密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

雑記;無声映画とパイプオルガンライブ

昨日Tampaシアターでコロナ自粛下の地元特別イベントTV配信があった。
Tampaシアターは、大変美しい劇場だ。



名優バスター・キートンの無声映画に合わせて、パイプオルガンの生演奏という、無声映画時代に実際行われていたやり方で配信された。パイプオルガンは荘厳な宗教曲を奏でる印象があるが、一台でオーケストラ、様々な音色を作ることができるゆえに、無声映画に欠かせない楽器だったということを知った。3層の鍵盤演奏に加え、ハンドルやボタン、足元のペダルを操る超絶技巧。大掛かりなものは、助手をつける場合もあるが、昨日は、上の写真左端にあるの小さ目のオルガンで演奏者一人で演奏された。


南北戦争のときの、蒸気機関車による逃走劇(バスターキートンの列車大追跡)

キートンの大列車追跡 [DVD]
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クライマックスで、本物の機関車が、木造橋の崩壊で川に墜落するシーンがある。
この機関車は、撮影地のカリフォルニアの川に95年間、今でも存続している。
キートンファンの聖地巡礼地? 


アメリカ(ヨーロッパも)は、資産家Dilettantism ディレッタンティズム:仕事としてではなく自分自身のために芸術や学問を「楽しむ人」を意味する。語源はイタリア語の「dilettare(楽しませる、楽しむ)」。ディレッタンティズムとは、そうした享受の仕方や態度を指す。)による美術館やシアターへの寄付が通常に行われている。タキシードやイブニングドレスの人々がシャンパングラスを片手に美術館に集う資金集めパーティーもよく行われている。St Petersburg Musiumでは、一般の愛好家のために、カルテットなど演奏家を呼んでランチパーティーを月に何回か行なって小学寄付も募る。


資産家ディレッタントは、運営委員会にも参加している(ホイットニー美術館におけるアーチストの作品撤去抗議行動は、巨額の寄付を行ってきたSierra Bullets社ー催涙弾等の製造販売を行なっている)取締役の運営委員解任を要求して行われた)
3日で中止あいちトリエンナーレとアーチストが出品を拒否ホイットニービエンナーレ - 密接な関係にある他国から
ホイットニービエンナーレ作品とアートの定義 - 密接な関係にある他国から


話は逸れたが、彼・彼女ら後援者・出資者は、それなりの芸術に対する高い見識を有しているので、美術館やシアターも質の高い企画を行わなくてはならない。
そして自分の事業の宣伝など、影響力を利益誘導に使用してはならない。そうした非難を浴びることは、恥であり、また企業のマイナスイメージだ。芸術の私物化は許されない。


ディレッタントのルーツは王侯貴族で彼らが芸術家を大切にし養ってきた歴史だ。
日本にもお抱え絵師とか、民間にも、数寄者、好事家のような人々がいたが、現在では巨額の寄付で芸術を支えるイメージはあまり聞かない。目の高いコレクターというイメージだ。王侯貴族のポジションを行政が担いテイストレスは否めない。ましてや某政権のように展示内容に圧力をかけるなどもってのほか。ナチスも芸術弾圧ー退廃芸術展で自由な表現を追求する芸術家たちを槍玉に挙げ辱め用とした。その陰でピカソなどの”退廃芸術”認定作家の作品も買い集めていた。この行動は、ヒットラー自身の芸術に対する執着の現れだが、芸術に特に関心のない(優雅に美術館訪問のポースも自分を良く見せるアクセサリー程度だ)イージーリスナー的鑑賞者、反知性主義のこの総理は、放置、無視、無駄なもの扱いで支援打ち切りという、無関心政策。これで芸術が育つはずもない、いや生き残れない。


その上、日本では、表現に従事する人間を、下に見ている感がある。”勤労”をしていないというイメージがあるのか?一芸に秀でる人を**バカと思っているのか? 
歌手、コメディアン、パフォーマンサー、アーチスト、が政治的発言をすると、そんな資格はないと攻撃する。歌を歌うのも、正確な音程、楽譜の認識、リズム感、歌詞の理解という特別に大変な頭脳労働に加え、美しい声という”Gift"が備わっている特別な人たちだ、ということを忘れている。(文筆業は、政治的発言をすることを認められているようだが)コメディーも、スポーツも、演技も、映画映像製作も、アート(絵画、彫刻、インスタレーション、デザイン)も、すごい頭脳労働が必要で、バカではできない。そうした突出した感覚の人たちが、鋭い社会への目線を持っていても何も不思議はない。というより、持っていて当然なのだ。社会のために自分を殺して労働してお金を得ていることが生産性のヒエラルキーのトップで(実はボトムなのだが)一番尊く、まともな人生。だから政治批判などは自分たちの専売特許、と思うなら大間違いだ。


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