密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

70歳まで働き、介護ビジネスに全てを吸い上げられるハッピーリタイアメント

アメリカで日本の国民年金と同等の位置にあるソーシャルセキュルティーからの年金(そのほかに働いていたところによって、別の年金が入る)。
そのソーシャリセキュルティーは、
<1300ドルを稼ぐ毎に1クレジット得られ、年間で最大4クレジット(5,280ドル分の稼ぎ)まで得られ、「40クレジット分」の労働を提供していることが受給の条件。1年間働くと4クレジットになるので、10年働けば受給資格を得られる。>
であり、62歳から受給できる(満額支給は、65歳から、1960年以降は67歳)


個人の判断で受給開始年齢を先延ばしにでき、1年延ばす毎に、受給額が8パーセントずつ増え最長70歳まで伸ばせる。(現行で40%、60年以降でも24%増の年金支給が受けられる)またパートナーに対する受給もあり、インフレにも対応している(COLA、Cost-of-Living Adjustment)


ヨーロッパに比べ、格差社会で厳しいと言われるアメリカでも、最低限命を繋げる額と、
残された配偶者への利益も考慮され、かつ、どれだけ健康で精力的な人も、70歳でリタイアーしてください。そう、システムは言っている。


多くのアメリカ人は、退職後の人生を楽しみに、自分の仕事に励む。仕事を人生の第一義、ましてや国への貢献のために滅私奉公など、クレージー。


多くの人は、愛国心を普通に当然のように表に出す。ただ、従軍することを、ステイツへのサービスと認識している(それでも、命の危険がある仕事なので、人々は退役した人に、敬意を払い、様々な軍人割引や、医療サービス、配偶者込みの無料のお墓も用意される。)国のために死ぬ覚悟を問うなど、気の狂った発想である。


日本のお年寄りで、アメリカのお年よりのように、人生を存分に楽しんでいる人を見かけることは少ない。老後の幸せを満喫することが自分の人生の誇りでもあると多くのアメリカ人が考えている。


元来遊び下手と言われる日本人、それでも昨今は自分の趣味を大事にする人が増えている。その趣味を生活費の心配もなく、強制された人間関係に悩まされず、しっかり働いてきたその人生の成果を満喫できる、それを老後(ハーベスト)という。


政府は、実態のない『人生100年計画』なるものを打ち出し、70歳まで雇用を促進(そうなると日本では、あっという間に、70歳まで働くのが普通の世の中になる)
そして70歳まで年金を納め、70歳から受給(75歳の伸ばすなどという非人道的なことも考えているそうだ)。それを当然の義務のように打ち出すが、本来は、アメリカのように、受給金額の上積みを提示し、個人の選択がベースにならなくてはならない。選択といっても、年金が少なすぎて生活できないから働かなくてはならないは、選択と言えない、経済的強制労働だ、70歳までこき使い、働くかぎり年金積立義務を課し、また70歳まで働けるなら年金は70過ぎからでいいよね、などという虫のいい本末転倒を打ち出しているのが現政権だ。


60を過ぎれば疲れやすくなり、無理が効かなくなる、という人が多い(ワタクシなど50をすきた時点でそう感じ始めた、徹夜などできなくなったし、無理をすればミスが多くなり、ガスケツのように体が動かなくなる、トホホ)


70歳まで定時に出社し、若い人間に支持された仕事をし、高齢者だから残業免除という厳然とした規制でもない限り(あったとしても)「お願いしますよ〜」が断れないのは高齢者の方だ。


そして70歳過ぎてやっと、年金それも、月10万以下で、その頃家族から、認知症を疑われ、うっかりものを落としり、忘れたりしたら、心配(危険視)され、年金の範囲内でまかなえる介護付き老人ホームの入れられる。そこで悠々自適? いやいや相当高級なところなら話は別だが、概ね集団生活は規則づくめの寄宿舎状態、安全という名の軟禁生活。個人の個性を大切に、生き生き老後生活など、どこもハンで押したように謳っているが、そのサービスは提供する側が決めた、彼らの画一的なプランであり、高齢者を一律に高齢者として効率的に扱うことに終始する。低賃金の介護職員は常に人手不足。介護ビジネスの会社のみ、彼らの責任は絶対回避で、老人たちを管理し、年金と補助金を吸い上げる。又しても誰かさんの考える、国民の人生は刈り取る米作物的な、とことんまでビジネスのタネにする分野となり始めている。


日本にいる妹は、半年前父母を新しくて綺麗な老人ホームに入れたが、今に至るまで、母が徹底抗戦、悲痛に出してくれと訴え、電話で怒りを妹にぶつけ続けている。
管理が優先で、窓があるベランダがあるが窓は開かない、出ることはすべての入居者に禁止されている、というのを聞いて、嫌な予感がしたが、妹も、殺人的に忙しく、そこにいてもらえば安心という思いがある。しばらくアメリカに来るかと聞いても、それは嫌と瞬殺(何しろこの16年間で、結婚式で渋々フロリダきて以来、父は一度も、母は一度NYに着たきりだ。妹は忙しくて、まだ一度も来れていない。)


