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南スーダン”一定の区切り”とは?


日本政府は10日、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊の施設部隊を5月末で撤収することを決定した。会見した安倍晋三首相は「南スーダンの国づくりが新たな段階を迎える中、首都ジュバの施設整備は一定の区切りをつけることができると判断した」と述べた。


悪化している現地の治安には触れなかった。


現在派遣中の施設部隊が道路整備を完了する5月末をめどに活動を終了する。
現地のPKO司令部への自衛隊要員の派遣は継続する。安倍首相は「人道支援を充実する」と語った。


日本は2011年11月、独立間もない南スーダンへ自衛隊を派遣。道路や橋の整備に当たってきた。しかし、大統領派と副大統領派の対立が次第に激化。2016年7月にはジュバで大規模な武力衝突が発生した。


安倍首相に続いて会見した菅義偉官房長官は、自衛隊の撤収は治安が理由ではないと説明。政府が自衛隊派遣の根拠としている、紛争当事者間の停戦合意などのPKO5原則は維持されているとの認識を示した。


厚顔無恥とはこのことだ、”紛争当事者間の停戦合意などのPKO5原則は維持されている”のかどうか、下記の記事を読んで判断してほしい。 
日本政府の、御都合主義で、身勝手な、見解は明白。森友が落ち着いたら、また派兵するつもりなのは、明らかだ。国連平和維持部隊は、アフリカの民族紛争には無力である。
武器の供給源を断つ(実際は弾薬などの供給を断つ)などが必須なのだが、日本は反対した。自分たちのみたいものだけ見て、都合のいい判断しかしない安倍政権には、南スーダンの惨状を救うことはおろか、現地に赴いた自衛官の命の危険、帰還後の人生への影響すら念頭ない。


<財政もピンチの南スーダンは、援助従事者のビザ料金を引き上げて財源の穴埋めをしようとしている>


内戦状態が続いて容赦のない暴力や民族浄化、そして飢饉に悩まされているアフリカの南スーダンで、政府は海外からの援助関係者に労働ビザの対価として1万ドルを支払わせる考えだ。


豊かな欧米人や国際援助機関から料金を徴収して厳しい財政の穴埋めに使うと、政府関係者は言う。しかし国際援助機関は、そんなことをすれば本当に支援を必要としている人々に援助が届かなくなり、多くの人の命を奪うことになりかねないと言う。


労働省は声明で、同国内で援助に従事する外国人の専門職に1万ドル、「ブルーカラー」に2000ドル、「カジュアルワーカー」に1000ドルを課す計画だとした。


従来は、外国人の援助活動従事者の労働ビザは100ドルだった。


援助団体Humanitarian Practice at InterActionのジュリアン・スコップ理事は、ビザの値上げについて「世界的に例がない」と語った。「こんなに高いお金が払える援助団体はないし、資金支援者に追加出資を頼みに行っても渋い顔をされる。なぜならこれは、一種の身代金だからだ」と米公共放送ナショナル・ パブリック・ラジオ(NPR)に語った。


【参考記事】民族大虐殺迫る南スーダン。国連安保理の武器禁輸措置決議になぜ日本は消極的なのか


身代金という連想には十分な根拠がある。援助機関は、自分たちが南スーダン政府や反政府組織のターゲットになりつつあることを懸念している。政府軍は今年8月、外国人が集まる場所を襲撃。援助団体職員や地元のジャーナリストを集団レイプし、殴り、殺害した。生存者によれば、兵士たちの標的はアメリカ人だったと言う。


国連は2月、南スーダンの一部地域で飢饉が発生したと宣言した。約10万人が「すでに飢えた」状態で、500万人が危機にさらされている。国連食糧農業機関(FAO)のセルジュ・ティソ南スーダン駐在報道官は「我々の最悪の懸念は的中した」と語る。米国務省のマーク・トナー報道官は、この危機的状況は2013年から続く内戦が招いた「人為的」なものだと述べた。


【参考記事】南スーダン飢饉を防げなかった国際社会


この内戦のため、援助団体職員が食糧などの援助物資を配布することがより困難になっ
た。同国内の国連の物資は乏しく、高いビザ料金のせいでNGOの援助が減れば、はるかに悪化する可能性がある。


ノルウェー難民評議会(NRC)のジョエル・チャ―ニー理事長はガーディアン紙に対し「誤った時に誤った措置だ。それがもし効果を出せば、最悪のタイミングになることは明らかだ」と語った。


