密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

アメリカの移民政策にはしゃぐ自民党議員 移民解釈のちぐはぐ

昨夜、弁護士 猪野 亨さんのブログを読んでいて、引っかかったので調べてみました。
共産党員の移民排除? トランプ大統領の国家分断政策 この- 弁護士 猪野 亨のブログ
これが、2日発表の移民局のポリシー。
USCIS Issues Policy Guidance Regarding Inadmissibility Based on Membership in a Totalitarian Party | USCIS
USCIS Issues Policy Guidance Regarding Inadmissibility Based on Membership in a Totalitarian Party
Release Date 
10/02/2020
On Oct. 2, USCIS issued policy guidance in the USCIS Policy Manual to address inadmissibility based on membership in or affiliation with the Communist Party or any other totalitarian party. Membership in or affiliation with the Communist Party or any other totalitarian party is inconsistent and incompatible with the Naturalization Oath of Allegiance to the United States of America, which includes pledging to “support and defend the Constitution and laws of the United States.”


The new policy manual section provides guidance on how to adjudicate inadmissibility due to membership in the Communist Party or any other totalitarian party in the context of adjustment of status applications.


In general, unless otherwise exempt, any intending immigrant who is a member or affiliate of the Communist Party or any other totalitarian party (or subdivision or affiliate), domestic or foreign, is inadmissible to the United States. This addition to the policy manual will help officers adjudicate this inadmissibility ground consistent with federal law.


移民局が、トランプが仕掛けた、米中貿易戦争、TikTok などへ圧力から、中国共産党を槍玉にあげたい気持ちを反映したポリシーのように感じる。共産党その他の全体主義政党・グループ所属者(any other totalitarian party. Membership)の移民を許可しないというもの。しかし、中国(共産主義)・北朝鮮(社会主義国家)キューバー(共産主義)のように名指しはしていません。国を名指ししたら問題になるからでしょう。


アメリカの共産主義者に対するアレルギーというか恐怖症は、日本の比ではない。最近もトランプは、バイデンを社会主義者、ハリスを共産主義者といい、そういえば相手を貶めた気でいる意味不明の愚かしさを露呈しましたが、結構一部のトランプな人たちには効果があるようです。


拒否の理由は、
共産党またはその他の全体主義政党の所属員および協力者は「合衆国の憲法および法律を支持および擁護する」という誓約を含む、アメリカ合衆国への帰化宣誓と矛盾し、両立しません。Membership in or affiliation with the Communist Party or any other totalitarian party is inconsistent and incompatible with the Naturalization Oath of Allegiance to the United States of America, which includes pledging to “support and defend the Constitution and laws of the United States.”


というものですが、憲法のどの部分、法律のどの部分に矛盾するかはっきりしません。中国系アメリカ人の団体が訴訟を起こせば、そこではっきり論じられると思うのですが、その動きはまだありません。どのみち、自国の非資本主義を信奉している人が、彼らにとって、悪の枢軸アメリカに移民をしたいはずもなく、あえてというなら、迫害(トランプ政権はこの迫害による難民申請に消極的ですが、受け入れは行われてきた)、あるいは、諜報活動・騒乱テロを目的とした場合、を想定でき、後者に神経をとがらせているのでしょう。


さて、この移民政策を巡って、”小躍りする日本の右翼層は日本を分断させようとする危険思想 ” ですが、自民党衆議院議員渡邉哲也氏という方が、このようにツイートし、その手の趣味の人たちが盛り上がっている、ということです。ツイートを転載するやり方がわからないので、内容をコピペします。
共産党員とその関係者の方々へ 悲しいお知らせです。 10月2日 米国が共産党員と関係者などの移民を禁じました。また、米国へ赴任予定がある方や留学予定がある方、移民を希望する方は、共産党や関係者と関係を持たない又は距離をとることをお勧めします。 https://uscis.gov/sites/default/files/document/policy-manual-updates/20201002-PartyMembership.pdf…
Translate Tweet
8:28 PM · Oct 4, 2020·Tween


この方は、移民局のポリシーを拡大解釈しています、というか、イミグレーションを勘違いしているのかな? ”米国へ赴任予定がある方や留学予定がある方”は、全然当てはまりません。ビザと一括りにしているようですが、学業や研究、駐在などのビザは、非移民ビザ、仕事・観光等の3ヶ月以内の短期滞在にはビザはいりません。
ちなみに、今は非移民ビザの申請は全てオンラインだそうです。移民局の慢性人手不足による仕事の遅さを緩和し、対応の高圧的態度を回避するいい方法だと思います。

移民ビザは、永住権および市民権習得に際するものです。別に移民局は日本共産党を念頭には置いていないでしょう。そもそも、自民党こそ、any other totalitarian party. 日本の中で、今や押しも押されもしない独裁可能な全体主義政党です。
とはいえ、移民局にとっては、日本は人畜無害のトランプのペットの国です。


アメリカのイミグレーションは、常にポリシーが変わります。それは、移民対策を立てられると困るからです。移民申請に行き、かの有名なイミグレーションラインに朝6時から並び(並んでる時に、二階建てバスから観光客に写真を撮られたときは、正直すごくムカついた。)入館10時、その上、必要書類入手にたらい回しされ、結局、イミグレーション専門の弁護士に頼むのが一番、という結論を身を以て知ることになる。移民の国アメリカも時々の情勢によって、いろいろな防波堤を立てます。今はトランプの影響で中国脅威論がかなり市民に染み付いています。残念ながら、コロナも、環境破壊も、自分たちが貧しいのもみんな中国のせいにしてしまえというトランプ無策の責任回避作戦の短絡的誘導に乗りやすいのがトランプな人々です。


それはさておき、なんでアメリカの移民ポリシーで、日本の人たちが、こんなに得意になって盛り上がれるのかわかりません。究極の対米従属?アメリカのやることはなんでも正しいと思うのでしょうか? 自民党の党是である我田引水ですか。


結局、お金持ち権力者の既得権益を、絶対擁護するために、彼らを底辺で黙々と支える素直な一般国民への、ガス抜き、不満解消の仮想敵として利用されてきた、社会主義・共産主義。しかし攻撃している人多くの人たちは、この考え方深く学んだこともなく、ステレオタイプだけで攻撃する。


日本で、今、最も論理的で確かな調査力に裏打ちされた質疑を行う議員たちが活躍しているのは日本共産党だ。国会追求・野党共闘の要で、男女平等、共同参画を実践しているのも、流行り廃りに流されず、自分の取り組みを個々人がじっくり続けているのも日本共産党。各人に、個性があって人間味がある。人を貶めることで自己実現を図るような甘ったれはいない、人々の痛みに寄り添える人たちで構成された政党だと思う。


過去の事例から、共産主義国家が独裁化しやすい、という傾向も確かに語られますが、それが思想としての共産主義の否定材料にはならないと思う。資本主義の行き着いた先、屁理屈による法の捻じ曲げで、独裁を完成させている資本主義国もある。


誰もが自分が所属する社会形態の理想像を持ち、現行の法を遵守しながら、理想に近ずける努力をすることは当然のこと。アメリカが共産主義の移民を拒否したからなんだというのだろう。そんなことを持ち出して、日本の国内で誰かを攻撃したり、貶めたりする材料にしてしまうのは、あまりに幼稚で情けないことだ。


PVアクセスランキング にほんブログ村

ランキングに参加しています。
宜しかったら、両方をクリックしていただけると嬉しいです。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