候補者討論会を断る小池知事+山本太郎氏出馬宇都宮氏エール
山本太郎氏が都知事選出馬表明をした。街角記者会見という全国行脚、人々との直接対話をコロナで封じられ、そうなれば当然、手応えも遠くなり、寄付も集まりにくい事だろう。しかし、衆議院選での躍進を狙うなら、もう少し我慢して、体力温存でもよかったのではないか? 空気を読まず、同調圧力に屈せず、自ら切り込んで活路を見出す、というやり方で進んできた山本氏には、次の攻撃的一手が必要だったのかもしれない。
山本氏は、宇都宮氏と票を食い合うという懸念に、ポピュリズム・知名度勝負で、小池氏の票を削り、無党派層・無関心層に食い込む、と述べた。
だったら、反小池・反安倍自民・反維新の人たちは、色気を出してウロウロせず、ブレずに、宇都宮氏に投票すればいい。マスコミがこぞって、山本氏と宇都宮氏共倒れ、小池氏有利と報じれば、それだけで、小池氏を利する印象操作が成立する。それは愚かな事だ。
宇都宮氏は、山本氏出馬を受けて、『討論を重ね、より良い都政のために、共に戦いましょう」とエールを送った。維新推薦の小野氏も討論をしたいと強調、山本氏も望むところだろう。日本の選挙にかけていることは、この候補者討論・ディベートだ。政策、人となり、を伝え、機敏な判断能力、ユーモアも含めた知的バックグラウンドも必要とするライブ・ディベートほど、選挙の醍醐味はないのに、日本は名前を連呼して、回ることにエネルギーを裂く。よくない風習だ。
そして、もっと良くないのが、現職が、同じ土俵に立とうとせず、討論逃げ回ることだ。
小池都知事は、日本記者クラブが企画した候補者討論会の出席を拒否した。
まあ、公約実行0、築地を始めとする、曖昧にしておいてのだまし討ちなど、そこを攻められたら、いくらはぐらかし答弁がお上手な小池知事でも、言葉に詰まるだろう。それは、実際に、答えられないことをしてきたからだ。
もちろん他の3候補とも、学歴詐称問題を政策討論に持ち込むなどという下品なことはしないだろう(立花氏はするだろうが)。ただし、平気で嘘をつく、人を利用し切り捨てる、そういう根本人格の持ち主に、国民の代表として権力を付与し、税の再分配を任せ、法や制度の構築にかかわらせるということが、どれだけ社会を劣化させ、人心を荒廃させるかは、多くの人が身を以て知る今日この頃だから、小池氏の学歴疑惑や、人間性について多くの人が注目することは大切なことだ。しかし、相手候補のスキャンダルをつくことは政策論争の場に持ち込むのは自分も貶めるゆえにマイナスだと思う。それはマスコミに任せておけばいい。
小池知事は、結局、都民はイメージで投票するので、学歴疑惑もファクトチャック・徹底検証がなされない自分よりのメディアに(自分よりの国からも声明を出させたし)証書をこのギリギリで提示した(都知事選までに反証が間に合わないように?)
”提示した”という事実を打ち出し収束を目論み、自分がボロが出そうな討論は、非常時公務優先という建前(石原前都知事も使った、選挙どころじゃない、俺は忙しいんだ、都民のために獅子奮闘のポーズ、印象操作)で逃げるつもりだろう。
都民はなぜ小池氏が討論に出ないのか?を注目すべきだ。小池氏が天性の嘘つきか否か、ではなく、討論で誰が何を語るか?を注目すべきだ。誰が言葉に詰まり、支離滅裂になり、狼狽。論理破綻し、逆ギレするか。
小池氏が出たくないなら、ほっといて、候補者討論を大いに盛り上げるべきだ。欠席裁判もOKである。本人が出て来ざるをえないくらい、小池都政を叩き続ければいい。
人々が興奮する討論が、どんどん立ち上がれば、そこに参加できない現職知事の無責任と頼りなさが際立つ。
ところで、小池氏に年齢を表示・連呼させるために、立花氏は同姓同名の候補を立てると言われている。N国からではなく、ホリエモン新党(??)からだという。こういう嫌がらせを思いつかせたら右に出るものはないなぁと感心する。セクハラ、エイハラ全開のいやらしさだ。まあ相手は小池氏、そんなことには鼻も引っ掛けないだろう、いや逆にブライトフル・リタイアメント・ライフ政策とかをうちだされそうだ。高齢者を味方につける絶好の機会となる。とにかく、濃いメンツが揃ってがなり立てるほど、落ち着いて虚飾のない宇都宮氏の存在が光る、ということもある。人の印象はバランスによる。
山本太郎氏、小池氏の票を削れる感触が思うほど見込めない場合、討論を経て、立候補辞退、宇都宮氏支持表明というどんでん返しもできないわけではない(これは逆もあってもいい、政策の近い候補同士で、どちらがいい都政ができるかで考え合わせるということで一本化が起こってもいいと思う)。
特に山本氏は、これで大きく負ければ、のちの国会議員としての出馬、また山本氏を看板に掲げるれいわの候補に悪影響となる(野党分裂を招いた戦犯、前の選挙の、前原氏状態になる)となれば、そういう選択も賢明だろう。
山本知事旋風となる機運もあったと思うが、今は、遅きに失した感がある。裏切り者、お騒がせなやつ的な印象もついて回る。山本氏が望む小池氏とのポピュリズム勝負も、ステルスを駆使する小池氏と矢面に目一杯立つ山本氏。日本的には小池方式(臭いものに蓋、喉元過ぎれば熱さ忘れる)の方が、しかも短期であるため有効のような気がする。
それでも山本氏の並々ならぬ真摯な情熱で、人の心を動かせるかもしれない。その未知数を常に感じさせる山本太郎氏である。
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