密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

バイデンの感染を心配する日本メディアの軽さ+バイデンはどんな人なのか。

トランプが感染し、入院した。日本のメディアの中には、ディベートで広角泡を飛ばしてトランプからの飛沫を浴びているだろうバイデンを心配する向きがある。


バイデンと壇上に上がった夫人、司会のクリスも陰性だった。とはいえ安心はできないという論調もある。中には高齢のバイデンがなくなったら、のような気の早いというか、生きている人にかなりひどいことを平気で書いているメディアもある。
自分の国の首相には、不敬だ、縁起でもないと言葉に気をつけて、口をつぐみ、他国に対してはこれか?イラっとする。


飛沫感染は6feet(180cm)の距離を取るべきというのが、アメリカのソーシャルディスタンスだ。当然、大統領ディベートも、これ以上の距離が取られている。見た感じ、3倍(訂正実際2倍、3m60cm以上 実際4m5cmあったようだ)は取られている。正面からの写真だけでは、近く見えるかもしれないし、日本のコメンテーターが、プラスティックのガードもしていないと、言っていたが、そういう認識は、日本のように怖いくらい接近している状態なら(居酒屋さんとか隣と1mも離れていないし、アクリルしきいがあっても怖いくらいだ)絶対必要だろう。

上からの写真だともっと距離を実感できる。大事な大統領ディベートだ、そこは用心に用心を重ねている。とはいえ、100%とはいえない以上、この後も、関係者は数回の検査を受けるだろう。


高齢だから、認知症だ、トランプから、コロナが感染したら、死亡の可能性、そうなったらどうなる、と面白半分な論調。もちろんそういう場合の対処は、きちんと決められているので、大騒ぎしてああだこうだいう必要はない。


ワタクシは、バイデンが一押しではなかった。トランプのようなダーティーファイター相手では(そのダーティーファイトを大きく逸脱した狂気のワンマンショーだったが)彼は紳士過ぎると思えた。また、認知症というがその情報は姑息なトランプサイドの吹聴。確かに失言や言い間違いが多いが、それは認知症より性格。若い頃からそうだったようだ。
穏やかそうに見えて頭に血がのぼると、思い余って、言いすぎてしまうのも欠点で心配されたきた。認知症説は、ヒラリーの時も流布されていた。


またバイデンは幼少期から吃音症に苦しみ、その克服に20代前半まで要した。鏡の前で詩の朗読を続けていた。そうして政治家になり47年も現職で国に奉仕してきた。吃音を持つ子供は、心が繊細で、人とのコミュニケーションに、臆病になったり、間違えまいとすると余計出てしまったりする。
ディベートを見ていると、トランプはそういう弱みも考えてあえて攻撃していた。卑怯であり、紳士的であるべきディベートにあるまじき行為だ。
ストレスがかかれば、今も吃音が出ることもある。それを、トランプの尻馬に乗って認知症呼ばわりとは、、、。


トランプは、「コロナに対して、もう少し賢く(smart) 振舞っていたら」、というバイデン発言にきれて、自分を賢く(Smart)ないなどというな!!!とバイデンこそ、ビリだった(事実無根)とムキになった。Smartということにトラウマでもあるの?って感じだ。
共和党反トランプグループで作るリンカーンプロジェクトは、早速、この動画をアップ

I'm Smart
細かいところは英語が得意でない方には、厳しいだろうけど、合衆国大統領が、最も有名なステイツパーク(ヨセミテ)のスペルが読めない!とか、第二国歌の歌詞も知らず、途中で口パクから首振りというところはわかりやすいだろう。
どうも、日本ではこういう ” Un Smartー賢くないこと”には、うんと寛容で、外国人の片言の日本語や吃音の人の方を劣っていると思う人が多いようだ。


まあ、弁護士でもあるバイデンは、手に負えない坊ちゃん時代を過ごし、私立の軍隊式寄宿学校に無理やり送られたトランプより、勉強も努力もしてきただろうし、また勉強ができなかったわけがない。吃音を克服した彼は、だからこそ薬物依存の息子が立ち直ったことを誇りに思うと誰の前でも心から言える。
1972年12月18日自動車追突事故で、妻と娘を亡くし、二人の息子も瀕死の重傷を負った。
バイデンは、一度は息子たちの看病・世話を理由に議員職を辞退しようとしたが、当時民主党の上院院内総務であったマイケル・マンスフィールドから辞退を思い留まるよう説得を受け、議員に就任することを決意、1973年1月から他の議員と同様に通常どおり登院し、議員活動を開始した。この時バイデンは30歳で、30歳での上院議員はアメリカ史上5番目の若さだった。通常は議員になるとワシントンD.C.に居住する議員が多い中で、彼は息子たちの為に、毎日片道1時間半かけてウィルミントン郊外の自宅とワシントンD.C.を電車通勤した。


そして、2015年5月30日に事故で生き残った息子の一人を脳腫瘍のため亡くした。


本人も、1988年45歳の時、ウォルター・リード陸軍病院に入院(トランプが今いるところ)、手術を受けた。脳動脈瘤が破裂したのが原因であり、この時バイデンは一時危篤状態に陥るなど、生死の境をさまよった。さらに同年5月には2度目の脳動脈瘤の手術を受けるなど、バイデンはもはや議員活動の継続も危ぶまれた。しかしバイデンは懸命のリハビリを続け、入院からわずか7ヶ月で復帰した。


何故この人ばかり、と思ってしまうほどの悲しみと困難に襲われてきた。バイデンはオバマのサイドキックではなく、凡庸な政治家でもなく、ゆるふわの老人でもない。努力の人であり、不屈の人であり、人の痛みがわかる人である。トランプと同じ水準、あるいはそれより下に見て鼻で笑うなど恥ずかしいことだ。日本には尊敬に値しない権力者が多いが、同じように考えてはいけない。


バイデンの、感染and 死亡をご心配のコメンテーター様各位、ご心配されなくても、アメリカは大統領に関しては特に、様々な場合の想定でその対応が決められている。
それからアメリカの人たちは、本当に真剣に今回の大統領選挙の成り行きを心配している。人によっては、即、命に関わることになりかねない。民主主義の破壊を止められるか、人種差別の肯定、武力による殺戮にも発展することを本気で心配しているのだ。だから、面白がるのはわかるけれど、もう少しリスペクトしてもらえないだろうか。 


みなさん、メディアの言い草ではなくて、ディベートの様子を本当に知りたかったら、編集されていない映像をご自分の目で見ることをお勧めする。英語がわからなくても、十分どんなことが行われたかわかるだろう。

First Trump-Biden presidential debate moderated by Fox News' Chris Wallace | FULL
司会を務めたFoxNews 提供のノーカット版です。(FoxNewsと言っても、保守派ではあるが、ジャーナリズムであるものと、そうでない極右Foxがある。トランプな人々は後者を見ている。Foxチャンネルもいろいろあるし)


最悪のディベートを作り出したのは誰か?二人に同等の責任があるのか?罵り合いだったのか? そういう表現が適切なものだったのかどうかが、お分かりいただけるわかるだろう。



追記;
NY Timesが、トランプの病状を伝えている。それぞれの立場で異なることを言っているが、呼吸器をつける状態であった(ある)という。今週末は予断を許さないという発表をマーク・メドウズ大統領主席補佐官がした。トランプは躍起になって否定、動画配信でメッセージを出した、が、あまり元気なようには見えなかった。共和党上院議員も3人目が感染、これで最高裁判事指名の、上院決議はコントロールできなくなった。


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