密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

一帯一路国際サミット開催当日にミサイルを打ち上げ、習近平の顔に泥を塗って見せた金正恩の誤算

14日のミサイル発射、日本では打って変わってスルー。日刊ゲンダイによると、安倍首相はきのう東京・富ケ谷の自宅を出たのはミサイル発射から1時間も経った午前6時半。その後、国家安全保障会議(NSC)に出席したものの、昼前には官邸を出て自宅にさっさと帰ってしまった。記者団に「さらなる挑発行為も考えられる」と訴えるのであれば、官邸、首相公邸にとどまるのが当然だ。「安倍首相は4月16日の日曜日に北朝鮮が弾道ミサイルを発射した時、官邸にも出向かず、自宅で過ごしていた。『失敗』との報告を受けたからでしょうが、首相自身が今にもミサイルが飛んで来るかのような発言を繰り返していたのだから、本来は官邸で会見を行うべきでした。しかも、外出したと思いきや、都内の高級ホテル内のフィットネスクラブで汗を流し、そのまま絵画鑑賞……。国民に非常事態を訴えながら、自分は悠々自適のホテルライフでは、危機管理上も問題ではないか」(防衛省担当記者)
といったご様子であったらしい。


しかし、5月14日から一帯一路(陸と海の新シルクロード)国際サミットを北京で主催し、北朝鮮に対話の道を開こうとしていた習近平国家主席は、そう呑気にはしていられない。手を差し伸べ国際社会の面前で恥をかかされた形になってしまった。


ニューズウィークで遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)が中国北調整関係の分析と今後を論じている。


痛恨の判断ミスを犯した?中国の習近平国家主席 Jason Lee-REUTERS


5月14日から北京で開催されている一帯一路(陸と海の新シルクロード)国際サミットに北朝鮮代表を参加させることによって、中国は北朝鮮を改革開放の道へといざない、何としても対話の道を選びたかった。というより、「中国は北朝鮮に対話の道を選ばせることに成功した」ということを、世界に見せたかったものと推測する。


中国は今般の一帯一路国際サミットを中華人民共和国誕生以来、最大の事業と位置付けてきた。中央テレビ局CCTVは毎日そのように呼び掛け、連日「一帯一路特集」を報道してきた。


トランプがTPP撤退を宣言して以来、中国こそがグローバル経済のトップリーダーと自らを位置づけ、これで「中華民族の偉大なる復興」が達成され、「中国の夢」が叶うと意気込んできたのである。


4月中に核実験をしようとした北朝鮮に、「もし実行したら国境線を封鎖する」とまで脅して核実験を思いとどまらせた。


トランプも、「条件が整えば、会ってもいい」というニュアンスの発言をしていた。


韓国には親北の文在寅政権が誕生する見込みも確信へと変わっていった。


条件がすべてそろったと判断した中国は、北朝鮮をグローバル経済のトップを走る(と中国が位置づけている)一帯一路国際サミットに招待。北朝鮮もそれに応えた。


しかし残念ながら、金正恩という人間は、習近平の期待に応えるような人物ではなかったことが、これで十分に判明しただろう。


こともあろうに、習近平が待ちに待った「晴れの舞台」のその日に合わせて、ミサイルを発射したのだから。これ以上の恥はないだろうというほどの、最高レベルの恥のかかせ方を、金正恩は心得ていたことになる。


しかし、それにしても、これだけの好条件は、金正恩にとってもないほどの、すべての条件が揃い、それを選びさえすれば、北朝鮮にも道は開かれている、おそらく「唯一にして最後のチャンス」だったはずだ。


これまでのミサイル発射に関しては、それぞれ北朝鮮が抗議を示したいであろう相手あるいは現象を見つけ出すことができた。


中国に残る手段は
習近平の判断の甘さというか、登りつめた驕りというか、あまりに一帯一路国際サミットに意気込んでいたが故の判断ミスと位置付けるしかないだろう。


今般のサミット参加は、中国が北朝鮮に与えた最後のチャンスになるだろうと考えたい。


習近平の怒りたるや、尋常ではないにちがいない。


サミット閉幕後に爆発するかもしれないが、もしここで北朝鮮に見切りをつけなかったとしたら、中国の国際社会における立場はなくなる。29ヵ国の首脳や日米を含む130ヵ国の代表団を集めて開催した責任上、習近平はこのケリを付けなければならない。


残されている手段は国境封鎖、断油、そして中朝軍事同盟の破棄だ。


第三次世界大戦に発展しない範囲内で、これまで見せつけてきたカードを、実際に切る以外にないところに、今度は中国が追い詰められた。


もう、「緩衝地帯だ」などと、言っている場合ではない。隣国に米軍が来ても仕方がないと覚悟を決めて、見切りをつけるべきだ。
しかし今回は全く見当たらない。


そのことから逆に、金正恩という人物がいかなる考えというか、心理状態を有した人物であるかを分析することができる。


彼はただ、「自分は譲歩したわけではないからね」という強がりを、いよいよ譲歩を実行するしかない状況に来て見せただけではないのだろうか?


そしてついでに対話のテーブルで北朝鮮にとっての条件を有利に持っていこうとした。


つまり、核・ミサイル開発を加速させて、テーブルに着いたときには相手が北朝鮮を「核保有国」と認めざるを得ないところにまで漕ぎ着けようという魂胆だ。


しかしこのタイミングで実行したということは、これによって対話路線は無くなったと北朝鮮は思い知るべきだろう。
[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『完全解読 中国外交戦略の狙い』『中国人が選んだワースト中国人番付 やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ』『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など著書多数。近著に『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)


私は、国際法無視のトランプシリア爆撃に、甘やかされた若造の金正恩が負けてなるマジと虚勢を張ったようにも見える。非常に幼稚で愚かな行動だ。


習近平氏がこれをどう納めるか注目している。
安倍首相はお呼びじゃないのだから、ガタガタ騒がず、フィットネスでもしていてくれ。



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