密接な関係にある他国から

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金正恩ここへ来て揺さぶり 歴史的成果を産む「陣痛」

おととい、我が家に滞在していた友人が、『NBCが、北朝鮮が南北会談をキャンセルし、米朝会談も中止か?という記事を載せている』`といった。
トランプにノーベル賞など言語道断、と友人はこの混乱を歓迎しているようであった。
トランプにノーベル賞は私も嫌だが、アジア人としてはそうも言っていられない。非核化が頓挫し北朝鮮が強硬姿勢に戻ることは、東アジアの平和が遠のき、日本では、またしても安倍の北朝鮮危機利用支持率回復に利用され改憲勢力を勢いづかせる。


即座にハンギョレ新聞を見たが、記事にはなっていなかった。CNNもこの時点では記事は無し。まだ、結論の出ていないこと?、信ぴょう性に問題?と思っていたが、16日CNNが記事を載せ、17日早朝ハンギョレに記事が載った。

(CNN) 北朝鮮の金桂寛(キムゲグァン)外務省第1次官は16日、朝鮮中央通信(KCNA)を通し、米国が一方的に核放棄を要求するなら、来月に予定していた米朝首脳会談を再考するとの警告を発した。
金次官はこの中で、「米国は核放棄と引き換えに経済的な補償と恩恵を与えるというが、我が国の経済建設を進めるのに米国の支援を期待したことはなく、今後もそういう取引をするつもりはない」と強調した。
そのうえで、トランプ米政権が北朝鮮との関係改善を純粋に追求するなら「相応の対応」をするが、「我々を追いつめ、ただ一方的に核放棄を強要しようとするなら」首脳会談の開催を再考するしかないと述べた。
金次官は、米国のボルトン大統領補佐官が北朝鮮の非核化について、リビアがモデルになるとの見方を示したことに強く反発。
金次官は、「核保有国である北朝鮮と、核開発の初期段階にあったリビアを並べるのは全くばかげたこと」「我が国が悲惨な運命をたどってきたリビアやイラクではないことは、世界中がよく知っている」と主張した。さらに、ボルトン氏に対する反感を隠す気はないとも断言した。
北朝鮮は16日未明、米韓空軍が実施している合同軍事演習を理由に韓国との高官会談を中止すると発表し、来月の米朝首脳会談も中止する可能性を示唆していた。
これを受けて、韓国の康京和(カンギョンファ)外相は16日朝、米国のポンペオ国務長官と電話で会談した。ポンペオ長官は「北朝鮮の動きに留意しながら米朝首脳会談の準備を続ける」と述べ、両氏は「朝鮮半島の完全な非核化と平和解決」の実現に向け、引き続き緊密に連携を取ることで合意した。



北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が1月1日に発表した新年の辞以降、平昌五輪を経て順風に乗ったように巡航していた朝鮮半島情勢が16日、乱高下した。北朝鮮が文在寅(ムン・ジェイン)政権とドナルド・トランプ米国政府に相次いで強力な“警告メッセージ”を送った。1月以降、青信号がともり続けた南北関係と朝米関係に、突然“黄信号”がともった。青信号に戻るか、それとも赤信号へと悪化するかをめぐり、様々な分析が飛び交っている。


22日(現地時間)に米ワシントンで開かれる文在寅大統領とトランプ大統領の韓米首脳会談の結果や、朝米首脳会談に向けた水面下交渉の推移、それに対する北側の内部評価が相まって、情勢に重大な影響を及ぼすものと見られる。23~25日に予告された咸鏡北道吉州郡豊渓里(プンゲリ)「北部核実験場」の廃棄現場の公開日程にも影響しかねない。
 

北側は、16日に開かれる予定だった南北高官級会談の「延期」通知の事実を午前3時に、6月12日にシンガポールで開かれる予定の朝朝首脳会談を「再考することもあり得る」というメッセージは午前11時過ぎに、それぞれ「朝鮮中央通信」を通じて公開した。前者が北側会談団長のリ・ソングォン祖国平和統一委員会委員長が南側首席代表のチョ・ミョンギュン統一部長官宛に0時30分に送ってきた「電話通知文」形式の公式通知である一方、後者は「キム・ゲグァン外務第1次官の談話」という「とても独特な形で発言の公式性をきめ細かく調整した立場表明」(元高官)である。
 

両事案は発信と受信の主体が異なり、切り離して分析する必要があるが、互いに繋がっている部分もある。両事案に込められた北側の核心メッセージは、一方的譲歩はない▽対北朝鮮敵対行為を中止せよということだ。
 

まず、北朝鮮が南北高官級会談の延期を通知する際、問題視した内容は大きく分けて二つだ。米国の最新鋭ステルス戦闘機F-22ラプターが参加した韓米共同演習「マックスサンダー」▽テ・ヨンホ元駐英北朝鮮公使の「反金正恩」発言だ(北朝鮮は実名の代わりに「人間ゴミ」という表現を使った)。北側はこれを「無分別な北侵戦争騒動」と「対決乱動」だと規定した。そして、「すべては正気をなくし踊らされている南朝鮮(韓国)当局に責任がある。米国も…朝米首脳会談の運命について熟慮すべきだ」と非難した。南側政府が主な標的になっている。
 

