密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

安倍政権改憲広告ローラー作戦の恐ろしさ+アーチストその魂の売り方

池田香代子さんが、元広告代理店の著述家本間龍氏を招いて、改憲に向けた自民党(電通)の広告ローラー作戦を解説。
令和改元の号外に一斉広告を打つ自民党、社会全体を覆い尽くすラッピング広告など、今後改憲に向けて、膨大な資金力を持ち自民党が電通を使って展開する広告の可能性は考えるだに恐ろしい。



改憲へ 自民党広報が本気を出してきた 本間 龍さん 池田香代子の世界を変える100人の働き人 21人目


池田香代子さんも、度々、怖くなってきた、と口走った。全ては物は言いようで自分たちの都合のいいように言葉と理屈を操り制度を改悪してきた安倍政権。
前にも書いたが、10代に狙いを定めた、広告動画について、意味のない空疎な内容に首をかしげる池田さんに、本間氏は、10代にわかればいい、伝わればいい作り方をしているので、中高年はわからない、それでいい、そう言う目的だから、と解説する。
七人の侍?未来を作る?自民COOL企画で際立つ安倍晋三の異物感 - 密接な関係にある他国から


それにしても、10代の子供達というのは本当にこんなことに乗せられるほどバカなのだろうか? 社会を知る前の子ども時代というのは、鋭敏で潔癖、どこか大人を見下していたように思うし、それは、今の子たちも変わらないだろう。
それでも子供達は、見下しながら、長い物には巻かれろという、早熟な諦観を獲得するのか? 幾人かは巻かれ、幾人かは絶望し拗ね、幾人かは信じ込み、幾人かは疑問を持ち、幾人かは抵抗し戦う。それは全世代でも同じように思う。


上記の自民宣伝用のサムライイラストを書いた天野喜孝氏が、この制作へのコメントをサイトに掲載しているそうだ。
天野氏曰く『ベラスケスも宮廷画家だった』と、、、物言えば唇寒し令和の風。よほど、アーチストとしての良心が咎めているのだろう。


ベラスケスもゴヤもルーベンスも同時代宮廷or宗教画家だった。
ゴヤもポートレートを生業として王侯貴族に仕え、晩年に”我が子を食うサトゥルヌス”に代表される人間の暗部を主題とした作品を残し、商売上手なルーベンスは弟子を使いゴウジャスな静物画を売りさばき、肖像を描き、しかし、その宗教画では圧巻の世界を築き上げ、またゴヤとは別の意味で、”我が子を食うサトゥルヌス”を書いている。(プラト美術館で見たときに、ルーベンス嫌いが一変した。)


せめて権力になびくアーチストの処世術を言うのなら、ナチスに高額で作品を売り続け、
そのお金を打倒フランコ政権レジスタンスに資金おくり続けたピカソの例でも持ち出せばよかったのに(いや公安に目をつけられるか、、)。その方が子供達に受けただろう(しかし10代の子の何人がベラスケスを知っているだろうか? 彼がハンサムに漫画化されていなければー小林多喜二のようにー多分ほとんど知らないだろう。でもピカソくらいは知ってる子もいるだろう)


芸術家が時の権力者になびくと言う構図、しかしその裏でも芸術家たちは、色々な手段で
反抗・自己の作品の尊厳を保つ作為を試みてきた。


宗教画の体裁を取りながら、エロスを描きいれた作品は山ほどある。静物画でありながら、その配置でモチーフで、人生の悲哀・無常感、金・権力の虚しさを表したヴェニタス画、美しい花の影にうごめく毛虫も好んで描かれた。そうしたものが人気を博したのだから当時の人々の絵画に寄せる見識の深さを見る思いだ。


ミケランジャロにひどく横柄な態度で接したし役人はシェステーナ大聖堂の壁画に、蛇に股間を食われて苦しむ姿で描かれた。


東京美術学校(現在の芸大)の秀才の誉れの高かった藤田嗣治は、多くの日本軍礼賛の絵画を描き、戦後心が砕けて、フランスに渡り、日本国籍を捨てた。
戦時下の状況から、靉光は戦争画を描く事を当局より迫られ「わしにゃあ、戦争画は描けん。どがあしたら、ええんかい」と泣くようにいったという。結局、軍礼賛絵画を拒否したため画材などの配給も受けられず、ボロボロの画布にくらい粗悪な絵の具を塗り重ねた作品を残し、戦地に送られ、戦地からの復員を待たず、38歳で病死した。


アーチストといえども、いろんな人がいる。世の中とうまくやれる人、やれない人。
それでも魂の売り方に気をつけないと、一番苦しむのは自分自身だ。


今の日本を見ていると、アーチスト(美術家・音楽家・演技者・コメディアン・パフォーマンサーなどなど、)が、権力を持つ側に取り込まれることが、圧力・脅迫などを抜きに容易に行われているような気がする(5輪と言う餌も下がっているし)。名声・資金力・影響力・人間関係それらが自分のバックにつく、誘惑に抵抗できるアーチストは少ないかもしれない。(総理大臣はそうしたコミュニケーションには特にマメなようだし)


そして、そうでない人たちは、今とても苦しいだろう。ネット上で炎上などと言う匿名リンチが横行すれば、それはとても怖いだろう。英雄的に振舞う必要はないし、多くの犠牲を押して信念を貫くなど誰にでもできるものではない。どこまで妥協できるか、どこまで誘惑に抗えるか、そんなレベルなのだが、それでも、自分の魂の売り方をよくよく考えた方がいい。ただ、政治家は真剣の上にも真剣に、考えて欲しい


このままではいけないと思いつつ日々を過ごし、言いたいことを飲み込んだり、言いたくないことを笑顔で言ったり、やりたくないことを引き受けたり、心の中であれこれ思い、迷いためらう、そんな善良な人のために、中原中也『寒い夜の自我像』第1章を、、、。


きらびやかでもないけれど、
この一本の手綱(たづな)をはなさず
この陰暗の地域をすぎる!


その志 明らかなれば
冬の夜を、我は嘆かず、
人々の憔懆のみの悲しみや
憧れに引廻される女等の鼻唄を、
わが瑣細(ささい)なる罰と感じ
そが、わが皮膚を刺すにまかす。


蹌踉(よろ)めくままに静もりを保ち、
聊(いささ)か儀文めいた心地をもって
われはわが怠惰を諌める、
寒月の下を往きながら、


陽気で坦々として、しかも己を売らないことをと、
わが魂の願うことであった!



PVアクセスランキング にほんブログ村

ランキングに参加しています。
宜しかったら、両方をクリックしていただけると嬉しいです。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