密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

ウーマン村本氏”安倍改憲アジェンダ”のリセットの試みと自他の境界


昨日の記事で、コメディアン・ウーマン村本氏の元旦朝生での発言問題について、ハフィンポストの記事を元に書いた。その中で、村本氏の特に”殺される方を選ぶ”発言に、芸能的机上論と断じてしまったが、訂正する。 リテラの記事による詳しい、議論の経緯を読むと、彼の極論提起は単なる空想的理想的心情ではなく村本氏の”コメディアンのナイフ”であると見て取れる。決して”芸能的机上論”などではない確信犯的な、アンチテーゼの提唱であったと思われる。


この朝生論客VSウーマン村本の騒動は、すでに安倍政権により、じわじわと勧められた”改憲アジェンダ”(Agenda=議題)のトリックをリセットする重要なポイントになるだろうということで、もっと国民は意識的にこの問題を捉えてゆくべきだろうと思う。


まずリテラの記事を転載する。(長い記事なので部分多岐に転載するが、ぜひ全文も読んでほしい。)



元旦(1日未明)に放送された『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)に出演したウーマンラッシュアワーの村本大輔が、放送直後からネット上でフクロ叩きにあった。ツイッターではこんな誹謗中傷が溢れている。
〈テメェの無知を国民や政治のせいにするな。テメェがアホなだけやろがぃ〉
〈ウーマン村本、ただのバカならまだしも、日本にとって害になってきましたね!〉
〈売国奴村本は日本人としての資格がないから、国外追放か死ねばいい〉
〈この人左翼からも若干嫌われとるよね。多分日本人やないよ。〉
村本は、番組で憲法9条の改憲が議論になるなか、「(9条にあるとおり戦力を)放棄すればいい」「非武装中立がいい」などと敢然と言い放ち、他の出演者から「もっと勉強しろ」「侵略されたらどうするんだ」などと一斉に非難された。番組終了後には、これらの村本の発言がニュースとしてまとめられて拡散。井上達夫・東京大学教授から「少し自分の無知を恥じなさい」、「村本くんの発言の裏にある種の愚民観を感じる」など指摘されたことも含めて、村本の“無知”と“愚民観”がフレームアップされ、炎上しているらしい。
ー中略ー
いま、村本が炎上している場面は、番組後半、安倍首相と自民党が打ち出した憲法9条の“3項加憲案”と“2項削除抜本改正案”について、三浦瑠麗が憲法と自衛隊の関係を「神学論争」などと述べ出した後のこと。そこで、司会の田原総一郎が「僕はもう少し次元低くしたい。安倍さんの本音はね、やっぱり戦える自衛隊にしたいんだと思う。でね、いまは憲法上は自衛隊は戦えないんですよ」と言うと、これを受けた村本が「田原さん。もういっこ次元低くさせてください」と切り出して、議論が白熱していく。そのやり取りを可能な限り忠実に再現してみよう。


村本「いいですか。一瞬だけみなさんの大事な時間を借ります。どうしても気になるから。その『違憲』っていうのは何が違憲なんですか。すみません、そのレベルからちょっと」
三浦「自衛隊が? 自衛隊が違憲なのは……」
井上「君、9条2項の文章読んだことがあるの?」
村本「読んだことがない、だから聞いている」
田原「読めよちゃんと!」
井上「少し自分の無知を恥じなさい」
村本「視聴者の代弁者だから! テレビはそうなんですよ!」
井上「陸海空その他一切の戦力はこれを保有しない。交戦権は行使しない」
村本「井上さん、これテレビですよ。これは若い人からお年寄りまで見てるわけですよ。だから1から10まで聞く必要があるんですよ」
三浦「村本さんの質問は、なんで自衛隊が軍じゃないかってことなの?」
村本「僕は武器は持たなくていいと思ってる」
三浦「2項を守れよってことでしょ?」
村本「うん。だって戦後72年、このままでよかったわけでしょ」
三浦「村本さんは、これ(2項)をそのまま守れよって言ってるわけ」
井上「いや、最初の話は自衛隊がなぜ違憲なんですかってことでしょ?」
村本「戦後70年ここまできてたのに」
井上「政府はずっと自衛隊は違憲じゃないって言ってきたし、護憲派も最近の修正主義的護憲派は専守防衛、個別的自衛権の枠だったら合憲だと言い始めた。でもこれは明らかに明文に反するわけね。自衛隊は予算規模で言えば世界で4位か5位の軍隊ですよ。イージス艦も持ってる、ファントムも持ってるわけですよ。これを戦力じゃないっていうのは本当は難しいんですよ。それが、仮にそうだとしても、日米安保のもとで、世界最高の戦力である米軍と一緒に沖縄の防衛はね、交戦権の行使じゃないってこれは嘘でしょ」
村本「でも僕はそれ、戦力を放棄した方がいいかなと思うんです」
井上「それなら正しい。ただし、日本では護憲派も含めて、自衛隊を全部廃棄しろなんて言う人はいない、もう<これこそが安倍改憲アジェンダの成功だ>
田原「放棄するってことは非武装中立にするってこと?」
村本「はい。ぼくはそっちです。非武装中立について教えてもらいたいです


