密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

山尾志桜里氏を巡る新たな騒ぎは、劣化メディアにエサを投げ、目そらしをしたい安倍政権を利することになる。

山尾志桜里氏が、不倫疑惑の当事者であった弁護士を政策顧問に据えたということが騒ぎになっているというのを、うっかり見てしまったYouTub動画で知った。(立憲民主党枝野幸男チャンネルとなっていたので立憲民主の番組かと思ったら、ただのバカなバラエティーの山尾バッシングだった)この中で、若狭氏が、「国会議員は不倫してはいけない法律を作ればいいんですよ』などと言っていた。結婚をしていながら、他の異性と性交渉を持つことは、『夫婦間には互いに貞操を守る義務がありまた『貞操を求める権利』がある』『他の異性との性交渉は、他方の配偶者の貞操を求める権利を侵害する行為となり違法な行為』とされる。しかし刑事罰則は伴わない。民事法廷で争われる。元検事なのだからこうした法律の専門家(民事は別?)であろうけれど、今の風潮にながされた軽口?これが昨今の日本男性(重さは違うが女性も、)の結婚という契約への認識に軽さで、不倫なんて大したことではないと開き直っている、ファッションめいた風潮の表れである。まあ若狭氏は検事も国会議員もお辞めになってよかったと思う。


現実には、軽い気持ちで始めた不倫で人生を大きく毀損する例はたくさんある。人間であるから、契約で心は縛れないが、真剣な愛であるというのなら、直情的な性行為は我慢して、まず配偶者と調停し、結婚を解消することをやらなくてはならない。ところが、どうも男性はこの辺を甘く考えがちで、なんとかなる、うまくやろう、うまくやれると思いがちである。うまくやれる不倫も、うまくやれる離婚もないと思って間違いない。


番組では、一人擁護者はいたものの、大方の男性ゲストは妙に嬉しそうにはしゃいで山尾氏攻撃を繰り返していた。正義の名を借りて欠席裁判もどきを権利のようにがなりたてる劣化メディアの道化達。嫌なものを見てしまった。これが男性なら、対応は全然違っていただろう。不倫魔女裁判の再燃だ。


伊藤詩織さんの事件でも山口敬之氏はこれほど大事になるという認識もなく、女性にとって殺人に等しい犯罪だという認識もなく、既成事実を作ってしまえば、女性は何も言えないくらいの軽い気持ちで行ったように思える。犯罪者に限らず、一般の人の中でも、女性を物として扱かってしまう意識が社会の中で厳然と培われている。この国は今、かつての男性支配社会の中にあって、男性がその権力と引き換えに、守らなければならなかった、倫理観や道徳、男性としての責任、の部分を腐らせ、男性優位意識だけが残ってしまった悲しい封建社会の残滓だ。浅薄な強いリーダーを標榜する安倍氏のもと、劣化した愚かで卑怯な男たちが大手を振って大行進する状況が、社会を席巻しつつある。


こうした女性に対する侮りと傲慢な勘違いは自分が成功したと思っている男性に多く見られる。アメリカであれば、大成功した人物であれ、女性へのハラスメント、妻への一方的裏切りには、相応な罰を受ける。しかし日本では、成功した人間は罰を受けない社会形態になっているようだ。こうしたことが、より女性へのハラスメントやバッシングを助長しているように思える。


ところで、山尾氏の人選に関しては、優秀な人材は他にもたくさんいるのだから、あえてこういう人選をしたことは、大きなミステイクであると思う。
何がミステイクか?というと、国会質問時間削減や、森・加計問題、北朝鮮対応、トランプゴリ押しの高額武器購入(これも、お友達感覚の首相の一存で決てしまっていいことではない)など重要な問題が山積している時に、自身の問題に再び注目を集めることが、いかに衆目そらしをしたい安倍自民党を利するのか?に考えが至らなかった点である。


難しいのは、彼女の攻撃的な人事の結果が、嫌な方向に波及しても、彼女はこれを取り下げることが難しいということだ。それをやればやっぱりという憶測も生みかねないし、だからと言って押し通しては、いらぬトラブルが、野党全体の足を引っ張りかねない。


つくづくバカなことをしたものだ。小林よしのり氏は援護を行っていたようだが、それなら、事前にもう少し大人の助言をしてあげればよかったと思う。


彼女自身は否定した不倫で叩かれ、相当悔しかったのだろうと思うので、あえてこうした人事をぶち上げたのだろうけれど、国会議員としての大義を見据えて、悔しさなどは封印し、まず自身の政治家としての立ち位置を用心深く固め直すべきだったと思う。件の弁護士氏がよほどの特殊部門のスペシャリストでない限り、早々にこの人事を取り下げ、本来の役目に邁進してほしい。


政治家というのは、民衆の心に敏感でなくてはならず、民衆の心は理屈抜きに動く。ゆえに政治家は、李下に冠を整してはいけないし、藪をつついて蛇を出してもいけない。 
権力を手にしメディアもコントロールしている(しかも大衆誘導には全力を挙げている)どこぞの総理大臣なら、なんでもありなんだろうが、良識のある政治家は、自分個人のために(それが正当性の主張であれ)支持投票した人々を置き去りにして動いてはならない。


そういう意味で今回の山尾氏の人事は自分の正当性の証明のためにあえて行った私物化人事とも呼べる。本来裁かれなくてはならない私物化の権化をのうのうとさせて、山尾氏がまた集中砲火を浴びることは不条理と思うが、それを彼女自身が招いてしまった判断力の狂いを自覚するべきだと思う。そうでなければ、支援者、応援する国民の心が離れてゆくだろう。早急で適切な対処を望む。


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