密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

ワーケーションよりバケーション

Go To Travel が、すっかりGo To Troubleになっている安倍政権。ステルス作戦でとにかくほっかむりしてなにもしない作戦に出た安倍晋三だが、分身たるアベノマスクの再来でまたもや国民の怒りを買っている。 そこまでして一体誰を設けさせたかったのか?


そんな税金の無駄遣いを尻目に、新たなキラキラキャンペーンをミスター”問題ない”の菅官房長官がぶち上げた。その名も”ワーケーション”


地方で滞在しながらテレワーク活用でのんびり仕事をしよう、というものらしく、”おもてなしHR”https://omotenashi.work/column/bits_of_knowledge/6374 という、これもいかにも電通くさ〜いノリのサイトで紹介されている。こういうことを調べてみると何処の省庁の所管なのかという出てくるべき情報が出てこない。


Wikipediaでは、
ワーケーションとは、「ワーク」(労働)と「バケーション」(休暇)を組み合わせた造語(かばん語)で、観光地やリゾート地で休暇を取りながらテレワーク(リモートワーク)する働き方。在宅勤務やレンタルオフィスでのテレワークとは区別される。
ノートパソコンやインターネットとモバイルブロードバンドが急速に普及した2000年代にワーク・エンゲージメントが高いアメリカで始まったとされ、日本でもリゾート地に置かれていた研修・保養施設を情報通信技術の発展に伴いIT産業のような出社勤務が必ずしも必要でない業態がサテライト・オフィスとして利用するようになったことで広まった。


”2000年代にワーク・エンゲージメントが高いアメリカで始まったとされ”って、
本当かなぁ? だいたい、アメリカ人は、バケーション中に仕事なんてしない。株が変動して顧客がハラハラしても担当がバケーション中だと電話にも出ない、なんてこともある。休暇中に仕事を持ち込むなんて、そういうのは休暇とは言わない。
このWikipediaも、何処の省庁の所管かも載っていない、どうも怪しい。


そもそも、忙しさ自慢なんてするのは日本人だけだ。忙しくないと自分がダメな人?みたいに思ってしまう社会が確かにあると思う。
(メキシコ人からみるとアメリカ人も仕事の虫?ードラマ刑事コロンボで、コロンボ夫妻が、クジで当たった?メキシコ旅行ではぐれ(お約束)、コロンボだけが取り残され現地の捜査協力に駆り出される。その時、コロンボが、『自分は休暇に来ても、仕事のことが気になっちまってねぇ、仕事の虫っていわれるんだが、、』と運転手に話すと『そりゃぁだんな、俺たちは”ただのバカ”て呼ぶよ』と切り返された。日本人に愛されるコロンボは仕事の虫で、メキシコでワーケーション?)


この”おもてなしHR”でも、実質的な不具合があるのに、そこはスルーしている。
3〜4日の旅行中どうしても仕事から離れられないビジネスマンや経営者がパソコン抱えて、旅行中仕事をする、というのなら、日本ではよくみる光景だろう。しかしワーケーションは、より長期の滞在、かつ特定の地域密着を匂わせる。だいたいどれくらいの滞在を見込んでいるのか?1週間?2週間?その滞在費用は?費用払うなら仕事なんかしたくないよね?そう思うのはワタクシだけ? だいたい、そのくらいの休暇をフルで取れないのなら、休暇の体制を見直すのが”働き方改革”ではないのか?


我が妹は、忙しい忙しいとしょっ中言っていて、倒れるまで休みを取らない。
姉が結婚してアメリカにいるのに、17年間、結婚式を含めてただの一度もきたことがない。彼女は、水戸黄門の印籠のように、仕事が忙しい、という。
ハドソン渓谷の深い緑も、フロリダの白い砂浜とエメラルドグリーンの海も、彼女はきっと見ることはないだろう。永遠に忙しいのだ。
忙しい人は寂しい、その人を思うことも淋しい。


話が逸れたが、だいたいそのくらいの短期滞在で仕事もしようというのなら、いざとなると、あれを忘れた、これを忘れた、など、テーター化していない諸々のことがトラブルの原因になる。ワーケーション前に全てデジタル化してフラッシュドライブに分類し、整理して再確認して、、、大仕事だ。機器が対応出来ているかとかの作業環境のチェックも必要だろう。


正業を持つアメリカ人の多くは、セカンドハウスを持っている。1人2件まで、夫婦で4件までの持ち家に税金が優遇される。それ以上だと税金が高くなる。ダブルインカムだと、夫の退職金で、家のローンを完済し、妻の退職金でセカンドハウスを完済するプランで、退職後はセカンドハウスでのんびり過ごすか、メインハウスを売って、南の地でコンドミニアムを買うか、バケーションビヘコー(キャンピングカーのすごいやつ)を買って夫婦で放浪の旅に出る人もいる。
セカンドハウスは、現役時代には、週末や休暇をのんびり過ごす場所となる。


ワーケーションのイメージのように、緑の囲まれた美しい環境で、リフレッシュし、お昼には家族でバーベQ、泳いだり、釣りをしたり、カヤックをしたり、ハイキングをしたり、という感じ。そこで、ちょっと溜まった仕事をかたずける、レポートを書く、そのくらいならアメリカ人もセカンドハウスで週末にやることもあるだろうが、そこはホテルではない。私物も置いてある自分の家だ。
セカンドハウスを持たない人たちもバケーションレンタルで休暇を楽しむ。ただそこに仕事を持ち込もうとは思わない(コロンボ以外は?)。


そういう点から見ると、安倍総理は理想的なワーケーション・モデルだ。
別荘で、午前中はテレワーク会議、その後ゴルフ、そしてお友達とバーベキュー・男たちの悪巧み、だ。きっと菅さんも総理をイメージキャラに据え、ワーケーションを打ち出すつもりかも(星野動画の二の舞だろうが)


だいたい日常の延長を別の場所でするとなると、車での移動は必須、意外なほど、色々持って行くものがあるのだ。我々も南北移動の時期は大騒ぎだ。


だったら、いっそ地方に家を持ち、テレワーク中心で仕事をし、月一度ぐらい、一泊か二泊で地域の中心地の会社に出勤する、というスタイルを本格的に推し進める方が、現実的だ。 そして休暇は100%休暇として取れるようにする。


ワーケーションは変なイメージをつぎはぎした、嘘くさいプランに見える。


共産党の志位委員長が、ズバッと名言
「怪しげな横文字を出してくると、大体ろくなことではない。余暇を過ごしながら仕事というのは、余暇と言わない。それは仕事だ」


共産党の志位和夫委員長は28日の記者会見で、旅先で休暇を楽しみながらテレワークを行う「ワーケーション」の推進を掲げた菅義偉官房長官を批判した。「怪しげな横文字を出してくると、大体ろくなことではない。余暇を過ごしながら仕事というのは、余暇と言わない。それは仕事だ」と述べた。
 同時に、新型コロナウイルスの感染拡大を巡り「政府が取り組むべきは、GoToトラベルがどういう問題を引き起こしているかについての分析だ」と強調した。


決して実質の伴わない、広告代理店政権の変なキャンペーンは、結局雇用者に有利な『働かせ方改革』でしかなく、また新規事業立ち上げのシステム委託企業への儲け話でしかない。


国民を騙してむしりとることばかり考えるから、こんな”怪しげな横文字を出してくる”のだ。


バケーションも、権利としてしっかりとれる社会、退職後も安心してハーベストを味わえるだけの年金を支給できる社会、その高齢者社会を支える人たちが仕事として充分満足する収入や将来設計ができるシステムのある社会、それを作るのが政治の役割だ。



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