村本は9条2項を「読んだことがない」と一度言っておきながら、すぐに「僕は武器は持たなくていいと思ってる」「戦力を放棄した方がいい」「僕はそっち(非武装中立)です」と表明している。

場が“自衛隊が違憲となる9条をいかに改憲するか”という話題で持ちきりのなか、村本は果敢に、「非武装中立」という憲法9条の自然な解釈を明言し、戦後日本はその憲法のもとにこれまで殺すことも殺されることもなかったと肯定したのだ。


初めは、護憲は当然、世界に誇る平和国憲法とそのかなめ9条、という意見が多勢を占めていたが、最近は、”盲目的護憲は愚か” ”頑な=共産党” ”反対のための反対” ”対案を出せ” などの与党側+改憲派の誘導に、素直のに乗っかり、己のリベラルさ、公正さの証明のように、改憲に頑なでない姿勢、絶対反対ではないという寛容の小さなほころびを生じさせ、”対案を出せ”に乗っかることによって、改憲賛成に組み入れられ始めている。


ブレない共産党の言うように、『私たちはこの素晴らしい憲法をまだ使いこなしていない』という真っ当な意見も、他のリベラル(本当に寛容な保守という響きが好きなあまちゃんでしかないと私は思う)からは賛成が得られず(それでも安倍政権下での改憲は反対などと言っているが)”護憲にしがみつくのは愚か”とディスるのがCOOLのような風潮の世論に安易に迎合している。この世論というのも、古くは中国尖閣問題、近々では北朝鮮危機が煽り+震災で自衛隊に助けられたくせに、彼らを侮辱するのか?かわいそうだ的な、意味不明な感情論の流布によるところが大きい(集団的自衛権で戦場に派遣される方がよっぽどかわいそうだし、人生台無しにする)


 自衛隊を合憲にするために憲法改正するという、本末転倒のご都合主義な議論が、大手を振って歩く現在の日本に、国民が見ている立派な着物は安倍王様の集団催眠の産物であると、目を覚まさせるのが、村本氏の今回の”王様は裸”発言だ。(この他にも侵略幻想へのなぜ?なども重要な提起で、これは前の記事で触れた)
再びリテラ記事に戻る。



村本の非武装中立論をトンデモ論理で血祭りにあげる自称リアリスト論客たち


 文脈を切らずに見れば、村本が9条2項を知らなかったというのはありえず、まさに本人が「1から10まで聞く必要がある」と言ったとおりの“カマトト”だろう(たとえば2項後段の交戦権の定義については諸説あり、番組でもそうだったが、もっぱら自衛隊違憲論に関しては戦力不保持に焦点が当たりやすい)。実際、村本といえば、先の衆院選の際にもこんなツイートをして物議を醸した。
〈声を大にして言う。僕は今年は選挙に行かなかった。全国民で選挙に行かなかったやつの方が多い。多数決の多数が国民の総意なら、選挙に興味なかった俺たちが国民の総意。わがままを言う。台風の中、選挙にいかせるぐらい政治に興味をもたせろ。〉
 

