密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

韓国からのアメリカの大避難訓練、日本とアメリカの報道の齟齬


果たしてこれは有事を告げる“前触れ”なのか。9日の北朝鮮の「建国記念日」が近づき、いよいよキナ臭くなってきた。CIAと米国土安全保障省の職員がソウルに“結集”し、20万人余りの在韓米国人の退避計画を入念に確認し始めたという。6日の聯合ニュースが伝えた。


6日の聯合ニュース(NHK?) 方や、ほぼ同時期にトランプは習近平氏と電話会談し、平和的解決路線、北朝鮮に対する軍事行動は「第1の選択肢」ではないことに、100%同意したと言っている。一体どっちが本当のトランプちゃん?


在韓米軍は毎年2回、朝鮮半島有事に備え、韓国在住の米市民を安全な地域に輸送する「NEO訓練」を行っている。もっとも、これは韓国国内での避難訓練で、国外への脱出訓練ではない。ところが、昨年9月に北朝鮮が5回目の核実験に踏み切ると、ソウル駐在の米軍家族ら60人を国外退避させる脱出訓練を実施。今年6月には訓練参加者を一気に1万7000人以上にまで増やして再び訓練を行った。
これはアメリカの報道とはかなり違っている。この退避訓練は、ボランティアを募り、今年一月に10日以上の時間をかけて行われた。ソウル在住の約60人のボランティアを募って行われ、最新のガスマスクの装着も体験。沖縄をに立ち寄り、希望者は水族館を見学、その後米国まで戻るといったものだった。

US civilians on a plane bound for the Japanese island of Okinawaー軍用機に乗って日本の島沖縄に向かうアメリカの民間人




『今年6月には訓練参加者を一気に1万7000人以上にまで増やして再び訓練を行った』という事実はアメリカのどこの記事でも確認できない。60人で10日以上、1万7千人だろ何日かかるのか?マスク装着だけでも大変な仕事。兵士は軍事を放棄して総がかり。『CIAと米国土安全保障省の職員がソウルに“結集”し、20万人余りの在韓米国人の退避計画を入念に確認し始めたという』という情報と混ざってるのではないか?
聞いているといかにも有事、特別に物々しいが、CIAが退避計画? 避難計画は軍が主導。軍事面だけでなく災害面でも、色々な局面で常に入念に作られ、確認されている。
多分、前回のボランティアに寄る訓練を元に退避計画を製作したというだけのことなのだろう。


日刊ゲンダイの記事に戻ると、
「昨年の訓練は米軍の家族らをヘリコプターでソウル南方の京畿道・平沢の米軍基地に移動させ、C130輸送機で沖縄まで運ぶというものでした。今年の大規模訓練は、大型輸送機C17『グローブマスター』に避難者を分乗させ、移動距離も横田基地まで延ばし、神奈川県のキャンプ座間や厚木基地の宿泊施設に移送しました」


軍事ジャーナリストの世良光弘氏が言う。    
避難者に許される所持品は最大で27キロまで。訓練は生物・化学兵器による攻撃を12時間防止できるマスクを着用したり、実戦的かつ綿密に行われる。
正しいけれど、イメージがだいぶ違う。

写真CNNより
今のガスマスクはこんな感じなんだ。装着体験が楽しそう。彼女は沖縄の水族館も楽しんだかな?


日本報道というのは危機感をあおることに専心し結局いたずらに不安を煽りすぎる。過剰で偏った情報は、冷静な判断を狂わせ、恐怖が憎しみや偏見を生む土壌を作り、ちょっとしたことで集団ヒステリーに発展する。そのような状態は作られるべきではない。


トランプ政権は近く金正恩に「軍事的警告」を与え、朝鮮半島近くに原子力空母やB1戦略爆撃機、ステルス戦闘機F35を飛来させる案も浮上しているという。CIAによる避難訓練の点検は「いよいよ」ということなのか。


「コリア・レポート」編集長の辺真一氏がこう言う。


「米軍はすでに北朝鮮への奇襲的な先制攻撃に向けて一部の在韓米国人を隠密裏に国外避難させている可能性があります。しかし、作戦を確実に成功に導くために米軍が具体的な計画や進捗状況を明かすことは絶対にありません。だったらなぜ、CIAが退避計画を“点検”したという情報が今回流れたかといえば、金正恩の動きを牽制するために米国が意図的にリークしたのでしょう。国外退避=臨戦態勢の演出につながります。実際、クリントン政権下の1994年に北朝鮮の核施設への先制攻撃を決断しようとした際、米国は駐韓米大使を通じて米国人に国外避難指示を出しました。金正恩は今、どれだけの在韓米国人が国外退避したのか気が気ではないと思います」


