密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

バイデン・ハリスのスピーチと新しいアメリカ

バイデン時期大統領が決まった時から、街に人々が溢れ(みんなマスクをしている。売電支持者にとって、マスクを知ることが愛国心の表れ、と言われている)


Spring has come!!!待ちに待った、まさにそんな感じだ。
憎しみと緊張に覆われていた空気が、明るく輝いて見える。人々の表情からだ。
午後は仕事をしながら、MSNBCの中継をイヤホンで流し聞きしていたが、キャスターやコメントを求められている人たちの声が嬉しそうで、またトランプに対してより激しい糾弾の意見も聞かれた。そんな中、バイデンの昨日(確定前)の演説が流れた。その声は、ああこの声が、今、聴きたい声だ、と思えた。落ち着くのだ。傷んだささくれた癒し、心を落ち着かせる声、そんな穏やかで頼り替えのある長く人生を生きてきた大人の声だ。


8時から当確をうけた、バイデン新大統領・ハリス新副大統領の演説があるので、それまでは、ワインを開け、特別なチーズとローストチキンで、お祝い気分を満喫しながら待った。
演説は、30分遅れで、デラウエアー州のウィルミングトンで行われた。
大勢の人が集まっている、遠くにいる人のために大きなスクリーンも用意されている。
車で来ている人たちが、クラクションを鳴らす。アメリカの国旗がたなびく。そんな中、
カラマ・ハリスがオフホワイトのパンツスーツに身を包んで(黒いマスクをして)登壇。光り輝くような美しさと暖かい笑顔で人々の歓声に応えた。
スピーチ内容を書くのはとても無理だが、印象に残ったのは、ハリスが、「ジョーはヒーラーだ」と言ったことだ。ヒーラーは傷を癒す人、そうまさにその声に菅ギタ通りだった。
また彼を『Audacity』と表現した。直訳だと大胆なのだが、その時意味したのは、人々を元気づけ引っ張ってゆくエネルギー;ガッツがある、そういう意味だそうだ。
そして、ハリスは、アフリカ系の、アジア系の、ラテン系の、ヨーロッパ系のすべての女性たちに、希望と勇気を!!!と述べた。


そして彼女の紹介で、バイデンが登場。フツーのスーツ、小走りで現れる。とことん気さくだ。そして、演説が始まる。大声援とクラクション。青いアメリカも赤いアメリカも無い、あるのはユナイテッド・ステイツ・アメリカだ。アメリカを一つに、すべての人種と、女性と、LGBTへ、民主主義を取り戻し、分断を融和に、COVED-19の災禍を科学者と連携して克服し、失われた国際社会の信用を取り戻す。それを穏やかではあるが力強く人々に
宣言した。


プレジデンシャルボイス、という言葉がある。”大統領にふさわしい声”、これはとても重要で難しいと言われている。新しい大統領がこの声を獲得するのには時間がかかる(そんな声を持てなかった大統領もいるし、)しかし、8年の副大統領時、特に演説が印象に残るとか声が力強いとは感じていなかったバイデンが、これぞ大統領の声で演説を果たした。人の心に働きかけ、心を落ち着かせ、慰め、勇気を与える声だ。ワタクシも含め多くの人がファーストチョイスではないと思っていたバイデンだが、今、みんな彼で良かったと思っているはずだ。希望を与え、勇気を喚起することのできる大統領はいるだろうが、癒す力のある大統領はバイデンだけだ。アメリカの人たちは、COVED-19と分断の争いに疲れ果てている、そして何よりトンデモトランプの醜悪に疲れ果てていた。アメリカがこんなことになって、と心がカサカサになっていたのだ。


最後にバイデンはオバマ政権時の合言葉を口にした。
「Yes We Can !!!」大きな歓声が沸いた。


これから、まだまだ、醜さに直面しなければならない。自分のためだけに民主主義の根幹たる選挙制度になんの根拠も示さず疑義を唱え不正呼ばわりし、裁判を起こし、もしかしたら支持者の暴力を煽るかもしれない。しかし、彼が大統領でなくなることがこれほど人々の心を明るく、強くするのか、と身をもって感じている。大統領でいるうちとそう出なくなるとわかった後では、全然違う。


演説が終わり、空に花火とドローンで78の文字が現れた。78? ああ、そうか、バイデンの誕生日は、11月20日、78歳になるからだ。最高の誕生日、そして彼の政治家人生をかけた大仕事が始まる。おめでとう、ジョー・バイデン大統領、今夜はいい夢を。


安倍菅政権のわけのわからなさと強権に辟易している日本の人たちは、『絶対間違えを認めない、法律を屁理屈で捻じ曲げる、理屈が全く通じない、そして権力の座に居座り続けたい人間の処理の仕方』をこれからのアメリカに学べるかもしれない。



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