ところが、のちに実は投票にいっていたことを明かしていた。
「でも実は選挙に行っていました。何が言いたいかというと、みんなすぐに信じちゃう。『選挙に行ってない』と言っただけでその通りに受け取っちゃう。これじゃあ政治家は簡単に操作できてしまう」
(インターネット報道メディア「IWJ」17年12月24日)
 

ようするに、村本は、自衛隊は違憲→だから改憲すべきという、他の出演者らによって作られていた前提に対し、「2項を読んだことない」と一度ひっくり返すことで、わたしたちは自衛隊や法律を変え「非武装中立」にするという選択肢をなぜ考えないのかと問題提起した。そういうことではないのか。実際、CM明けの村本は、学者にも物怖じせず、実に本質的な9条論を展開する。



井上「ちょっと質問していいですか。村本さんはじゃあね、非武装中立ね、それは本当に一番筋が通ってるけど、私は間違った理想だと思いますが、ただ多くの人は本当に非武装中立が何を意味するか理解しないで言っているわけね。じゃあ、攻撃されたらどうしますか?」
村本「なぜ攻撃されるんですか」
井上「いや、それを言ってんの。侵略されたら、いや、侵略されないに越したことはない。じゃあ、もし侵略されたらどうするんですか。白旗を挙げて降参なの?」
村本「僕はそっちかなと思います」
井上「そしたら侵略者に対して侵略のインセンティブを与えちゃうよね。それでいいの?」
村本「なぜ侵略される、意味が分からないんですよ」

落合陽一「だって知らない人に通り魔で刺されたりするでしょ?」
村本「だからなぜ中国や北朝鮮が日本を侵略するという発想になるのか、私は分からない」
 

実のところ井上も頷くように、9条を非武装中立と無抵抗と解釈するのは、極めて誠実な条文の読み方だ。むしろ、落合陽一のように「侵略」の可能性を「通り魔」と一緒くたにして語るほうが、外交など国際情勢における国家間の駆け引きを度外視するもので、端的に言って頭が悪すぎる。村本が「なぜ中国や北朝鮮が日本を侵略するという発想になるのか」と疑義を呈すのももっともだが、しかし、『朝生』では他の出演者が寄ってたかって村本を血祭りにあげる方向に動いてしまった。


井上「いや、それは君が問題を避けているの。君の良いところは問題を逃げないことだと思ったけど、今までの非武装中立論者はみんなそうやって議論から逃げてきた」
村本「じゃあわかりました。答えましょう。白旗を挙げて、僕はですよ……」
田原「ちょっとまって。具体的に言うと、もしも日本が米軍と自衛隊がいなかったら、尖閣は中国が取るよ」
村本「分かりました。じゃあ僕は逃げずに答えますけども、僕は、僕の意見はですよ……」
田原「取られてもいいわけね?」
村本「僕は取られてもいいです。僕は明け渡します。僕はですよ。うん」
落合「なんで?」
村本「だって、だってもし皆さんの身内に、自衛隊とか軍隊がいて、その身内が人を殺して国を守ることって……」
井上「じゃあ自分の身内が殺されるってときに、敵を殺さないと自分が殺される状況に置かれたらどうするの?」
村本「じゃあ、殺されます」
落合「なんで?」
村本「だって誰かを殺すわけでしょ?」
井上「いや、そういうことを言う人は多いの、ね? で、僕はそれはほとんど欺瞞的で……」
村本「僕の考えは僕の考えでいいでしょう!」

憲法・安保から話はずれるが、若い頃、年上オジサンアーチストの間に入って自分の意見を言う時、”私は”こう思います。と言うのが常だった。つまりこれは私の意見で、他の人の意見とは、違うこと、自分の未経験、無知も踏まえた現在の見解・意見という意味での”私”であり、当然のアプローチのつもりだった。しかし、これがオジサンたちを不快にさせた。「私は、私は、って、自分のことばかり、誰も気にも話なんかしていないよ!!」と、年上男性アーチストを怒らせた。つまり若い女の子には、議論(酒の席の)への参加は求められたおらず、感心し、勉強し、褒め、笑い、お酌をする、を逸脱するな、と言う叱責だったのだろう。”私は”この”叱責”に未だに納得していない。