 米国と北朝鮮のつばぜり合いと心理戦は続く。


日刊ゲンダイさんの言う通り、米軍の情報戦の一環? 分裂トランプちゃん?
それよりも、ビックリはこの記事。”Japan plans to evacuate 60,000 citizens living in South Korea amid fear of nuclear warー日本政府は核戦争の恐怖から6万人の在米邦人の避難を計画” イギリスのメディアの記事。ご丁寧に、Jアラートな鳴り響く中頭を抱えうずくまる日本の人々を尻目にリポートをする記者、その後のインタビューの動画も付いている

Japan is planning for a mass evacuation of nearly 60,000 Japanese citizens amid rising tensions in the South Korean peninsula.
日本は、朝鮮半島の緊張の高まりの中で、約6万人の日本人の大量避難を計画している。
Kim Jong-un fired another powerful missile of the weekend which has shocked the international community.
金正日(キム・ジョンウン)大統領は、国際社会に衝撃を与えた週末の別の強力なミサイルを発射した。
Reports suggest that the North is preparing a new missile test launch.
報告書は、北朝鮮が新たなミサイル発射準備を準備していることを示唆している。
The US envoy Nikki Haley told an emergency meeting of the Security Council in New York that the US did not want war but that its patience is “limited”.
ニッキー・ヘイリー米大使は、ニューヨークで開催された安全保障理事会の緊急会議で、米国は戦争を望んでいないが、その忍耐は限られていると語った
She said: "War is never something the United States wants.
彼女は言った: "戦争は決してアメリカが望むものではない。
"We don't want it now but our country's patience is not unlimited."
「今は望んでいないが、我が国の忍耐は無制限ではない」
Ms Haley also said that the Hermit state was “begging for war” and that only the strongest sanctions would enable the problem to be resolved through diplomacy.
ヘイリー米大使は、ヘルメット・ステイツ(北朝鮮のニックネーム)は「戦争を乞うている」と言い、強力な(経済的)制裁だけが外交を通じて問題を解決することができるとも述べた。
Swiss President Doris Leuthard pointed to her country’s long record of neutral and discreet diplomacy.
スイスのドリス・ロウタード大統領は、自国の中立で慎重な外交の長い記録を指摘した。


基本的に、日本のオーバーリアクションの退避計画と国内の悲しい避難訓練を、伝えている。こういう可笑しさはイギリス人好みだ。


さてこの壮大な避難計画、韓国は日本の自衛隊が退避計画のために自国内に侵入するのを望んでいない。当然だ、それでなくても、北朝鮮対応で大変な韓国にいたずらな混乱を招く。


では、アメリカ軍にお願いするのだろうか?6万人の避難計画、、、米軍が対応してくれるとは思えない。他国に脅威と迷惑をかけないように、本当に必要なら、早いうちに在韓国邦人の自主退避を指導し、渡航を制限すればいいのだ。もし、本当に必要だならだ。


日本政府の子供っぽい大騒ぎは、北朝鮮に対する攻撃的言動も、国民に対する効果のない危機あおりも、国際社会から浮きまくっている。


本当に核戦争の危機を感じているなら、原発をすべて止め、
金食い虫のオリンピックをやめて、各都市の小中高校に安全な厚さのコンクリートのシェルターを作るように政府主導で建設し、傷痍弾に弱い木造建築への助成金も、個人の核シェルターの助成金に切り替え、アメリカからは、武器を買うよりシェルターを注文する。


自国産の武器を開発するより、アメリカ軍のようなガスマスクをもっと開発製造し、国民に無料配布。食物や水やヨード剤の備蓄を公共の備蓄シェルター大量に備えるように指導し助成する。そういうのを真剣に国民の命を守る政府のリーダーシップというのだ。


拳を振り上げ強そうなことを言い、役に立たないやかましいサイレンで国民を脅し、役に立たないバカ高い武器を税金で買い、自分の都合の悪いことをなかったことにごまかしたい、そんな情けない首相と政府を私たちは持っている。まず、そう自覚しよう。そして彼らは、真剣に国民の安全など考えていないということを認識しよう。


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