アメリカで、特にリタイアメント・ステイツであるフロリダで、たくさんの人の老後の過ごし方を見て来た。最低限の年金の人でも、それなりに、人生を楽しんでいる(150万円くらいでコンテナハウスを買い<輸送料こみ、内装済み最低額。自分で組み立てればもっと安くつく>、コンテナパークでお隣さんと柵のない暮らしをし、一緒にビールを飲んだり、釣りに行ったり。特にお金のかかる旅行に行きたいとかなら、レジ打ちや販売員などのバイトして資金を得たりもするようだ。) 


また日本では高齢者がアパートを新しく借りることができないとも聞いた。孤独死されると困るからだ。アメリカでも最後まで自分の家だ暮らしたいという意思を持ったお年寄りが孤独死?するが、孤独死を選べる自由がアメリカにはある(持ち家ということもある。
不動産業者はお年寄りの一人暮らしの家をしっかりチェックしている)とはいえ、アメリカは結構ご近所づきあいがあり、大都会マンハッタンでも独り暮らしのお年寄りに、近所の人が、見守る(挨拶したり、話をしたり、頼まれれば、ついでに買い物してあげたり)。近所のストアーの店員も特別に目をかけたあげたりしているのが普通。NJに住む友人は、近所の老婦人のために、ついでの買い物を申し出たり、落ち葉かきをしてあげているそうだ。また豪雪時のBeaconでは、雪かき機を持っている人が、お年寄りの家の前を無料で雪かきしてあげたり、雪かき、芝刈りは伝統的に、子供たちのお小遣い稼ぎの方法なので、みんな、彼らがビジネスにやってくるのを楽しみにしている節もある。


独り暮らしのお年寄りが、新聞を取りに出てこないと、ソーシャルワーカーがドアをノックするという感じの気配りがされる。自分で生活が難しくなりそうだと判断すると、公的なナーシングホーム(高介護の老人ホーム)に入るというプランもある。全ての財産を、孫子に譲り(あるいはどこかに寄付し)個人資産を0にするのが条件で、本人の意思で入る。Dさんママは、子供達に命じて自分の意思でそういう準備をしていた(でも入ることなく亡くなった)最後まで個人の独立を徹底していた方だった。


日本の介護離職や、子供たちの意思で老人ホームに”入ってもらう” これは、親子のつながりが、密でありすぎる日本の悲劇だと思う。親も子も、一人の別人格の人間として関わることが基本のアメリカと比べ、子が自分の所有物と感じる親が少なからずいる日本では、自分個人で生きるではなく、子供を必要とする。また子供も、親に当然のように援助を期待したり、過剰な子育てサポートを期待したりするし、また年老いた親に責任を感じすぎ自分の人生を壊してしまうところまで行ってしまう。


しかし、そうした部分をサポートするのが行政の役割であるのに、自立しない親子関係、日本的倫理観を利用した、経済的共同責任や、介護全般を自己責任として家族に押し付け、行政の責任を放棄・その実新しいビジネスチャンスも広げようという、偏った一部の人間の魂胆が透けて見える。


ただ、年金縮小、70歳支給では、せっかくの介護ビジネスを先細らせる?そこで、国民に自分でお金を貯めて、なんとかしろよと、警告。


70過ぎて独り暮らしはダメと、集団管理生活に送り込み、効率よく管理して、生涯かけて積み立てた年金を吸い上げ、個人の貯金も吐き出させ、かつ補助金で税金も流用させる。


最後まで、自分の人生を生きることができず、社会に食い物にされることが当然と思い込まされる(自分の幸せ追求は身勝手、命を惜しむのは利己的、この国の血となり肉となり礎となるのが愛国的国民の義務?)日本はひどく悲しい、恐ろしい国になってゆく。


自分が自分自身の人生を死ぬまで自分のものとして生きる、その当然のことが犠牲にされていることに、もっと危機感を持ち、怒らなくてはならない。そして変えなくてはならない。


もちろん、自分自身も、個人という人生を生きる自覚、べったりと誰かに寄りかかり、
誰かがいなければ、生きている意味を見出せない、という感覚を変えてゆかなくてはならないと思う。そういうことが確立できて、初めて、他人に無償で親切にしたり、親密に友人と付き合いを続けたり、積極的に楽しく行き来する親子関係ができてくるだろう。


アメリカの悪いところばかり追従している日本。でもアメリカが諸悪の根源なのではなく、自分の国のメンタリティーを無視して(利用して)格差社会の推進をしている、日本の政治の冷酷に問題があると一般の市民がもっと自覚すべきだろうと思う。


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