アメリカに来て、英語の成り立ちの基本は、”I think"であり"I say" なのだと言う点が、長年日本で忸怩たる(はらわたの煮えくりかえる?)思いに耐えて来た、”私なり”の公平・公正感にフィットした。”I think"であり”We think"ではないのだ。"I say"は”We say"とは違う。日本語には主語がない。極力自分を際立たせず、「みんなそう言ってます」のような意味の成り立たない常套句がある。


村上氏が要所要所に、”僕の考え”をまず前提に話、最後に、人を殺すか、殺されるかの、個人の究極の選択に対しての、欺瞞的と言う批判に対し「僕の考えは僕の考えでいいでしょう!」と言ったことは、日本人には珍しく、自他の線引きを明快にしたい、アメリカ人のようなセンスの持ち主だと感じた。


どれほど頭が良く知識が豊富でも、この自他の線引きが曖昧な識者論客がいかに多いことか。「僕の考えは僕の考えでいいでしょう!」は拒絶の言葉ではなく、僕は僕、あなたはあなた、認めあいましょうよ。その上で議論をしましょうよ、と言う当然のルールが通じない日本の議論の携帯に対する、村本氏の怒りの発露であろう。


話が逸れてしまったが、リテラ記事に戻る。
終盤、村本は改憲をめぐる論議が国民的に盛り上がっていないことに切り込んだ。村本は「僕はまず、国民の人たちが憲法論議をして、そしてテレビでもやっていって、そして国会でもやるようにしたいんですけど、なぜそのメディアでもうちょっとそれを発信して国民でできるようにならないんですか」と批判したのだが、すると井上がこういう風に反論した。
井上「ちょっといいですか。村本くんの発言の裏に、ある種の愚民観を感じるのね。国民はよくわからないんだから、とかね」
村本「僕は、『僕は(よくわからない)』です」
井上「私はそれね、君、一見ね、国民の目線で立っているようだけどすごく上から目線なんだよ。僕はちゃんと説明すれば小学生でもわかる話(だと思ってる)」

ー中略ー
井上は、村本への「愚民観を感じる」発言のあと、こんなふうに演説していた。
井上「すぐ国民投票って言うとヒトラーが云々って(言う人がいるけど、)あれは例外的ですから。ほとんどの国民投票はまともにやられてるわけ。それで、ここで一つ重要なことは、イギリスのEU離脱のあれもそうだけど、国民投票にかけるぞっていうアジェンダが設定されたらね、国民自身が自分たちが主権者としての選択を迫られてるんだと(自覚する)。普段無関心だった若者もパブで議論し始める。通りで議論し始める。家庭のなかでも喧嘩になるほど論議し始める。だから私はこれを、ちゃんとした課題として設定する。じゃあそれをいま、してこなかった。いきなり国民が改正発議して国民投票かけるのは実は国民投票の問題があって、期間が短いとかあるけど、今一番あれなのは広告放送、投票日の二週間前という制限しかなくて、それまでだったら広告いくらかけてもいい。これを変えなきゃいけないっていうのはありますよね。しかし、にもかかわらず、国民にこういうことを改正すると言って国民投票にかけるとなったら国民は真面目に考えるんだ。それを真面目に考えない。もうちょっといろいろ丁寧に説明してあげなきゃ(ダメなんだ)っていうのは、私は許しがたい愚民観だと思います」


 では、事実、
いまの安倍政権が設定している改憲アジェンダとは何か。安倍首相は昨年5月に自衛隊を憲法に位置付ける“9条3項加憲案”を打ち出し、自民党はその首相案と9条抜本改正の“国防軍創設案”を並置して打ち出している。ようは、いきなりラディカルな9条改憲は無理だから、国民がなんとなく「自衛隊が違憲ってよくないかもね」と思うようなマイルドな案を見せて、改憲のための改憲をやろうとしているのだ。一方、成立から70年以上の歴史を持つ現行9条をそのままにするという“9条護憲案”は、完全に議論の端っこに追いやられている。
 

そう。安倍政権がつくったアジェンダとは
“3項加憲か2項削除か”という二者択一にほかならない。言い換えれば政権は、「主権者としての選択を迫られてるんだと自覚する」らしい国民の多くがそのどちらかを選ぶような状況へと巧みに追い込んでいるのである。そんな政権が仕込んでいる状況を考慮していない人たちが、いったいどうして、村本を「愚民観」などと言うことができるのだろう。
 

