、連邦上院2議席の決選投票もジョージア州で行われる。この結果で、どちらの党が上院を支配するのかが決まる。そしてここでも、エイブラムス氏たちが働きかけた有権者の票が、物を言うのかもしれない。


バイデン氏が当選確実になったのは、エイブラムス氏や多くのボランティアのおかげだと言える。


【米大統領選2020】 アメリカでは黒人の投票権は抑圧されている?
「エイブラムスさんは負けたときに『わあ負けちゃったー』と降参して、それっきりにすることだってできたはずです」と、ハントさんは言う。「それなのに彼女は、どんどん前へ前へと進んで、自分とこのコミュニティーのために、負けを勝ちに変えたんです」。


ハントさんのおば、テリーサ・ウィルソンさんも同意見だ。エイブラムス氏の活動は、自分の力に気づいたジョージア州の黒人有権者を永遠に変えると、ウィルソンさんは言う。


「実際に足を使って各地を歩いて、あれだけの人数を登録して、投票するよう働きかけた。あの活動はジョージアと国全体に、すさまじい影響があった」


「私たちはもうずっと前から選挙のたびに、軽視されてきたんだと思う。けれども今ではこの国も世界も、私たちの票がいかに大事か、気づいたはずだ」


(英語記事 Stacey Abrams: The woman behind Biden's biggest surprise)


ジョージアは2議席の上院選(上院は人気6年で2年づつずれて重ならないように行われるが、ジョージアの場合は欠員の補選があるため、今回は本選挙と補欠選挙の2議席について選挙が行われる。)でも、延長戦に持ち込んだ。複数候補を4人に絞り再投票を行う。これには民主党が上院を制することができるかどうかがかかっている。
民主党はジョージア州で2議席を確保すれば、獲得議席を50に伸ばせる。上院での人事承認などでは賛否が50対50になった場合、上院議長を務める副大統領の一票で最終決定する。民主党のハリス上院議員が次期副大統領に就く見通しで、民主党が50議席を確保すれば過半数を得たのとほぼ同等の影響力を行使できる。


2議席のうち、1議席は共和党現職デイヴィッド・パーデュー議員 VS 民主党新人ジョン・オソフ氏 もう1議席は、民主党新人ラファエル・ワーノック氏 VS 共和党現職ケリー・ロフラー氏。


オソフ氏ユダヤ系で、若くとても聡明だ。議論では現職をタジタジにさせた。ワーノック氏はアフリカ系で、地元の聖職者 どちらの候補も勝利を収めてほしい、素晴らし資質を持っていると思う。投票日は1月5日、バイデン次期大統領・オバマ夫妻、ハリス次期副大統領、集会の応援に入る可能性がある、民主党は総力を結集しなければならない。


そして何より、ジョージアの公民権運動を草の根で進めブルーステイツに導いた不屈の女神ステイシー・エイブラハムは、再び勝利・民主党上院コントロールに導けるか?
ジョージアから目が離せない。



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