罪を犯せば友人を持つことも許されない?
Me Too運動、伊藤詩織さんのつらく厳しい勇気ある戦いなどで、日本でも、女性への性的嫌がらせ(女性の反応の読めない強引な接触も含め)、性暴力に社会全体が厳しい目を向け始めていることは、女性の人権後進国の日本にとって大変素晴らしいことだと思う。
しかし、俳優新井浩文”容疑者”の女性への強制性行の”疑い”による逮捕をめぐるバッシングの激しさは常軌を逸している。(芸能人不倫バッシングも同じ色調だ)一億総裁判官状態ジャスティス・ハイで、すでに社会から抹殺の刑が結審したかのようだ。
本人は、強制性行を認めているとはいえ、被害者の主張と食い違いを見せている部分もある。強制性行と言ってもその中にも罪の重さに段階もあるだろうから、きちんとした捜査
裁判を経て罪と罰の妥当なバランスを保って裁かれなければならない。
しかし、彼の心に寄り添いたいと思う人間は何人も許さない、と社会が責め立てるのは、
如何なものか。犯罪者の更生の点においても、この国の大きな問題点であろうと思う。
ムロツヨシ氏のツイートに非難が殺到している事実に、こうした一億総右向け右の恐ろしさを感じてしまう。
すっかり人気俳優、ムロツヨシ(43)のツイッターが炎上中だ。
2月1日、俳優の新井浩文容疑者(40)が強制性交の疑いで逮捕。ムロと新井容疑者は仲がいいことで知られており、新井逮捕の一報が出た直後にムロはこうツイートした。
〈目を見て、悪いことをした、と言ったら、思いっきり、叱ります、嫌という程、叱ります、それだけです、まだ目を見てない、だから俺は普段通り、これから飲みいってくるよ、来れそうだったら連絡してな、いってくるね〉
芸能ライターのエリザベス松本氏が言う。
「ムロさんのSNSは、主語がないことがしょっちゅう。ですが、これはどう見ても新井容疑者に向けたものですよね。このツイートには5日現在で約2100件のコメントが付いていて、多くは〈叱って済むレベルじゃないでしょ〉〈飲みに誘うとか、被害者やその家族の気持ちをまったく考えてない発言〉とムロさんを非難する声です」
間が悪いというか、新井容疑者逮捕翌日の2日にムロはツイッターを更新。内容は〈こっから、また、応援しよう〉。この投稿はサッカーアジア杯の日本とカタールの決勝が終了した直後だったため、サッカーの話と捉えたファンも多かったが……。
〈もう完全に無理。ムロさんに嫌悪感しかない〉〈レイプ魔を応援するなんて…嫌いになりました〉
新井容疑者に向けたエールと勘違いし、ムロを非難する声が殺到。4日になってムロは、この投稿について〈アジアカップの決勝戦をみて、代表への思いでした〉〈誤解を招くような呟きを反省して、謝罪させてください〉〈被害者の方に対して配慮がありませんでした、申し訳ありません〉と正式に謝罪ツイートしたが、現在も炎上中だ。
「ムロさんは、昨年放送されたドラマ『大恋愛』で新たに多くの女性ファンを獲得したばかり。新井容疑者が起こした事件が事件だけに、今回のムロさんの発言は女性ファンが去っていく可能性もあります。私もムロさんのファンですが、一連の発言は擁護していると誤解されても仕方がない内容かと……。新井容疑者に声をかけたいなら個人的にメッセージを送ればよかった。どうして公の場で発信してしまったのかと残念です」(エリザベス松本氏)
好事魔多し、か。
「ムロさんは売れっ子になってからも鼻にかけるところがない。そういう性格だから、逆にいつかやらかすと思っていました。売れっ子になった今、人気者は反動も大きいという自覚が薄いままでは、命取りになる」(芸能プロ関係者)
せっかく上り調子のムロにとって大きな痛手となりそうだ。
もし自分がこうした犯罪的事態(強姦はできないが)を起こしたら、〈目を見て、悪いことをした、と言ったら、思いっきり、叱ります、嫌という程、叱ります、それだけです、まだ目を見てない、だから俺は普段通り、これから飲みいってくるよ、来れそうだったら連絡してな、いってくるね〉
こういうことを言ってくれる友人がいることで、何より深く自分のしたことを反省する、真摯に自分に向き合い被害者に向き合おうと思うだろう。
犯罪を犯したら、その人に心を寄せる人まで取り上げる、絶対袋叩きしかない社会は、やはり多様性のない社会と言えるのではないか。
もちろん被害者の受けた傷、悔しさを”代弁”して正義の鉄槌を下したいのかもしれないが、被害者の傷を癒すのは、加害者の真摯な態度による謝罪以外ないのだし(もちろん許されない場合もある)加害者を心からの謝罪に向かわせるのは、一時的に熱狂する社会的制裁ではない。それはより心を荒ませる。(この正義の大騒ぎ、あるいは被害女性バッシングの人間たちが被害者も苦しめているということも想像に難くない)
”新井容疑者に声をかけたいなら個人的にメッセージを送ればよかった。どうして公の場で発信してしまったのかと残念です” 確かにそのとうりだ(取り調べ中の被疑者に、友人という立場の人間が、何かを伝えるすべがあるならだが。)ただ、ムロ氏は、社会的絶対悪人に認定された友人に対して、そう認定している社会に自分も矢面に立って、友人としてメッセージを送りたかったのかもしれない。十字架を共に背負うというメッセージにも取れる。人間、時として大きな間違えを起こす、だからこそ、こういう友人が欲しいと思いませんか?
被害者の方のそばにも、ムロ氏のような友人がいて欲しいと思う。
まだ裁判は結審していない。リンチはほどほどにしたほうがいい。
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