密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

前川氏会見: 戦略特区私物化と、滅私奉公

前川前事務次官の、ほぼ1時間30分に及ぶ会見。各メデイアは、それぞれの興味に応じて部分的に、あるいは角度を持って取り上げているが、百聞は一見に如かず。

【ノーカット】前川喜平前文部科学事務次官 記者会見 6月23日
毎日新聞はこの会見を網羅して7部に分けて、きちんと正確にまとめられている。
会見を見た後で読むことをお勧めします。



大体のポイントまとめ。
<国家権力とメディアの関係>
「ひとつは、私に対する個人攻撃だと思われる記事が5月22日の読売新聞に掲載されました。私としては不愉快な話でしたが、その背後に何があったのかはメディアの関係者のなかできっちり検証されるべき問題だと思っています。私は個人的には、官邸の関与があったと考えております」


記事が出る前日には文科省幹部を通じて「和泉補佐官が話をしたいといったら応じるか」というアプローチがあったことを明かしている。前川氏はこの和泉首相補佐官の動きを「私の想像ですが『嫌な報道をされたくなかったら抑えてやる』ということかと思いました」 「(読売新聞の報道への官邸の関与について)もしこういうことが私以外の人にも起きているとするならば、これは大変なことだというふうに思います。監視社会化とか警察国家化と言われるようなことが進行していく危険性があるのではないか。あるいは“第4の権力”とまで呼ばれているメディアまで権力に私物化されているということになると、これはもう日本の民主主義は死んでしまうと。その入口に我々は立っているのではないかという危機意識を私自身ももったんですね。そのことがこの問題の大きなインパクトだというふうに思っています」


<萩生田官房副長官発言新文書>
「不確かな情報を混在させて作った個人メモ」ー主語がないことから、何人かの発言を混在させてしまったものに見える。しかし、作成者である専門教育課課長補佐は極めて優秀ですし、しっかりした人物であり、虚偽の内容を盛り込んだり聞き間違いが入ったりした文書をつくることはあり得ない・内容はほぼ事実だと思う と証言
萩生田官房副長官など官邸の対応を「情報発信者の信頼を失わせることで情報の信頼を失わせる意図。「萩生田官房副長官の何らかの関与があった可能性は高いと思っています」と述べたのだ。


<キーパーソン和泉総理補佐官>
「私の目から見ますと、和泉総理補佐官がいちばんのキーパーソンではないかと」
「10月21日付けの萩生田副長官のご発言の内容を見ても、萩生田さんは和泉さんと話をした結果として、それを文科省に伝えている。やはり情報発信源になっているのは和泉さんではないか。和泉補佐官がいちばん全体のシナリオを描いて、全体の統括もしている、そういう立場にいらっしゃったのではないかと思っています」

 前川氏は以前より、昨年9月上旬に和泉首相補佐官に呼び出され、「総理は自分の口から言えないから私が代わって言う」として特区における獣医学部新設を早く進めるようにと迫られていたことを証言している。


森友問題と加計問題は「よく似ている」森友・加計のように地方と国、国のなかでも複数の省庁にまたがる問題では「全体を調整する機能がどこかに必要」「どこかに司令塔がなければできないと思う。その司令塔の役割を果たしている人がいる」
「役所のどこを押せばどう動くかということを熟知した人間がいなければなりませんし、そういう才能を持った人なんて、そう多くはいません。官邸の中でも、私には今井尚哉首相秘書官(叔父は安倍首相と近い今井敬経団連名誉会長)、和泉首相補佐官くらいしか思い当たりません」「週刊朝日」(朝日新聞出版)6月23日号のインタビュー


<戦略特区制度と、問題の本質>
改革派と抵抗勢力の「勧善懲悪」の構図ではない。特区の良い前例を挙げた。
私が(文科省で)現職中に携わったもので言えば、たとえば不登校の子供たち。今でも12万人の規模でいるが、学校という仕組みになじめない、そんな子供たちのために学習指導要領によらない特別な教育課程を編成する仕組みができた。最初は特区でやったことだった。この特区制度ができたおかげで救われた子供たちはたくさんいた。後に全国に広がるが、特区で始まり、全国展開した非常に良い事例だった。


 また、昨年12月には、教育機会確保法という法律ができた。これも一種の規制改革の方法で、学校外での不登校の子供たちの学習を正面から認めていこうというもので、これまで「ままこ」扱いされたフリースクールを、大事な存在として認めていくということで、大きな一歩を踏み出す改革だったと思う。
<規制の「穴の開け方に問題」>
今回の問題は獣医学部の新設という規制に穴を開けたことよりも、穴の開け方に問題があると思っている。具体的に言えば、「私は行政がゆがめられた」と思っているのは、今治市における加計学園の獣医学部開設を認めるに至るプロセスだ。そこに不明瞭で不公正なものがあった。
具体的に疑問点を言えば、まず「加計ありき」だったのではないかという問題。初めから加計学園に獣医学部を作らせるという結論があって、その結論に持っていくために、さまざまなプロセスを経由していったのではないかと思う。