だからこそ、戦後日本の9条を全面的に肯定し、いや、それ以上に原理主義的な9条護憲=非武装中立を俎上にあげる言論は、貴重であるということ以上に、選択肢を広げていて、「主権者としての国民の自覚」を促すに最も必要とされているものなのだ。村本の発言は、何も間違っていなければ、「無知」と攻撃されるようなものでもない。そう、念を押した上で、最後に番組終了後、沖縄・辺野古に飛んだ村本のツイートを引用して終わりたい。


〈おれが朝生で無知を怒られていたことに対しておれのツイッターをみて会いにきてくれて「僕も知らない、あの場で村本さんが聞いてくれて嬉しかったそれを伝えにきた」と言ってくれた。おい、バカ学者ども、お前達は街の人を知らない。みんな仕事がある。お前らは知で飯食ってるから知ってるだけ。〉(1月2日)
(編集部)


ウーマン村本氏は、アメリカ留学を目指していると聞く。きっと彼にふさわしい環境が得られるだろう。そしてそこで、独自のコメディアンのナイフを研ぎ澄まし、抜き方を洗練させることができるだろう。しかし、彼がそのままアメリカに居ついてしまうなら、日本にとってはとても残念なことである。


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「意味がわからないですよ。なぜ中国とか北朝鮮が、日本を侵略するという発想になるかわからない」その通りです。

ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんが、元旦朝生で”問題”発言を行い、論客さんたちの頭をぐるぐるにしたようだ。


沖縄が、中国のものか、日本のものか、といえば、沖縄は沖縄の人々のもの。尖閣問題が起きた時に、上海に行って上海ビエンナーレのパネルディスカッションアジアの未来を見て、中国や他のアジア諸国にとって、沖縄は特別な位置付けであるのだと実感した。


世界には小さな島の独立国もあり、沖縄も、沖縄の人々が望めば、琉球民主共和国のように独立国出会ってもいいし、日本は友好条約と歴史的経緯から支援も行えばいいと思っている。そうなれば、尖閣諸島は当然琉球民主共和国の領土であろう。


中国が尖閣諸島の領有権主張を言い出したのが、そこに資源を発見してからだと言われるが、尖閣諸島と、台湾や上海は目と鼻の先で、そこを独立国平和主義で交戦権を持たない日本ならまだしも、米軍の手先、いやよりイケイケの危ない日本に任せては脅威を感じるなというのも、無理なからん、地図を見てそう思う。


朝ナマは見ていないが(実は日本にいた頃からあまり好きではない。みんなギスギスして相手をへこませるために議論し、大声を出す、そんなところがたまらなくイヤ)村本さんの発言に関するハフィンポストの記事にツッコンでみる。

お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔氏が1月1日、テレビ朝日系の「朝まで生テレビ」に出演し、中国が攻めてきた場合、尖閣諸島は「明け渡す」などと主張した。


尖閣諸島について「僕は、取られてもいいです。明け渡します」
番組で、討論は憲法9条と自衛隊の話題になった。村本氏は憲法9条2項を守り、自衛隊は「武器は持たなくていいと思っている」と主張。「交戦権も放棄したほうがいい」などと述べた。


日本は国として交戦権は認めていない。自衛権は持っていると解釈されかろうじて自衛隊は存続している。この自衛の範囲を拡大し、予防的先制攻撃までできるようにしたいのが安倍政権だ。後の発言から、村本さんの、交戦権は個人の交戦権?つまり無抵抗主義とうことか?