政府は2016年11月、NRCの前理事長を一切の説明もなく国外退去にした。それでもNRCは活動を続けている。


新料金の適用にはまだいくつか署名が必要になる。だがこの提案自体が、すでに悪名高い南スーダンの国際的評価をさらに下げてしまった。


「こんな提案を真に受ける政府だ、というだけでも既に心配だ」とチャ―ニーは言った。

<激しい内戦が再燃した南スーダンで、国連基地に身を寄せる民間人の命を危険にさらす失態が何度も繰り返されていた>


 国連なら助けてくれるに違いないと思って彼らはきた。しかし国連の警察官は危険を逃れてきた彼らに銃を向け、来た場所へ戻れと命令。避難民がためらうと、催涙ガス弾を発射した──。


概要
 それは7月12日の午前9時過ぎだ。当時、南スーダンの首都ジュバでは数日間で300人以上の死者を出す大規模な戦闘が起こり、数千人の住民が国連基地内に避難していた。その2日前には、国連が設置した文民保護区(PoC)の施設内にまで銃弾や砲弾が飛んできたため、避難住民の一部は、国連職員が避難するためより安全に作られた中核施設への避難を余儀なくされた。ところが、国連安保理が即時停戦を求めると、散発的とはいえ戦闘がまだ続いているにも関わらず、危険なPoCに戻るよう避難民に強制した。ただでさえ、恐怖と飢えで疲れ果てた避難民に。


国連の警備員から催涙ガスを浴びせられたというヌエル族の高齢の男性は、「国連が住民の信頼を取り戻すには、相当長い時間がかかるだろう」と言った。


 南スーダンでは、計8つの国連基地で約20万人の住民が避難生活を送っている。だが国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが8月に行った聞き取り調査では、7月に内戦が再発して以来、ジュバ郊外のジェベルにあるPoCで避難生活を送る避難民の多くは想像以上の恐怖や不安に苦しんでいる実態が明らかになった。


 さらに数々の証言から、国連の平和維持活動(PKO)部隊や国連の警察官は助けを求める数千人の避難民の保護を怠っただけでなく、より安全な国連基地の中核施設から避難民を強制的に排除し、重大な生命の危機に追いやっていたことがわかった。


【参考記事】南スーダンを駄目にする国際援助


 昨年8月に南スーダン統一政府の発足を目指して調印された停戦合意は、7月の衝突後に事実上破たん。それ以来、1万3000人のPKO隊員を指揮下に置く国連南スーダン派遣団(UNMISS)は、国連の基地内や基地周辺に身を寄せる住民の保護を度々怠ってきたとして、厳しい批判にさらされている。


 7月には、ジェベルのPoCのすぐ外で南スーダン政府軍の兵士らが数十人の住民をレイプする事件も発生。現場付近くにいたPKO隊員は少なくとも1人の女性が性的暴行に合う現場を目撃していたとされるが、制止しなかった。
また居住用のテレイン居住区では7月11日、地元や外国の援助団体の職員が南スーダン兵の集団に襲撃される事件が発生。国連は救助要請を受けたにも関わらずPKO部隊は出動せず、1人が死亡、数人の職員が集団レイプされた。同キャンプはジェベルの国連基地から1.6キロ圏内にある。


 ジュバで起きたような国連の失態は、今に始まったことではない。4万7500人以上が避難生活を送るマラカルの国連基地内で2月に民間人が武装集団に襲撃されたときは、PKO部隊が持ち場を放棄して40人以上が死傷した。この事件を受けて国連本部調査委員会は、「行動せず、持ち場を放棄し、事態への対応を拒んだ結果」としてPKO部隊を激しく非難。PKO部隊が「国連を頼ってきた民間人を命の危険にさらした」と結論づけた。


マラカルの襲撃後、フランスのエルベ・ラドスース国連PKO担当事務次長は南スーダンにおけるPKO任務の失敗を認めたうえで、現場にいた一部の隊員を本国に送還すると発言。二度と同じ事態を繰り返さないために「訓練の強化」を誓ったばかりだった。だが7月に起きた一連の事件へのUNMISSの対応を見る限り、マラカルの教訓は未だ生かされていない。詳細な事実関係については議論の余地があるとはいえ、PKO部隊がまたもや民間人を守る任務を怠ったのは事実だ。


詳細
 7月8日にジュバで戦闘が勃発したとき、2万7000人以上の民間人がジェベルの国連基地内にある2箇所の保護区「第1PoC1」と「第3PoC3」に避難していた。サルバ・キール大統領派の軍隊と、同大統領の第1副大統領で反体制派の元指導者であるリヤク・マシャール派の軍隊との戦闘が激しくなると、2つの保護区もも集中砲火を浴びるようになった。戦闘が最も激しかった7月10日と11日の2日間で民間人10数人が死亡、さらに多くが負傷した。PKOに参加する中国人隊員2名も、乗っていた車両が爆破物の攻撃を受けて死亡した。
保護区という名前とは裏腹に、PoCは外で繰り広げられる戦闘から文民を守るようにはできていない。PoCを囲むのは有刺鉄線のフェンスや土のバリケードで、銃弾や砲弾に対しては防御力をほとんど発揮しない。テントは主にビニールシートや固めた泥でできており、8月上旬に筆者がPoCを訪れたとき、人々はテントに無数に開いた銃弾の穴を見せてくれた。