しかし、約10時間後に「朝鮮中央通信」を通じて公開された「キム・ゲグァン談話」はトランプ政権を直接非難するものだった。特に、いわゆる「リビア式解決策」や「北朝鮮の核兵器の廃棄と米国への搬入・解体を先に行うべき」と主張したジョン・ボルトン・ホワイトハウス国家安保補佐官に照準を合わせた。金委員長と2度にわたり対話・交渉したマイク・ポンペオ米国務長官については言及しなかった。北側は「一方的な核放棄だけを強要するなら、朝米首脳会談に応じるかを再検討するしかない」と明らかにした。ただし、北側は「果たして、米国が本当に健全な対話と交渉を通じた朝米関係改善を望んでいるかについて、疑念を抱かざるを得ない」としながらも、「トランプ政権が、朝米関係改善に向けた誠意を持って朝米首脳会談に出てくる場合は、我々もそれにふさわしい応対をする」として、余地を残した。
 

北側は16日夜にも「朝鮮中央通信」を通じて、「米国がB-52戦略核爆撃機とF-22ラプターステルス戦闘機を含めた核戦略資産を投入し、歴代最大規模の「マックスサンダー」演習を行っていると非難したが、B-52は演習に参加しないと軍当局が確認した。
 

これに先立ち、金正恩委員長は文大統領と「4・27板門店(パンムンジョム)宣言」を合意・発表し、朝米関係改善の基本原則と方法論も重ねて明らかにしてきた。
 まず、南北首脳は3カ条で構成された板門店宣言で、「朝鮮半島にこれ以上の戦争はない」と宣言した後、第2条3項と第3条4項で、一切の敵対行為の全面中止▽「完全な非核化」と「核のない朝鮮半島」の実現などを約束した。南北首脳は、「完全な非核化」と「核のない朝鮮半島」の実現が共同目標であることを確認しながらも、これを朝鮮半島における「停戦体制の終息」と「恒久的であり、強固な平和体制の構築」(第3条)の細部項目(4項)として提示した。さらに、金委員長は中国の習近平国家主席との「大連会談」(7~8日)で「朝鮮に対する敵視政策と安保脅威がなくなれば、朝鮮は核を持つ必要がない」とし、朝米対話を通じた相互信頼▽段階的・同歩的(同時的)措置▽政治的解決プロセス全面的な推進などの“方法論”を提示した。
 

北側が「マックスサンダー」を「板門店宣言に対する露骨な挑戦」だとして、「朝鮮半島の非核化」は「米国の対朝鮮敵視政策と核の脅威、恐喝を終わらせること」(キム・ゲグァン談話)と“等価物”だと主張したのもそのためだ。
 

朝鮮半島問題全般に詳しい元高官は「北朝鮮のメッセージは対話を中断するのではなく、むしろうまく進めようというものとして見るべきだ」と話した。彼は「朝米核交渉の象徴的存在であるキム・ゲグァンという“当局者個人談話”の形で、政府・外務省声明・談話よりも公式性が著しく低いが、個人筆名の論評よりは伝達力が高い独特なメッセージの発信方式を選んだ内容に注目する必要がある」と指摘した。
 

ただし、最近の朝鮮半島情勢が文大統領と金委員長、トランプ大統領の政治的決断にゆだねられた「トップダウン方式の突破型情勢」である点を考慮すると、「これまでの流れが変わることはないだろう」というのが、専門家たちの大方の予想だ。実際、ユン・ヨンチャン大統領府国民疎通秘書官は同日午後、「今の状況は同じ絵を描くための至難な過程であり、良い結果を生むための陣痛だと見ている」とし、“政府内部でまとめられた情勢評価”を明らかにした。朝米の間に隔たりがあるものの、「完全な非核化」と「朝米敵対関係の解消」という歴史的成果を得るためには避けられないという意味で、「陣痛」に喩えたのだ。
 

政府は「統一部報道官声明」を通じて「板門店宣言の履行への確固たる意志」を強調し、「関連省庁間の緊密な協議を通じて必要な処置を取っていく」と明らかにした。ポンペオ米国務長官はカン・ギョンファ外交部長官と電話会談で、「米国政府は北側の今回の処置に留意し、朝米首脳会談の準備を続けていく」と明らかにした。ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は「フォックスニュース」に出演し、「我々は会談が開かれることを依然として望んでおり、その道をこれからも進んでいく」としながら、「同時に、我々は困難な交渉になるものとみて、対策を立てている」と述べた。韓米政府が非常に慎重な対応を示している。


中国とアメリカを対峙させ天秤に乗せたりもしている、北朝鮮一流の交渉術?アメリカも米朝会談は行われる方針に変わりはないようだ。米中、すでに北朝鮮の開発利権に目がいっている状態で、アメリカとしては何としてもイニシアチブを取りたいところ。加えてトランプは儲け話が大好き、この状態をビジネス交渉と捉え、彼の大好きな、恫喝と条件闘争を行うだろう。北朝鮮もこれに対抗、利権を目の前にぶら下げつつ、中国も巻き込んでアメリカと対等に渡り合おうとしているようだ。


それにしても、北朝鮮の小国の生き残りをかけた、したたかな外交手腕は、自国の誇りと独立を守る意思も働いている。ポチ外交の日本も見習うべきところがある。


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