番組司会の田原総一朗氏が「非武装中立にするってこと?」と聞くと、村本氏は「自分はそうです」などととコメントした。
国のことか、個人の思想なのかがごっちゃになっているがこういう食い違いのまま勢いで進む朝ナマが嫌い。



これに対し、東京大学大学院教授の井上達夫氏は、「多くの人は、非武装中立が何を意味するか、理解しないで言っている」と指摘。「じゃあ、攻撃されたらどうしますか?」などと質問した。


”非武装中立”には、戦時のみのものや、平時を含むものが考えられる。通常は、平時を含めて自衛戦争のための常備軍も廃止し、特定の軍事同盟にも加盟しないものとされる場合が多い。非武装中立の思想は、平和主義や、ガンディー、キング牧師などの非暴力主義、あるいは国際社会への信頼などに基づき、それを国家レベルや平時にも拡大したものとも言える。


やっぱり頭に血が上って、プラットホームを一致させずどんどん畳みかける、まずいよね。「じゃあ、攻撃されたらどうしますか?」って、苦笑を禁じざるを得ないツッコミだが、村本氏の答えは、実に冷静だと思う。

村本氏は「なぜ侵略されるんですか?」と逆質問。「意味がわからないですよ。なぜ中国とか北朝鮮が、日本を侵略するという発想になるかわからない」と、自身の疑問をぶつけた。


実は日本が、中国が侵略してきたり、北朝鮮が攻撃してきたりでナーバスになっているという話をすると、夫Dさんも「なんで日本を侵略するの?なんの目的で?」と首をかしげるのが常。別に石油やウランが埋まってるわけでもないし”物作り日本”の技術力が狙いなら、武力で機材や技術者を殺してしまうより、普通にビジネスしたほうがいいし。


あるいは、(安倍総理を筆頭に、なかったと主張している)第二次大戦中の日本軍侵略と凶行の復讐のため、、みたいな潜在的恐怖による被害妄想。あるいは、今の日本がかつての日本軍を彷彿とさせる侵略大国の再来になっていけば、あるいは、アメリカの陰に隠れて、夢を再びを目指し軍事力をどんどんアップ、再び隣国に脅威となる、そうであれば、中国も韓国も用心するし、北朝鮮も敵対国としての挑発も強める。
つまり、日本が ”侵略(?)”される理由を、昨今の日本は自らどんどん打ち出している状態だということだ。


ある意味、この日本にはびこる”侵略される”ヒステリーは、日本及び強固な宗教対立のある地域以外の国では、戦争は、信条や情熱でやるものではなく、リスクと利益と損失のバランスの中で行われ、時として不幸なことに常軌を逸してゆくという、戦争のセオリーを忘れている平和ボケ被害妄想とも言える。どこの国も自国の兵士をや市民を無駄死にさせたくはないのだ(大日本帝国軍とは違うのだ)


だからこの、村本氏の発言は、まさに日本のように、閉ざされた、しかし情報氾濫、分析過多の中で被害妄想を膨らませている社会が聞くべき意見であるはずなのだ。


この発言に田原氏は、「もしも日本が、米軍と自衛隊がいなかったら、尖閣は中国が取るよ」と述べ、村本氏に「(尖閣を)取られていいわけね」と質問した。この問に村本氏は、「僕は、取られてもいいです。僕は明け渡します」などと述べた。


村本氏は尖閣諸島を明け渡す理由を説明する中で、「もし皆さんの身内に自衛隊とか軍隊がいて、その身内が人を殺して国を守ることってどうですか?」と、他の出演者に問いかけた。井上氏から「敵を殺さないで自分が殺される状況に置かれたらどうするの?」と詰められると、「じゃあ、殺されます」と言い切った。


この井上さんという方は法学者さんなのに、相当頭に血が上っている。殺したり殺されたりは専門外なのだから仕方ないが、”敵を殺さないで自分が殺される状況に置かれ”ないようにすることこそ議論すべきことでしょうが。
相手を殺さないと殺される、そんな状況を招き入れるくらいならその前に、どんなことをしても対立を止めなくてはならない。究極の妄想にいきなりジャンプ・インして、相手の覚悟を問い詰めるって、平和ボケ学術的机上論。
もちろん村本さんも「じゃあ、殺されます」は、やはり芸能的机上論。世界中に死にたくなくても環境や暴力で殺されてしまう人たちが、世界中で、とどまるところを知らない。
しかし、日本人にとって、究極の生死は未だロマンの域を出ていないのではないだろうか。


