ハリケーン・イルマと動物たち
巨大ハリケーン・イルマの進路の中心になると目されていた、我が家のあるセント・ピータースバーグ、ここ数日、テレビ、ネットで進路にやきもきしていたが、進路が右にそれ、フロリダ半島の中心を北上し、勢力もカテゴリー2に縮小した。
我が家は浸水もなく、庭の木の大きな枝が折れたようだが、家には当たらず、今の心配は停電(冷蔵庫の中身が腐ってしまったり、氷から床が水浸しになったりなどあるので)
親族・友人の家も大禍なくホッとしている。
驚いたのは、ハリケーンの影響で、タンパ・ベイの海水が、沖に持って行かれてしまったことだ。タンパ・ベイは東京湾よりやや小さい。空港のあるタンパから、3つの橋が湾を横断し(東京湾アクアラインのように)、そこを走ると、目の前にペリカンが横切る。
ジュゴンの親戚マナティーも生息しているのだが、2匹のマナティーが水がなくなったため、逃げ遅れ、立ち往生(彼らの場合は寝往生)見かねた住民がなんとかマナティーを移動させ水路に放つことを成功させた。
ペットたちも緊急避難
動物園も非常事態対応
今回は、キー群島とアイマミの被害が大きかった。キー群島の最南端キーウエストは文豪ヘミングウェーの家があり、彼が飼っていた6本指の猫の子孫54匹も無事生き延びて地元の人たちは安堵させた。
イルマの上陸に備えて、現地当局は厳しい避難命令を出し、避難は住民の義務だと警告していた。だが、キーウェストの観光名所でもあるヘミングウェイの家と猫を守るスタッフは、頑として動こうとしなかった。
「外側から板を張って建物を補強した。厚いベニヤ板を打ち付けて雨戸代わりにしている」と、イルマの上陸前、博物館館長のデイブ・ゴンザレスはテレビに語っていた。「キャットフードや水も買いだめした」
キーウエストは相当の被害が出たようだが、体を張って文豪の家と猫たちを守った、というのがすごい。
キーウエストの民家被害
猫たちは過去にもハリケーンを経験していて慣れていると言った。「猫は、気圧が下がると家に飛び込んでくる。いつ避難すべきかを人間よりよく察知する」
猫たちは、ヘミングウェイが飼っていた6本指の猫の子孫で、過去ハリケーンで行方不明になったことは一度もないという。敷地内の建物にはすべて、危険が迫ればすぐに屋内に逃げ込める猫用の出入り口や避難エリアが備わっている。
キー群島は、横断橋(幹線道路)で繋がれており、現在は孤立状態
フロリダキーズでは、列島を結ぶ唯一の幹線道路ががれきでふさがれて通行できなくなり、被害の程度は把握できていない。モンロー郡によると、フロリダキーズの大部分で携帯電話も電気も水も使えない状況にあり、固定電話で連絡を取り合っているという。
米北方軍はフロリダキーズの被害状況を調べるため、ヘリコプターを出動させた。
イルマ直撃で甚大な被害が予想されたセントピータースバーグは運よく洪水も起こらなかったが、それより北のジョージア州やサウスカロライナ州の沿岸部は洪水に見舞われ、観光地のサウスカロライナ州チャールストンやジョージア州サバンナでは強風で川の流れが押し戻されて洪水が発生した。
11日午後7時現在、フロリダ州では約650万世帯が停電しており、地域によっては復旧までに数週間かかる見通し。ジョージア州では約93万世帯、サウスカロライナ州でも約17万世帯が停電に見舞われている。
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