密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

日和見コメディアンが批判に猛反発、このSNLを見て恥を知れ。

「社会風刺を芸に昇華させることが出来ない日本のお笑い芸人は、国際的な基準と照らし合わせるとあまりにレベルが低く、オワコンである」と脳科学者の茂木健一郎氏がツイットしたことに対し、コメディアン側が猛反発を受け、ネットも「自分の正義を振りかざす痛い奴」と攻撃。これを受けて、茂木氏は謝罪したそうだ。
「自分の正義を振りかざす」というコメントもイマイチ頓珍漢だなぁ。批評・批判は必ずしも”正義”を起点に行う必要はない。
幼稚な語彙で勢い攻撃し、自分だけすっきりするという類だろうか?トランプのように。 


日本TVが入らないので、この脳科学者の茂木健一郎氏のテレビでのご活躍を見ることはできないのだが、言っていることは実に真っ当で、謝罪するような種類のことではない。



記事中、コントグループ、ザ・ニュースペーパーの森友ネタが、ボツにされたことを取り上げた。
「僕は最近コントで「カゴイケ前理事長」を演じています。そう、森友学園問題の。こんなコントもしました。
 アベシンゾウ首相(舞台袖から登場し)「どうも、カゴイケさん。お久しぶりです」
 カゴイケ「あ、首相。ごぶさたです。…『お久しぶり』って、やっぱり僕ら、知り合いですよね?」
 それから二人は「お互い、奥さんには苦労しますね」と嘆きあうといった内容です。
 見たテレビ局の人が「面白い!」といってコントを放送することになりました。収録までしたのに放送当日、「すみません。放送は見送りです」と電話がきました」


可愛い平和な政治ネタ。これをボツにするなんて、理解に苦しむ。
日本は『**の政治利用するな』のような認識を持つ人々がすぐネット攻撃をするようだが、人間社会・政治への関心を含まない表現は、背骨のない生き物。
もちろん全て政治的・社会的・思想的基盤を有しなければならないとは言わない。
背骨はなくても、クラゲは美しく平和的で癒される。ただ、全ての表現が人畜無害の癒し系になっては多くの表現が存在価値をなくす。


茂木氏はこうも言っている。「トランプやバノンは無茶苦茶だが、SNLを始めとするレイトショーでコメディアンたちが徹底抗戦し、視聴者数もうなぎのぼりの様子に胸が熱くなる。一方、日本のお笑い芸人たちは、上下関係や空気を読んだ笑いに終止し、権力者に批評の目を向けた笑いは皆無。後者が支配する地上波テレビはオワコン。」
「日本の「お笑い芸人」のメジャーだとか、大物とか言われている人たちは、国際水準のコメディアンとはかけ離れているし、本当に「終わっている」。
「最近の大阪の国有地をめぐるあれこれ、その学校法人のトンデモ教育方針、アメリカやイギリスだったらコメディアンの餌食になって、人々が自由かつ柔軟にものを考える上で大切なメタ認知を提供していることでしょう。日本のテレビにそのような文化がないのは国家的損失です。残念っ。」


全くその通り。SNLがどれだけの風刺を行っているか、最近のお気に入り傑作を紹介したい。名優アレク・ボードウィン扮するトランプの大人気に続いて、メリッサ・マッカーシー(女性)演じるスパイサー報道官が人々を熱狂させている。

Sean Spicer Returns (Melissa McCarthy) - SNL
私の英語力では、全訳は不可能ですが、背景を説明しますので、英語が苦手な方は理解の手がかりにしてください。

こちらが本物のスパイサー報道官。
最近、トランプは、スパイサー報道官を邪険に扱っている。スパイサーがとても楽しみにしていたローマ法皇謁見のメンバーからの外され、激怒というニュースも流された。
彼をクビにして、FoxNewsのキァスター サラ・ハックビーをすげかえるという噂が飛び交っている。


動画の最初に出てくる黒髪の女性が、そのサラ(を演じているコメディアン)

こちらは本物。彼女は上院議員の娘。
ショーの冒頭、サラは自己紹介で、”私の父はハックビー上院議員、母は、どでかい南部のハンバーガー”と掴み笑いを取る。「スパイサーはここにはもう来ません」という彼女に、記者は、「いや、彼はそこの藪に隠れているようですが、、、、。」記者が、「サラ、あなたは常任で報道官をするのですか?」別の記者「そうです、サラあなたは実際とてもチイャーミングですが、スイパイサーは、、」といったところで、怒りのスパイサー乱入、というスタートです。


この交代の噂で、凹んでいるスパイサーのトランプへの疑心暗鬼が全体を通してのサブジェクト。その他ロシア問題など、記者たちが痛い質問に突っ込むと、逆ギレし暴れまわる。実際、常にトランプ擁護のため日々無理筋の会見をするスパイサー報道官


記者グレン(帽子にメガネのNY Tims記者、常に一番にスパイサーの攻撃にさらされる)『トランプ大統領のバカらしい(グレンはUnhingedと表現している。hingeはドアのノブ。つまりノブのないドアで、なったく使えない、転じて意味をなさないという意)、ツイッターに賛同するのですか?」
スパイサー、「グレン、お前のその口に78個のホットドックを突っ込むぞ!!それでも聞くならいいだろう、反論しよう(Offensive-反論と悪趣味という意味もある)もし彼がクレージー(Crazy like a Foxと言っている、これは定番の言い回しで、常軌を逸していると見せてずる賢いというニュアンスも含む)でしかも精神的に問題を抱えていても、支持する。」


