密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

100歳の銅版画家浜田知明・戦争の加害性の証言

浜田知明氏は最も有名な銅版画家の一人である。ダリやルドンのシュルリアリズム(以前大学で仏文の教授がシュールリアリズムと巷で言うが、シュルリアリズムが正しいと力説していたので、正しい方を使う)の影響を色濃く受けたアーチストとして認識していた。


今、5月のグループ展に出品するグラスエングレービング制作のため、線描・点描の様々な表現を参考のため調べたいて、浜田知明氏の作品を改めて見て衝撃を受けた。
特に初年兵哀歌のシリーズはシュルリアリズム(超現実主義)ではなく、リアリズム(写実主義)である。以前の私は戦争、特に他のアジア諸国での日本兵の行為についての知識もなく、だから、作品全般をシュルリアリズムと見てしまっていたということだ。
無知は芸術家の魂の声をも遠ざける。本当に恥ずかしい話だ。
下の作品を見たとき、ドキュメンタリー映画”日本鬼子”をはじめとする、中国の送られた兵士の証言との合致に、初めて浜田氏の経歴を調べると、日本軍が残虐を極めた中国山西省に兵役されたいた。
初年兵哀歌は日本の加害行為への視覚的証言でもある。




そして、この100歳になられた、浜田氏の展覧会が、東京町田の版画美術館で3月10日より開かれる。町田駅から結構歩くが、瀟洒な美しい美術館だ。

宣伝やポスターには上記のようなリアリズムの作品は採用されないのは残念であるが、東京にお住いの方は、ぜひ行って見てほしい。


奥崎謙三というアーナキストを中心に、ニューギニアに送られた部隊の飢餓と人肉食を扱った原監督の”ゆきゆきて、神軍”を、渋谷のユーロスペースで見たときに、絶対に自分も他の人もこんな目にあってほしくないと強く思った。マイケル・ムーア監督が「生涯観た映画の中でも最高のドキュメンタリーだ」と語っている。同感だ。ドキュメンタリーを芸術だと感じた始めたの経験だった。しかし残念なことに、英語版は編集された?と思う。英字幕を購入しDさんと見たが、『人肉食、特に、まず捕虜から食べるが、白人を”白豚”黒人を”黒豚”と呼び、選んで食べ、のちに仲間を食べたていった』という重要な証言は無くなっていた。Wikipediaにも、奥崎謙三は、かつて自らが所属した独立工兵隊第36連隊のウェワク残留隊で、隊長による部下射殺事件があったことを知り、殺害された二人の兵士の親族とともに、処刑に関与したとされる元隊員たちを訪ねて真相を追い求める。と記されているのみ。ドキュメンタリー修正主義?

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同じく日本の監督によるドキュメンタリー『日本鬼子』リーベン・クゥイズーと読む。

日本鬼子(リーベンクイズ) 日中15年戦争・元皇軍兵士の告白 [DVD]
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中国の友人に勧められて見た。浜田氏の作品そのものの、いやもっと非道な証言を納めている。
中国山西省日本軍残留問題を描いたドキュメンタリー映画。軍の横暴に蹂躙された一般兵士の慟哭。

蟻の兵隊―日本兵2600人山西省残留の真相 (新潮文庫)
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同様の証言は多数ネット映像配信されている。英語字幕での中国・韓国・インドネシアの生存者の証言もいくつか見た。その中で南京事件あるいは南京大虐殺(英語ではNanjing Rapeと呼ばれている、この方がしっくりくる)の生存者の老婦人は『もう何十年も経っている、許す気持ちの用意はできている
けれど謝ってもらえない』と語ったことだ。幼かった彼女は隠れて、両親が殺され、姉が強姦され殺されのを見のを見るて、自分の瀕死の怪我を負わされたのに。


日本の人々の多くは、なんどもお金を払っている、謝っていると思っている。しかし日本政府は謝ってはいないのだ。謝ってお金を出していると自国民に宣伝するだけ。しかも何をしたのかも伝えないから、みんな中国韓国がしつこい、お金目当てのような印象を植え付けられている。慰安婦問題での日本政府の傲慢な態度が可視化したが、戦争責任を誤魔化し続けている。


他国で製作された南京・中国の戦時下暴力の惨状を取り上げた映像は”あまたある”(実際に私が見たのは6本ですが)その中で、特に素晴らしかったのが、


アメリカ合衆国製作で2007年に公開されたNanjing Rapeに関するドキュメンタリー映画。『南京』(英:NANKING)


陸川(ルー・チューアン)監督の『南京!南京!』も、若い監督のただ日本憎しではない、日本兵も同じ人間もであるという、多面的な視点を持って製作された、悲しく、美しい芸術作品


海外で製作された、Nanjing Rapeの映画・ドキュメンタリーはなぜか日本での販売はされていない。『南京!南京!』は有志による1日だけの上映で、日本での上映を強く希望していた、ルー・チューアン監督は、自費で挨拶に駆けつけた。


目をそらしてはいけない、多くの証言がある。その場に行かされれば、自分の意思ではどうにもならない加害地獄に落とされるのだ。そしたその記憶に一生苛まれ続ける。
お花畑の歴史修正主義などやめて、こうした人々の魂の声を聞くべきだろう。


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