 ある女性は、ベッドの下に隠れていた子どもたち4人のうち、娘が腕を撃たれたときの様子をくわしく話してくれた。


 医療関係者によると、重症を負った結果、人工肛門用の排泄袋を使用することになった者も3人いたという。


 7月10日、第1PoCと国連基地の中核施設とその他を分ける有刺鉄線フェンスの近くで、破裂弾かロケット弾が爆発した。そのすぐ横には、母親と5人の子どもが座っていた。駆けつけた子どもの父親は、目にした光景に打ちのめされたという。「子どもたちは全員、意識を失っていた。誰が死んで、誰が生きているのかわからなかった」


 母親と4人の子どもは、一命を取り留めた。だが2歳になる末娘まで幸運とはいかなかった。爆弾の金属片が飛んできて、左耳の後ろから額へと貫通した。即死だった。


 7月10日の戦闘のさなか、国連キャンプ内の難民たちが恐怖に震えながら目にしたのは、第1PoC内のPKO部隊の隊員たちが、歩哨としての任務を放棄する様子だった。第3PoC内のエチオピア平和維持部隊は、戦闘が終わるまで持ち場に残ったが、基地居住者たちによると、第1PoC内にいた中国とネパールの部隊は、国連基地の主要区域へと撤退したという。「自分たちを守ってくれると信頼していた人々が真っ先に逃げた」と、ある年配の男性は語った。


 UNMISSのエリザベス・チェスター報道官は、PKO部隊に対して持ち場を離れるよう命令が下したことはないとしながらも、一部の部隊が集中砲火を受けて「避難した」可能性があると認めた。基地居住者によると、PKO隊員が持ち場を放棄した結果、十字砲火のなかで無防備な状態で残された多数の難民が、国連基地の中核施設に保護を求めたという。そこでは国連職員たちが、はるかに頑丈な建物のなかに避難していた。


有刺鉄線を乗り越えて
 女性と子どもたちはパニックになりながらも、有刺鉄線バリアをよじ登って乗り越え、中核施設に辿り着いた(多くの住民が、そのときに負った擦り傷や切り傷を見せてくれた)。第1PoCの居住者によると、バリアのひとつに穴が開いたため、何千人もの人々が何とか中核施設のエリアに入れたという。しかし、そこで彼らを待っていたのは、警棒を振りかざす国連の警官だった。屋内に避難するのを阻止されたと避難民は語る。


「青い制服を着て警棒を持った大柄の男たちに止められた」と、若い女性は言う。「結局、一晩中外で過ごした」


 翌11日は基地のまわりでまだ戦闘が続いていたため、避難民は国連基地の中核施設の周りに滞在することを許可された。だが、国連職員が頑丈な壁の向こうに避難する一方で、彼らは屋外で無防備な状態に置かれたままだった。そして、7月12日の朝に銃撃が静まると、第1PoCに戻るように言われた。


避難民がためらうと、国連警察は群衆に向かって催涙ガス弾を撃ち込んだと、目撃者は言う。「1つは私のすぐそばに落ちた」と、高齢の男性は言う。「弾が転がって、煙が出てくるのを見た。たちまち皆が咳込んで、涙を流しはじめた。私も目が3日間痛かった」


赤ん坊が煙のために呼吸困難になり、意識を失ったと言う女性たちもいる。キャンプの医療管理者もスタッフも、その日、催涙ガスを吸い込んだ患者数人の手当てをしたと言う。


ジェベル基地での催涙ガス使用についてチェスターに聞くと、民間人向けに使用したことはないと否定した。彼女によれば、その時に起こったのは「催涙ガスの爆発事故」だという。


今月、UNMIDDは独立の特別調査官に7月の事件についての調査を託した。調査官はテレイン居住区やPoCで起こったことに加え、催涙ガス事件についても事実関係を明らかにすべきだ。法執行機関が暴動鎮圧のために催涙ガスを使う国は多いが、ジュバでの使い方は民間人を保護するという国連の使命を裏切るものだ。


 南スーダンやその他の国における過去数年に及ぶ平和維持活動の失敗の数々を見ると、国連には民間人保護という使命を果たす能力があるのかどうか疑わしくなる。徹底した反省と改革が必要だろう。



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