「ロシアについての質問は受けつくけない、なぜならトランプは潔白だからだ。どうしてわかるか?彼がそう言ったからだ、以上!!」
という調子で進み、「彼の雇った弁護士も同意している。その証明するは、トランプが書留郵便で送っている。2ドルも余計に払ってだ。確認してもいい、トラッキングナンバーは******(彼がメモを取り出し読み上げるが、実は彼の口座番号で)「なんだ、これは私の口座番号だ、誰も使うな、私の金を盗むなよ、振り込むならどうぞやってくれ」
呆れる記者が再び果敢に『ショーン(スパイサーの名前)ロシアのことは本当に大きな問題なのですよ、わかっているのですか!?」するとスパイサーはおもむろに、わかっている、説明しようと、おなじみの箱から人形を取り出す(これがマッカーシー・スパイサーの毎回のスタイルで、その都度違う人形を出してきて説明するのが、可愛い。実際の子供番組の定番)


箱からマトリーシュカをとりだし、
「まず、これはトランプ、彼は最も大きく美しい。・そしてコミーこんな奴だ!!・これがコミーの友達ヒラリー・これは、、待て待て、ナンテコッタ、これは見るな!!(プーチンが描かれている)グレン、見たな〜!!・次はトランプの大親友スティーブン・バノンだ・そしてコミーをクビしたのはトランプの最も小さい小さいパートを占める、ジェフ・セッションズ!!はい、次の質問!!」 
記者「トランプがあなたより先にコミーをクビにしたことが驚きです。」で、スパイサーブチ切れ大暴れ。それが君の質問か、彼女を殺してくれ!!!」
記者「ショーン一度くらいまともに私たちに答えてくださいよ。」
スパイサー「まともに答えている。私はトランプ大統領が私に話したことをそのまんま伝えている。」
記者(グレン)「ではトランプがあなたに嘘を言っている可能性は?」
スパイサー「そんなことあるわけない!!彼は友達なんだ」
記者「彼があなたの友達なら、ではなぜ毎日とあなたに恥をかかすことばかりするのですか?」

スパイサー「彼はそんなことしてない、実際私はそういうのが好きなんだ』
記者『もし彼が友達なら、どうしてあなたをクビにして、サラを後任に据えようとするのですか?』
再び自身の進退問題に、および、たまりかねた彼は、記者会見を打ち切り、トランプに会いにNYのトランプタワーに向けて旅立つ。この背景曲のサイモン&ガーファンクルが秀逸の選択。落ちている新聞には”スパイサーはクビ!?” と大見出し。落ちてるガムを食べるのは、実際にスパイサーは大のガム好き(中毒?)だから。
 
ガードはトランプはもうここには来ないといい、ニュージャージーの彼のゴルフコースにいることがわかるとそこでトランプを捕まえ、不安を爆発させるスパイサー、『こんな状態、私はもう耐えられません!!」ここから、彼らの会話は、だんだん恋人同士のようなやり取りに変わる。『私にキスせよ」というトランプに『私は結婚しているんです」「大丈夫、私は有名人だ(実際のトランプのトンチンカン論理の風刺)」のやり取りで、熱いキスに至る。


マッカーシーのスパイサーはいつも、ものすごく面白いがこの回は特に好き。
私は、マッカーシーに菅官房長官をやってみてほしいと思っている。
ボードウィン・トランプに関して、トランプは怒って全然似てないヘボ役者、とツイート
をして株を下げ、マッカーシー・スパイサーについてスパイサーは、「とても笑えた。実に可愛らしい。」とコメントし株を上げた。


日本のコメディアンは茂木氏の正当な批判に猛反発する前に、氏の指摘した、サタデーナイトライブを見て、それでも自分たちはコメディアンと胸を張れるのかを自問したらいい。ビル・マーやジョン・オリバーの政治トーク番組も見るといい、そして自分たちの政治批評やコメントが、幼稚で媚びたものではないと胸を張れるか、考えてみたほうがいい。
Real Time with Bill Maher ・コメディアンのナイフー社会政治批判 - 密接な関係にある他国から


我々はどのようにトランプ政権に対抗してゆくか?ジョン・オリバー・ショー - 密接な関係にある他国から


視聴率、スポンサー、人間関係に絡め取られている彼らに、それを振り切って英雄になれ、とは言えないが、自分を知り反省はできる。茂木氏の批判にそのとうりだと思うこと、他山の石で自分を磨くことが必要ではないかと思う。国のトップに習った逆ギレはみっともない。コメディアンは権力に風刺と笑いの鋭い剣で戦うものだ。
楽して権力に媚びるのはコメディアンとは言わない。


いい加減にしないと、文化的に非常に質の悪い救いようのない国に成り下がる。それでも構わない人たちもいるだろう。しかしそれでは嫌だという人たちは、まず諸悪の根源安倍政権にNOを突きつけるべきだ。そして昨今、同調圧力を跳ね返し、勇気ある証言、告発を行っている人たちを孤立させず、みんなで守るべきだ。100の攻撃を受けている人に、100の賛同と励ましを送ることだ。茂木氏は、謝る必要など全くなかったが、たった一人攻撃にさらされれば、謝ってことを収めざるをえない。


こういう理不尽に、みんなもっと怒っていい。怒るべきだ。
日本をこんな国に変えた、安倍一強打破で私たち日本人は試されている。



PVアクセスランキング にほんブログ村
ランキングに参加しています。宜しかったら、両方を
クリックしていただけると嬉しいです。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