アメリカ人がベトナム戦争以降自戒を込めていう言葉がある。『アメリカは恐怖から攻撃する』 そして恐怖とは、相手に対する無知と偏見で必要以上に助長される(また政府はそれを巧みに利用する)。人間偉くなると俯瞰して云々と、全体主義に走り始める(その頂点に君臨するのは自分と思っているからだ)でも、命を2つ持っている人間はこの世にいない。自分の命を大事に考え、そして相手も同じ命を持つという当たり前の認識を忘れてはいけない。


とはいえ、ウーマン村本さんは非常に勘のいいシャープなコメディアンです。
「意味がわからないですよ。なぜ中国とか北朝鮮が、日本を侵略するという発想になるかわからない」
多くの人々が、尖閣だの何だのより、この、”王様は裸”的警鐘に注目してほしい。



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ローマ法王のカード 死した弟を背に立ち尽くす広島の少年ー訂正長崎です。

新年を機に、自身の野望をぶち上げ、侵略正当化歴史修正主義を推し進めるべく、どこぞの国の首相が年頭所感を表明したと聞く。
安倍首相が年頭所感で“明治礼賛”! 明治維新150年キャンペーンで長州支配と大日本帝國憲法復活を煽動|LITERA/リテラ


日本が思い出し、心に刻み、未来に向かって努力するべきことは、 ローマ法王フランシスコがカードに選び配布した、この一枚の写真で示される。

原爆が投下された直後の広島で、米海兵隊の従軍カメラマン、ジョー・オダネル氏によって撮影されたとても有名な写真。〜訂正長崎です。



CNN) ローマ法王フランシスコが、長崎原爆投下の被害者の姿をとらえた1945年の写真をカードに印刷して配布するよう指示を出していることが1日までにわかった。カードの裏には、法王の要請により「戦争が生み出したもの」という言葉が記載されている。
この写真は、死亡した弟を背負いながら火葬場で順番を待つ1人の少年の姿をとらえたもの。第2次世界大戦末期に原爆が投下された直後、米海兵隊の従軍カメラマン、ジョー・オダネルさんにより撮影された。
法王は今回、カードの裏に自身の署名とともに「戦争が生み出したもの」という言葉を記載するよう要請した。


写真の内容と由来は短いキャプションにより説明。「幼い少年の悲しみはただ、血のにじんだ唇をかみしめるその身ぶりの中にのみ表現されている」などと記している。



米議会図書館の記録によれば、オダネルさんは4年間をかけて両都市の戦後の様子を記録した。一連の写真は本の形で出版されている。
CNNのバチカン専門家、ジョン・アレン氏は自身のウェブサイトで、「新年を前にこの写真を公開したことで法王の立場に何か実質的なものが付け加わるわけではないが、フランシスコが年末年始の休暇期間中に特定の画像を配布するよう依頼したのは今回が初めてだ。これは法王が、写真のメッセージが今特に重要だと考えていることを示唆している」と述べた。アレン氏によれば、法王は以前にも核兵器を非難し、紛争が子どもたちにもたらす影響を強調したことがあるという。

慈しみの笑みフランシス法王


拳を振り上げる国々の指導者に向けてのメッセージ


唯一の被爆国である日本は、核拡散防止条約に出席もせず、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のノーベル平和賞受賞に対しても、何のコメントも発表ぜず、かつて国民を無謀な戦争に導いた時と同室の情熱を持って、一部の人間たちの権力を増大させ、国民を消耗品のように扱う。浅薄で狂った理念を掲げ、政治を私物化し、情報・印象操作を行い、
平和憲法を破壊し国民主権を停止する改憲に勢いを増している。


その先には、世界の中心で咲き誇る国などなく、国際協調も、歴史の共通認識もなく、報道の自由もなく、子供は貧困に苦しみ、女性は不平等どころか、性的に搾取され続ける、時代に逆行した封建国家、全体主義国家のグロテスクな姿を晒す。


日本の国民が、今の憲法の持つ高い理念を守り、国民一人一人の、個人としての存在を守り、不正はきちんと正される、横暴はまかり通らない、そういう”真っ当な”社会を取り戻さなくては、「戦争が生み出したもの」を再び生み出すことになる。
 
追記 この従軍カメラマン、ジョー・オダネル氏の供述・彼の物語について、ブログ野良猫寛兵衛さんが、書かれたいます。とても心を打ちます、是非お読みください。


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