 また、そのために最後の段階で、さまざまな条件が付け加えられた。「広域的に獣医学部が存在しない地域に限る」とか「平成30年4月に開学できるものに限る」といった条件のことだ。さらに最後で「1校に限る」という条件を設けて、最終的に加計学園しか該当しない形に持っていった。強力なライバルだった京都府の京都産業大学を排除した。


 これは規制緩和をしたように見えるが、規制緩和にさまざまな規制を乗せることによって、最終的に一つの主体だけが恩恵を被る形になっている。その根拠や手続きがきわめて不透明である。


<ワーキンググループが本当にちゃんと検討したのか?>
この検討を進めるべき、責任を負っていた国家戦略特区諮問会議、および諮問会議のもとに設けられていたワーキンググループが本当にちゃんと検討したのかということもある。本当に専門家や関係者の意見を反映させるような審議をしたのか。


特に国家戦略特区という制度のことを考えてもらうと分かると思うが、国家戦略特区という制度は、特定の場所の特定の主体に特別なチャンスを与える仕組みになっている。その主体にだけ恩恵を与えるという制度だ。
それだけに、決定のプロセスにおいては透明性や公平性の要請が高い。それらを十分確保しながら、きちんとした検討を進めることが必要だ。



<加計理事長に取材を>
記者:菅義偉官房長官もなかなか今回の問題に関する質問に答えてくれないが、どういうふうに私たちメディアは戦うべきか。
前川:「頑張ってください」としか言いようがない。重要な人物で一切、発言をしていない人としては加計孝太郎さん(加計学園理事長)がいるので、早くつかまえて(取材して)ほしいなと思う。


会見の最後に、前川氏は後輩の官僚たちにメッセージを述べた。あまりメディアはほとんど取り上げないけれど、本当に真面目すぎる、働きすぎる、日本おすべての人々にも送られるメッセージだと思う。


記者クラブ恒例の”一筆”に「個人の尊厳 国民主権」と書いた前川氏。
『私は38年間、国家公務員をしていて、やっとその身分から解放されて一私人になっている。仕事をする中で感じたのは”国家公務員が自分を捨てて仕事をしているのではないか” ”滅私奉公のようなことをしているのではないか” ということだ。

それはいけないのではないか。国家公務員の仕事をしているとはいえ、一人の人間として尊厳を持った存在ということを忘れないようにしなければならない。


自分の信念、思想、信条、良心はきちんと自分自身だけのものとして持っていなければいけない。これが個人の尊厳ということを訴えた理由です。後輩の文科省職員に伝えたい言葉です。


これは国家公務員に限ったことではない。ブラック企業問題も、日本の人々が、仕事という名目であれば、身を粉にして滅私奉公してしまう。またそれが美徳のように扱われるきらいもある。


滅私奉公などという言葉があること自体、日本が支配者天国になりやすいことの証明だ。神風、玉砕も、国への滅私奉公である。どこか、自分をなくして誰か(たいていは、自分より上の立場にいる人間)のために働くことが崇高なことと(拒否することはわがままだ)すりこまれているのだと思う。だから、雇用者、支配者は常にそれを利用する。


その体制で雁字搦めになれば、官僚機構であろうと、ブラックバイトの学生であろうと、自分の人間の尊厳すら投げ出す、あるい、捻じ曲げられる、摩り切れさせられる事態が起こる。『自分の信念、思想、信条、良心はきちんと自分自身だけのものとして持っていなければいけない』そして、それを守れる環境が作られることが最優先で、力による干渉、経済による搾取が横行する現在の日本を変えなくてはならない。


どんな良い制度も、扱う人間に良心がなく、捻じ曲げられれば、制度は腐る。
安倍政権は、良いものも悪いものも総じて我田引水の私物化にする最悪の政権であり、
恥も良心もない政治屋集団だ。 
憲法第二十五条:
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。


安倍政権は明らかに憲法違反の政権だ。彼らそ、自分の欲・個人的な歪んだ歴史観•教育私観 個人的人間関係を排し(滅私)国民が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるように働く(奉公)べきだ。弱い立場にばかり滅私奉公を押し付ける悪辣な支配者たちを今こそ、民主主義の名の下に排除しよう。もっと怒りを!!!


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